湯冷ましとは?新生児からあげていいの?必要なの?どうやって作るの?注意点は?
2018/03/28
赤ちゃんが、お風呂上りや暑い日に、水分が足りているかな?と心配になるお母さんも多いのではないでしょうか。そんな時に、おばあちゃん世代から赤ちゃんに湯冷ましを飲ませるようにアドバイスされたことはありませんか?
湯冷ましって何なのか、絶対に飲ませたほうがいいのか、わからないことも多いですよね。今回は、湯冷ましがそもそも何なのか、必要なのか、どうやって作るのか、湯冷ましをあげる時期や気を付けることについて解説します。
このページの目次
湯冷ましとは?
湯冷ましって何?
お母さんやおばあちゃんから、「お風呂上りは湯冷ましを飲ませてあげているの?」「今日は暑いから湯冷ましを作ろうか」「赤ちゃんに湯冷ましを飲ませてあげなくてもいいの?」といったことを言われたことはないでしょうか。
そもそも湯冷ましとは何なのでしょう。湯冷ましとは、お湯を冷ましたもののことをさします。お風呂上りや汗を多くかいた時等、赤ちゃんが水分不足に陥らないように、昔から与えられているものです。
お湯といっても、赤ちゃんに与えるのですから、沸騰させて塩素を取り除いたお湯を冷ましてからあげます。詳しい作り方については後述します。
湯冷ましって新生児にもあげていいの?いつまであげていいの?
湯冷ましを新生児にあげてもいいの?
ミルクは新生児から飲ませることができますが、ミルクを作るときも沸騰したお湯を使います。湯冷ましは沸騰したお湯を冷ましたものですから、新生児から湯冷ましをあげても問題はありません。
湯冷ましはいつまであげていいの?
〇歳になったら湯冷ましをあげるのをやめなくてはならない、といった決まりはありません。母乳やミルク以外で更に水分を与えようとお母さんが判断したら、赤ちゃんの月齢によらず与えてもよいでしょう。湯冷ましをあげてもよいタイミングについては後述します。
湯冷ましって必要なの?
湯冷ましは必要なの?
お母さんの中には湯冷ましが必要なのか、必ず与えたほうがよいのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
なんでおばあちゃん世代は湯冷ましを飲ませるように言ってくるの?
特に60代以上の方は、湯冷ましを飲ませるようにアドバイスする方が多いです。湯冷ましの必要性がよくわからないのに、湯冷ましを飲ませるようにおばあちゃんに何度もすすめられて戸惑った経験をした方もいるのではないでしょうか。
60代以上の方が子育てをしていた頃は、お風呂上りや暑い日等に湯冷ましや果汁を飲ませるのが一般的でした。その理由は何なのでしょうか。
以前の人工乳は牛乳に似て蛋白質やミネラルが多かったため、人間の赤ちゃんには濃すぎると考えて、水分を補うために湯冷ましが必要とされました。(出典:医療法人福永会 高知ファミリークリニック 母乳育児の重要性)
以前流通していたミルクは、成分が赤ちゃんにとって濃すぎたため、積極的に湯冷ましを与えていました。
今も湯冷ましは必要なの?
では、現在も湯冷ましは必要なのでしょうか。下で紹介している通り、現在のミルクは母乳に近い成分で作られているので、湯冷ましを飲ませて中和させる必要はありません。また、母乳の水分量も十分にありますので、湯冷ましで必ず水分補給をする必要もありません。
現在の人工乳では蛋白質やミネラルの濃度は母乳に近くなっていますし、ビタミンCも十分添加されていますので、湯冷ましも果汁も不必要です。また、母乳中の水分は88%もあり水分量としては十分ですし、鉄の吸収率も人工乳の4%に比べて49%と高く、母乳では湯冷ましや果汁はもともと不必要です。(出典:医療法人福永会 高知ファミリークリニック 母乳育児の重要性)
むしろ、特に母乳育児をしている方は、母乳を吸てつされる機会が減ってしまうため、湯冷まし等の母乳以外のものはあげるべきでないとされています。(参考文献:ちょっと理系な育児 母乳育児篇 牧野すみれ著)
湯冷ましをあげてもよいのはいつ?
基本的に水分補給は母乳やミルクで十分ですが、湯冷ましは体に悪いわけではないので、絶対にあげてはいけないものではありません。以下のような場合は、湯冷ましをあげたほうがよいでしょう。
- お風呂上り
- 夏の暑い日
- 発熱しているとき
- 便秘気味の時
特に、お風呂上りや夏場、熱があるとき等に、赤ちゃんが口でハアハアと息をしている時やぐずっている時は、のどが渇いている可能性があります。そのような時は、湯冷ましをあげたほうがよいでしょう。
湯冷ましの作り方は?
湯冷ましの水は水道水で大丈夫なの?
湯冷ましを作るにあたって、水道水を使っても大丈夫なのだろうかと心配になるお母さんもいるのではないでしょうか。水道水は塩素によって殺菌されています。後述しますが、塩素は煮沸することで飛ばすことができますので、煮沸させることで赤ちゃんにも安心して飲ませることができます。
ミネラルウォーターを使ったほうが安心?
水道水に含まれる塩素が気になる方の中には、ミネラルウォーターを使ったほうが安心なのではないかと考える方もいるのではないでしょうか。ミネラルウォーターには塩素が含まれていませんし、きちんと殺菌処理をされているイメージがありますよね。
しかし、ミネラルウォーターの中には、濾過フィルターを用いた除菌処理のみで加熱処理をされていない商品も存在します。湯冷ましとして使用する場合は一度沸騰させると安心です。
また、ミネラルウォーターには硬水と軟水があります。硬水はミネラルが多く含まれており、赤ちゃんの内蔵に負担をかけるため、軟水であることを確認してから使用するようにしましょう。
湯冷ましの作り方は?
では、湯冷ましの作り方をご紹介します。
- 水道水またはミネラルウォーターをやかんに入れ火にかける
- 沸騰したら、やかんのふたを開け、5分程さらに沸騰させる
- 火を止め、人肌になるまで冷ます
水道水には塩素が含まれていますが、塩素は赤ちゃんの内蔵に負担をかけるため、5分程沸騰させ塩素を飛ばす必要があります。
作った湯冷ましって保管してもいいの?
基本的に赤ちゃんの水分補給は母乳やミルクで行い、湯冷ましは水分不足を補う補完的な役割ですので、一日に何度も湯冷ましを与える必要はないでしょう。また、塩素が抜け、人肌に冷めた状態は雑菌が繁殖しやすくなっていますので、保管はおすすめできません。
基本的に湯冷ましは必要な時に作りすぐに赤ちゃんに与えて、余ったら捨てるようにしたほうがよいでしょう。
湯冷ましをあげるときに気になること・注意すること
湯冷ましってどうやってあげればいいの?
湯冷ましを作ったはいいけれど、どうやってあげればいいのか迷うお母さんもいるのではないでしょうか。湯冷ましは、赤ちゃんが離乳食をはじめる生後5~6か月ごろまでは、スプーンや哺乳瓶を使ってあげましょう。
離乳食をはじめた時期くらいから、ストローマグを使ったりコップを使って飲ませるようにしましょう。
湯冷ましの量に注意しよう
湯冷ましを与える場合は、与えすぎに注意が必要です。新生児の場合はスプーン一杯でも十分です。月齢が進んできても、基本的な水分補給は母乳やミルクで十分できていますので、10ml~30ml程度にとどめるようにしましょう。
母乳の出が悪い時は湯冷ましの与えすぎに特に注意!
特に、母乳の出が悪いと感じて湯冷ましをあげる場合は注意が必要です。湯冷ましをあげることで、赤ちゃんから吸てつされる機会がさらに減少して母乳が出にくくなってしまいます。
母乳は赤ちゃんに吸てつされればされるほど出てきますので、母乳の出が悪いと感じている場合は、湯冷ましを与えるよりは赤ちゃんに母乳を吸わせるようにしましょう。
湯冷ましの温度に注意しよう
湯冷ましは人肌の温度であげるようにしましょう。熱すぎると赤ちゃんがびっくりしたりやけどしたりする可能性がありますし、冷たすぎると飲んだ後にお腹を冷やしてしまう可能性があります。
一度スプーンですくって肌にたらしてみて、熱くないか、冷たくないかを確認するようにしましょう。熱い場合はそのままおいておき、冷たい場合は一度加熱するようにしましょう。
まとめ
湯冷ましは、赤ちゃんの水分が足りない時に与える、沸騰したお湯を人肌に冷ましたものです。水道水またはミネラルウォーターを煮沸することで作ることができます。
基本的に赤ちゃんの水分補給は母乳やミルクでできるので、補完的な役割として湯冷ましを与えるようにしましょう。