小学生のおこづかいの相場はいくら?何年生からあげてるの?上手に使えるようになるにはどうしたらいいの?
2017/04/15
子どもが小学生になると、定期的に出る本が欲しくなったり友達とおやつを買いに行きたいと言ったり、自分で考えて使えるお金が欲しいと思うようになってきます。
「そろそろおこづかい制にした方がいいのかな」「みんなはいくらからはじめてるの?」と思っている人も多いのではないでしょうか。
おこづかいの渡し方も週ごとや月ごと、必要に応じてなど、様々な方法があります。金銭感覚を身につけるチャンスですが、金銭感覚はどうやって教えていくといいのでしょうか。
いざ渡すとなると気になることは多いですよね。ここでは、そんなおこづかいについて考えてみたいと思います。
このページの目次
おこづかいをあげる意味ってなんでしょうか
お祭りやイベント、ちょっと欲しいと思うものがあった時など、小さい頃は親が判断して買い与えてきましたよね。なぜそれをおこづかい制にし、そこから支払わせるようにするのでしょうか。
お友達が貰っているからではなく、子供の成長に大切な理由があるのではないでしょうか。おこづかいを渡して管理させる意味を考えてみましょう。
自主性と計画性を育てたい
おこづかいを渡し、それを自分で管理し計画して使うようにします。欲しいものが出たときに「おこづかいを貯めて買う」という経験をし、我慢を覚えながら目的を達成しようとします。
それが高額なものを買うための長期間の貯金だったり、来月遊ぶための節約だったりと物事によって状況は変化します。
その変化に自分で対応していくことによって、自主性や計画性を育てるのです。
「やりくり」を学ばせたい
お金を管理して今あるお金を把握し、それをいつまでにどのように使うか、今これを買うとそのあとの生活に支障がでないかと考えていくことは、生活のやりくりにも繋がります。
しっかり練習しておかないと、大人になるにつれ困ることが多くなってきます。月の始めに好きなものを買いすぎて、月末にお金に困るということが起こってしまうかもしれません。
生活力を鍛えるためにもやりくりを学ばせましょう。
物の価値を知ることも大切
今まであまり金額を意識せずに「欲しい」と伝えて買ってもらっていたものを、自分のおこづかいで購入すると、その物の金額がわかるようになります。
買おうとしたときに「今までどうしても欲しいと思ってきたけれど、おこづかいがこんなに減るならいらない」という気持ちになるかもしれません。
おこづかいが減るくらいなら買わないもの、その値段をだしても買いたいものを自分で判断しながら金銭感覚を養うのです。
失敗しながらお金の大切さを学ぶ
おこづかいを貰って、最初はいろいろな失敗をすると思います。おこづかいを貰ってうれしくてすぐに使ってしまい、次にもらうまで何も買えなかったということもありますよね。
その場の楽しい雰囲気に「何かが欲しい」という気持ちになり購入してしまうが、後で本当に欲しいものが出てきても買えないという失敗もあるかもしれません。
悔しかったり悲しかったりすると思いますが、それも勉強ですよね。親は失敗する前に使うのをやめさせるようなことはせず、ただ見守りましょう。
もし口を出すとしたら「それはやめた方がいい」ではなく「本当にそれが欲しいのか考えてみない?」とアドバイスするにとどめてはいかがでしょうか。
子どもの意見を尊重し、親の判断で購入するものを決めさせないようにしましょう。親も我慢の時かもしれませんね。
おこづかいはみんな何年生からいくらあげているの?
「いつから?いくら?」というのはとても気になりますよね。小学生になり子どもから「お友達はおこづかいをもらってるんだって」と言われることがあるかもしれません。
平均はとても気になりますが、それよりも大切なことは、子どもにとって適切な金額を渡すことですよね。適切な金額はみんな同じ金額ではないはずです。
お子さんは何を買いたいのか、価値を理解して考えながら使える金額はいくらなのかを一緒に考えてみてはいかがでしょうか。
おこづかいの平均と貰い方
相場にこだわる必要はないとはいえ、やはり気になるところですよね。平均値や貰い方をまとめてみます。
貰っている(%) | 最も多い貰い方(%) | 足りなくなった時(%) | 平均値(円) | 中央値(円) | 最頻値(円) | |
低学年 | 72.9 | ときどき 57.3 | 我慢する 53.3 | 1,004 | 500 | 500 |
中学年 | 73.0 | ときどき 47.8 | 我慢する 61.6 | 864 | 500 | 500 |
高学年 | 73.2 | 月に1回 45 | 我慢する 62.0 | 1,085 | 1,000 | 500 |
※金額は1回にもらう額
参考:金融広報中央委員会 知るぽると「子どものくらしとお金に関する調査(第3回)2015年度」データより
低学年ではときどきおこづかいをもらっていた子も、高学年になると月に1回になる場合が多いようです。金額は高学年の方が高いようですが、多い回答としては全体的に500円ですね。
計画的な期間を1ヶ月にして、お子さんが管理できるか嫌にならないかを考え、お子さんにあった期間や金額を探してみるのが良いのではないでしょうか。
家庭でのルールを決めましょう
おこづかいを渡すだけでは、ただ無計画に使ってしまい「足りない」となるかもしれません。おこづかいの使い方を学ぶことができるようなルールを決めましょう。
おこづかいの金額を決めましょう
まずおこづかいを「いつ」「いくら」渡すかの金額を決めましょう。各家庭の考え方で決めると良いのですが、子どもが管理できる金額で「やりくり」を学べるような金額を考えましょう。
渡す日を決めましょう
週単位か月単位か1日単位か、渡す日を決めましょう。最初から1ヶ月単位で渡すと最初にたくさん使ってしまうという失敗が多くなるかもしれません。
子どもにとっては1ヶ月は長すぎると感じることもありますので、はじめは1ヶ月単位より週か日単位で渡す方が良いですね。
貯めることを学ぶ場合でも短い間隔でおこづかいを貰ったほうが、目標に向かって我慢しやすくなります。
使い方や貯め方を一緒に考えてみましょう
いきなり「どう使うかはあなたが決めて」とおこづかいを渡すだけでは、どう使ってどう貯めればいいのかわかりませんね。まずお子さんと一緒に考えてみてください。
例えば「ゲーム機が欲しい」と言われたら、どうやっておこづかいを節約したら貯めていけるか、一緒に考えることで子どもが自ら良い方法を見つけることができるように導きましょう。
たくさん欲しいものがある子なら欲しいもののリストを作って、優先順位やどれだけ貯めたらいいのかを一緒に考えてみるのもいいですね。
最初に一緒に考えたらあとはお子さんに任せましょう。相談されたらその都度一緒に考え、相談されなかったら見守るという方法が良いのではないでしょうか。
使い道を決める
おこづかいで買うものはどの範囲のものにするかのルールを決めましょう。そしておこづかい帳をつけることを条件に、自分が使ったものを振り返られるようにするといいですね。
ただ、おこづかい帳をつけると決めてもなかなか習慣づけられない子も多いので、習慣になるまでは親がフォローしてあげてくださいね。
使い道のルール例
- 学校で必要なものは親が購入するけれど、可愛くて欲しいという理由の文房具はおこづかいで購入
- 家で食べるおやつは親が購入、友達と外で購入するおやつはおこづかいで購入
- 学校の宿題などで必要な本は親が購入、マンガ本はおこづかいで購入
- 買ってはいけないものを決める
- 買う前に相談するものを決める
おこづかいの前借りはしない
「おこづかいを使いすぎて」や「前借りしたら今月これが買えるのに」といった理由での前借りは、絶対にできないと決めておきましょう。例外を作ると「頼めば親がなんとかしてくれる」と思ってしまいます。
足りなくなったら次のおこづかいまで我慢することで、前もって決まっているイベントやちょっと高価な欲しいもののためにお金を貯めることを覚えるのです。
「かわいそうかな」と思うこともあるかもしれませんが、このルールは守らせるようにしましょう。
お友達や兄弟間での貸し借りは禁止しましょう
友達でも兄弟でも、貸し借りをすることで思わぬトラブルに発展することもあり得ます。自分のお金といっても貸し借りは絶対にダメと念を押しておきましょう。
1度お金を貸すと「また貸して」という気持ちを生みやすくし、次に断った時「どうして貸してくれないの?」という怒りを生むこともあります。
また、おこづかいは親が働いて得たお金から出ていて、子どもにお金の使い方を学ばせたくて渡しているので、兄弟でも自分以外の人が使うものではないのです。
また、自分のお金を使いすぎたからといって人のお金を盗ることは、家族間でも泥棒であり、絶対にしてはいけないことです。そのような気持ちにならないためにも、貸し借りは絶対にダメと強く話しましょう。
但し、友達がバス代を忘れたりして、お金がないと帰宅できず、周りに知っている大人もいないなどピンチの時は助けてあげて欲しいですよね。どういう事を「ピンチ」というのか、話し合ってみましょう。
どうしてもの時は出来る限り「貸すと判断する前に親に相談」するように話しておきましょう。
お金の貸し借りを禁止する理由
- このおこづかいは、お父さんやお母さんが働いて得たお金だから、家族以外に渡すものではない
- おこづかいは好きなものに使ってもいいものだけど、それはお金の使い方を知るための勉強である
- お金の貸し借りは相手との関係を悪くすることがある
- 借りても次のおこづかいまで返せなく、返してしまったらその次のおこづかいまで困るという悪循環になる
- 借りても相手が返して欲しいときに返せないとトラブルになる
この5点が、私が子どもに話している貸し借り禁止の理由です。
お金の貸し借りで起こるかもしれないトラブル
- 貸したお金を返してくれない
- 借りたお金を返したのに返してないと言われる
- いつも貸してくれると思われるかもしれない
- 友達との間に上下関係が生まれてしまう
- 返してという要求に応えられなかった場合、言いふらされたりといじめにつながることがある
- お金は損得の感情を生みやすくし、友達との関係を壊してしまうことがある
お金を大切にするようになるには
お金は「もらうもの」ではなく本来は「働いて得ること」であり、お金の大切さを学んでほしいと思いますよね。
アルバイトができる年齢になれば働いてお金を得ることの大切さを身を持て経験しますが、それまでに「欲しいものがあるから貯める」など目的をもった使い方を学んでほしいですね。
叱らずに一緒に考えていきましょう
おこづかいをすぐに使ってしまっても叱らず、足りなくて困ったときに一緒に振り返って何がダメだったのかを考える手助けをしましょう。
失敗した理由を考え、考えた結果が成功につながることが、金銭感覚を身につける一歩になるのです。
足りなくなったとき、次のおこづかいまでまだ日があっても、追加で渡すようなことはせず、我慢することも教えましょう。
お手伝いに対してお金を払うという決めかた
お手伝いに対してお金を払うとし「お風呂掃除50円」など細かく決めたところ、その決まりにないお手伝いを頼んだら「いくらくれる?」と言われてなんだかさみしい気持ちになったなんて人もいるのではないでしょうか。
家の手伝いは家族の一員として当然するべきことですので、全てのお手伝いに金額をつけてしまうと報酬がないとやらない可能性が出てきます。
でも頑張ったら収入につながるという喜びを知る最初の一歩になるのなら、お手伝いした時におこづかいを渡しても良いのでは?という考え方もありますよね。
では、ご褒美としておこづかいをあげる手伝いと、当然するべき手伝いを分けてみるといいのではないでしょうか。その方法は各家庭で決めて行けばよいと思います。
我が家での方法をご紹介します。息子はお友達がお手伝いにおこづかいを貰っていると聞き、お手伝いを頼むと「おこづかいくれる?」と聞いてきた時期がありましたので、ルールを決めました。
我が家でのルールを紹介《ポイント制》
我が家ではお手伝いに報酬をと考えたとき、学校の宿題に「お手伝い」があることを思い出し、宿題に出ているお手伝いにおこづかいを渡すのはおかしいと感じました。
そこで、おこづかいを渡す理由のようなものを2点決めました。
おこづかいを渡す理由
- 普段から家族としてお手伝いができるようになったから、毎週日曜日に100円を渡す
- いつもより大変なお手伝いをした場合、カレンダーに「ママポイント」のハンコを押す。ママポイントが10ポイントたまったら100円
ママポイントは、「今日は自分は頑張った」と思ったら子どもが自分からカレンダーを持ってくるようにし、そこで私と話し合って押すかどうか、何ポイント押すかを決めています。
この時に忘れてはいけないことは、「お手伝いを頑張ってしてくれたから助かったよ、ありがとう」という気持ちを言葉で伝えることです。お金を渡すだけにならないようにしています。
コミュニケーションを取りながら一緒に考えていけますし、息子も自分の考えを口に出して話すことができるので、私と息子にはとても良い方法になっていると感じています。
それぞれのルールで失敗しながら楽しめる方法を考える
各家庭の考え方や子どもの性格によって適切な方法や金額が変わってくるのです。周りの意見にとらわれすぎず、無理せず楽しめる方法を考えましょう。
お金の使い方は失敗を通じてゆっくり覚えていきます。失敗する前に「それは無駄遣いだよ」と大人が抑えてしまっては勉強になりません。
「無駄遣いしてるな」と大人が思っても子どもはそう感じていないのかもしれません。足りなくなったときに振り返って初めて「これは無駄だったなあ」と感じるかもしれません。
最初に決めたルールを守っているのであれば、口を出さずに見守りましょう。