新生児に予防接種は必要?赤ちゃんの予防接種はいつから?何からはじまるの?
2017/04/02
赤ちゃんが産まれる前から気にしておきたいことはたくさんあります。ミルクのこと、おむつのこと、たくさん気になることがありますね。しかし、一番気にしたいのが赤ちゃんの予防接種のことです。
成長に合わせて計画的に摂取する必要がある予防接種です。そこでまずは、赤ちゃんが産まれてすぐ一番最初に受ける予防接種が気になるのではないでしょうか。
予防接種は赤ちゃんの命を守る大切なことです。ここでは、産まれたばかりの新生児に予防接種が必要かどうかと、赤ちゃんの予防接種はいつから何からはじまるのかをまとめました。
このページの目次
新生児と呼ばれる期間はいつのこと?
子どもは産まれてすぐから総称して「赤ちゃん」と呼ぶことが多いですが、その中でも「新生児」と呼ばれる期間はいつのことでしょう?
「新生児」「乳児」「幼児」とは
- 新生児・・・産まれてから28日まで赤ちゃん
- 乳児・・・新生児の時期を含む、産まれてから1歳までの赤ちゃん
- 幼児・・・満1歳から小学校就学前までの子ども
このように子どもは「新生児」「乳児」「幼児」に、分類されます。母子健康法という法律の中で、言葉の定義がされています。
第六条 5 この法律において「新生児」とは、出生後二十八日を経過しない乳児をいう。
引用元:母子保健法「第一章 総則(第一条―第八条の三)」より
新生児とは、目安として1カ月健診までと覚えるとわかりやすいでしょう。
予防接種について詳しく知りたい!
予防接種と聞くとどんなイメージがあるでしょうか?予防接種とは、病気を予防するための薬を体に取り入れるということです。この病気を予防するための薬のことをワクチンと呼びます。
予防接種については、厚生労働省でも定義してあります。
「予防接種」とは、疾病に対して免疫の効果を得させるため、疾病の予防に有効であることが確認されているワクチンを、人体に注射し、又は接種することをいう。
引用元:厚生労働省「予防接種法」より
また、予防接種には定期接種と任意接種とに分けられます。
定期接種とは?予防できる感染症は?
定期接種とは、厚生労働省の予防接種法で定められた予防接種です。国や自治体が推奨しているため、多くの場合が無料で接種することが出来ます。
一部の地域では有料の場合もありますので、国や自治体に確認する必要があります。母子手帳を交付の際に説明を受けることがほとんどですので、きちんと説明を聞くことを心がけましょう。
幼児期に気にする必要がある定期接種の<予防できる感染症>と<ワクチンの名前>を以下に示します。
<予防できる感染症> | <ワクチンの名前> |
ヒブ(Hib)感染症 | ヒブ(Hib)ワクチン |
小児の肺炎球菌感染症 | 小児用肺炎球菌ワクチン |
B型肝炎 | B型肝炎ワクチン |
ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ | 4種混合ワクチン |
結核 | BCG |
麻しん・風しん | MR(麻しん・風しん混合)ワクチン |
水痘(みずぼうそう) | 水痘(みずぼうそう)ワクチン |
日本脳炎 | 日本脳炎ワクチン |
任意接種とは?予防できる感染症は?
任意接種とは、接種するかしないかを保護者が選択することのできる予防接種です。接種しなくていい予防注射ではないことに注意が必要です。病気を防ぐための予防接種として存在するからには、接種することがベストと捉えましょう。
ほとんどの場合が有料ですが、地域や病院によっては無料もしくは一部負担で摂取できるところもありますので、それぞれ必要に応じて問い合わせてみるとよいでしょう。
幼児期に気にする必要がある任意接種の<予防できる感染症>と<ワクチンの名前>を以下に示します。
<予防できる感染症> | <ワクチンの名前> |
ロタウイルス(感染性胃腸炎) | ロタウイルスワクチン |
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎) | おたふくかぜワクチン |
インフルエンザ | インフルエンザワクチン |
産まれたばかりの新生児に予防接種は必要?
「新生児」における予防接種は、対象となる赤ちゃんと対象とならない赤ちゃんがいます。
お母さんがB型肝炎ウィルスを持っている場合が対象です
平成28年10月1日より、今まで任意接種だったB型肝炎の予防接種が、定期接種になりました。B型肝炎とは、B型肝炎ウィルスがひきおきす病気です。
平成28年10月1日から、B型肝炎ワクチンが定期接種となります。対象となるのは平成28年4月1日 以降に生まれた0歳児です。
引用元:厚生労働省「B型肝炎ワクチンに関するQ&A」より
同時にB型肝炎の予防接種に関しては、定期接種とは区別した母子感染予防処置として、B型肝炎ウィルスを持っているお母さんから産まれて来た赤ちゃんに限り、12時間以内に予防接種をすることが必要とされています。
出生後できるだけ早い時期(12時間以内が望ましいとされています)にHBV免疫グロブリン1mlを筋肉内投与、HBワクチン0.25mlを皮下注射
引用元:母子保健法「B型肝炎 5. 予防(母子感染予防対策・ワクチン接種など)」より
このB型肝炎の母子感染予防処置としての予防接種のみ、新生児で受ける予防接種があると言えます。
赤ちゃんの予防接種はいつから?何からはじまるの?
それでは、新生児期以降(生後29日以降)の赤ちゃんの予防接種はいつから、何を受けることからはじまるのでしょうか?
生後2カ月から
新生児以降にはじめて受ける予防接種は、生後2カ月からはじまります。
生後2カ月で受ける定期接種のワクチンの名前
- ヒブ(Hib)ワクチン
- 小児用肺炎球菌ワクチン
- B型肝炎ワクチン
生後2カ月に受ける定期接種のワクチンは同時接種ですので、1本の注射の中に3つのワクチンが入っています。3つあるからといって3本注射をするわけではありません。
生後2カ月で受けることのできる任意接種のワクチンの名前
- ロタウイルスワクチン
さらにその後は?
生後2カ月を過ぎると次は生後3カ月、生後4カ月と予防接種は続きます。
定期接種に関しては、万が一接種を忘れてしまっても自治体からお家に通知が来る場合もありますが、それに頼ることなく保護者がスケジュールを立てて計画的に接種することが大切です。
予防接種を受けるときの注意点
予防接種は病気を予防するためのものとはいえ、特にはじめての予防接種は、赤ちゃんが泣いてしまうのが可哀想という気持ちになったり、予防接種によってひきおこされる副反応があるのでは?と心配になってしまいます。
前日までに注意したいこと
予防接種を受ける前には必ず自治体や病院からそれぞれの予防接種のガイドブックを渡されますので、隅々まで目を通しましょう。もしガイドブックがない場合は、自治体や病院に問い合わせるようにしましょう。
予診票、母子手帳、赤ちゃんが安心するおもちゃなど、必要なもののチェックも忘れないようにしましょう。
当日に注意したいこと
当日は赤ちゃんの様子を確認することが大切です。熱はないですか?うんちは異常ありませんか?少しでも異常がある場合は予防接種を見合わせるか、判断がつかない場合はお医者さんに相談しましょう。
接種後
接種後に赤ちゃんに異常があらわれないかを会場で待つパターンもありますが、基本的には寄り道をせずにまっすぐお家に帰りましょう。もし何かあった場合にすぐ病院にかけつけられる場所にいるようにしましょう。
お家に帰ったら、赤ちゃんの様子を見ながら、副反応について書いてあるガイドブックも見ながらゆったりと過ごしましょう。
まとめ
予防接種は赤ちゃんの命を守る大切なことです。
新生児の予防接種は、対象となる赤ちゃんとならない赤ちゃんがいることがわかりましたが、保護者が赤ちゃんの状況をしっかり把握して、予防接種のスケジュールをたてましょう。
各自治体などに相談することで、適切な接種時期を母子手帳にメモをしてくれることもあります。わからないとひとりで頭を抱え込まず、周囲と連携をとりながら、みんなで赤ちゃんの命を守りましょう。