11ヶ月の赤ちゃんの体重が増えないのはなぜ?原因と増やす為にできることを紹介!
離乳食を食べているのに、赤ちゃんの体重が増えないことってありますよね。しかも、何か月も体重が増えない場合、さすがに心配になるママも多いのではないでしょうか。
なぜ、赤ちゃんの体重は増えない時があるのでしょうか?赤ちゃんの体重が増えないと病気や異常などの問題があるのでしょうか?赤ちゃんの体重を増やす為にできることは何があるのでしょうか?
以上の疑問に答える為、この記事では赤ちゃんの体重が増えない原因や病気や異常で体重が増えない場合の見分け方、赤ちゃんの体重を増やす為にできることを紹介します。
このページの目次
体重が増えないのは普通?11ヶ月の赤ちゃんが体重の増えない4つの理由
実は、11ヶ月頃になると赤ちゃんの体重が増えなくても特に問題ない場合があります。なぜ、体重が増えなくても問題ないのでしょうか?主な理由を4つ紹介しますね。
1.運動量が多いから
11ヶ月の赤ちゃんはハイハイやつかまり立ちができる場合が多く、活動量が大幅に増えます。したがって、離乳食をしっかり食べていても消費量が上回る為、体重が増えない場合があります。
2.体質のせい
赤ちゃんの体質によっては、ウンチがたくさん出て体重が増えない場合があります。赤ちゃん本人が元気な状態なら、ウンチがたくさん出ても問題ありません。また、まれにですが親からの遺伝で体重が増えない場合もあります。
体重の親子間の相関係数は身長と比較して著しく低く,0.11から0.26の間であり平均は0.19であった。遺伝力は0.37と推定された。
引用元:ヒトの身長・体重における親子相関より
遺伝に関してはこのような研究報告がなされています。この論文によると相関係数や遺伝力の値が大きければ、遺伝の影響力が高いことを示すとあります。引用にもあるように、体重は身長ほど遺伝の影響を受けません。
しかし、遺伝力は0ではありません。したがって、ママやパパが幼少時に細かったり小さかったりした場合、赤ちゃんも遺伝で体重が増えない場合があります。
3.身長が伸びる時期だから
体は部位によって発達の速度が違います。したがって、主に骨が発達して身長が伸びる身長期(伸長期)の期間と筋肉などの体内組織が充実して体重が増える体重期(充実期)の期間ができます。身長期と体重期は交互に来ます。
よって、体重が増えなくても身長が伸びていれば、問題ない場合が多いのです。
4.赤ちゃんの体重は誤差が生じやすい為
実は赤ちゃんの体重は以下のことが原因で誤差が生じやすいです。
赤ちゃんの体重測定で誤差が出る場合
- 体重計が変わった場合
- 離乳食後や授乳後に測った場合
- 測定する前の日まで体調不良だった場合
- 便秘になっている場合
- 赤ちゃんが暴れた場合
家で測る時と保健センターなどで測る時と体重が違う場合があります。体重計を置く場所や体重計のメーカーによって違いが生じる為です。また、測定する時が食後か食前かでも体重は変わりますし、測定前に風邪などの体調不良だった場合は体重が減ることがあります。
他にも、ウンチが出たかどうかで体重が変わることもありますし、測定時に赤ちゃんが暴れてしまうと正確な数値が測れない場合があります。したがって、「測定時に体重が増えていない=実際の体重が増えていない」とは限りません。
しかし、体重が増えないことは何か問題が起きているサインの場合もあります。次は、体重が増えなくて問題がある場合を紹介しますね。
体重が増えなくて問題がある3つの場合
一方で、体重が増えないと病気や異常などのサインになる場合があります。どのような病気や異常があるのか、主に考えられる3つの場合について以下にまとめました。
1.栄養不足
離乳食をきちんと食べている赤ちゃんでも、栄養不足になる可能性はあります。なぜ栄養不足になるのでしょうか?それは、以下の原因が考えられるからです。
離乳食を食べていても栄養不足になる原因
- 自分で食べようとしてこぼしてしまう為、実際はあまり食べていない。
- 遊び食べをしていて、食べる量にムラがある。
- 母乳に栄養があまり含まれていない。
食事の後片付けをしていると、服やテーブルの下に食べこぼしが見つかることはありませんか?食べこぼしを集めてみると、思っていた以上に食べていないことがわかる場合があります。
また、遊び食べやつかみ食べの場合、実際は食べていないけど食事の時間が長い為、赤ちゃんとママの両方が食べた気になっていることもあります。他にも、赤ちゃんの月齢が上がるにつれてママの仕事が増えてきます。
その為、ママは自分の食事を後回しにしたり、あまり栄養面に気を配った食事をしなかったりします。すると、母乳に必要な栄養が含まれず、赤ちゃんに十分な栄養が行き渡らなくなるのです。
そこで、栄養不足かどうかは以下の方法で確認してみましょう。
栄養不足かどうか確認する方法
- 1週間の離乳食のメニューと食べた量を記録する。
- 1週間、授乳する前の体重と授乳後の体重を測り、おおよその母乳量を記録する。
- 市町村が行っている乳児相談や定期健診の時に、管理栄養士に記録を見せて栄養不足かどうか確認してもらう。
何をどのくらい食べたのか管理栄養士に見てもらうことで、赤ちゃんの摂取カロリーや何の栄養素が足りないのかを確認することができます。さらに、何を食べさせれば良いのかなどアドバイスをもらうこともできますよ。
2.ホルモン分泌異常
赤ちゃんの成長には成長ホルモンと甲状腺ホルモンが関係します。成長ホルモンや甲状腺ホルモンが不足すると以下の病気にかかっている場合があります。
成長ホルモンや甲状腺ホルモンの不足によって起こる病気
- 下垂体性小人症
- ターナー症候群
- クレチン症 など
これらの病気には体重が増えないこと以外にも特徴がありますので、総合的に判断しましょう。例えば、上に挙げた「下垂体性小人症」「ターナー症候群」「クレチン症」には、体重が増えない以外に以下の特徴が見られます。
下垂体性小人症の特徴
- 成長率が悪い
- 身長が低い
- 低血糖
- 他のホルモン(抗利尿ホルモンなど)の分泌異常
ターナー症候群の特徴
- 身長が低い
- 性ホルモンの低下
- 腕を下ろした時に、肘から下が外に反る(外反肘<がいはんちゅう>)
クレチン症の特徴
- 身長や体重の伸びが悪い
- 知的発達が遅い
- 手足の指が短い
- よく便秘になる
病気によっては月齢や年齢が上がらないと気づけないものもあります。したがって体重が増えない以外に、以上のような症状が見られたり何かおかしいなと感じたりする場合は病院で診てもらいましょう。
3.腎臓の病気
体重が増えないことで、腎臓の異常に気付くきっかけになる場合があります。例えば、尿崩症(にょうほうしょう)や慢性腎炎にかかっている可能性があります。ただし、これらの病気もホルモン分泌異常の場合と同じく、総合的に判断しましょう。
尿崩症や慢性腎炎は体重が増えない以外に以下の特徴が見られます。
尿崩症の特徴
- おっぱいを頻繁に欲しがる
- おしっこの量が多い(1日3ℓ以上)
- 脱水症状が出やすい(口の渇き、発熱など)
慢性腎炎の特徴
- 顔がむくむ
- 血尿や蛋白尿が出る
- 血圧が高い
こうした特徴が当てはまる場合は、病院で血液検査や尿検査を受けてみると良いでしょう。しかし、体重が増えない時に問題があるのかないのかは、どうやって判断すれば良いのでしょうか?
そこで、体重が増えないのが異常かどうかを判断する為に、チェックすることを次でまとめました。
体重が増えない時にチェックすること
体重が増えない場合、問題があるのかないのかはどうやって判断すれば良いのでしょうか?体重が増えない時にチェックすることを調べてみました。
おしっこ・ウンチの回数
一般的に、11ヶ月の赤ちゃんのおしっこやウンチの回数は以下のようになります。
1回の量 | 回数 | 備考 | |
おしっこ | 50~180cc | 6~16回 | 昼間は回数が減る場合がある。薄い色の場合が多い。 |
ウンチ | 1~3回 | 離乳食によって、固さや回数は変わる場合がある。 |
汗との関係で、冬はおしっこの回数が増え、夏はおしっこの回数が減る場合があります。ウンチに関しても、赤ちゃんの体質(便秘がち・排便しやすいなど)によって上記の回数に当てはまらない場合があります。
したがって、表の回数はあくまで目安として捉えてくださいね。もし、赤ちゃんの体重の増えが気になる場合は、1週間~1ヶ月の赤ちゃんのおしっこの回数やウンチの回数を記録して、自分の子のペースを確認しておくと良いですよ。
赤ちゃんの様子
赤ちゃんの様子については、以下のことをチェックしておきましょう。
赤ちゃんの様子で確認しておくこと
- 元気よく動き回るか。
- よく笑い、よく泣くか。
- 機嫌良く遊ぶ日が多いか。
11か月の赤ちゃんは、活動的で日中はあまり眠らないことが多いです。また、精神面でも発達しているので、感情表現が豊かになっています。もちろん、赤ちゃんには個人差があるので、よくお昼寝をする子もいれば、感情表現があまり豊かでない子もいます。
しかし、普段の赤ちゃんの様子を確認しておけば、いつもと違う様子が見られた時にすぐ気づくことができます。実際に、赤ちゃんのいつもと違う様子を感じ取って病院に連れていき、病気を早期発見できたママもいます。
したがって、体重が増えない時は赤ちゃんの普段の様子も確認しておくと良いですよ。しかし、問題があるないに関わりなく、体重が増えないと順調に成長していないようで、焦りますよね。
赤ちゃんには個人差があり、一人ひとりペースが違うと分かっていても、親に何かできないかと考えてしまうのは自然なことです。そこで、体重を増やす為に食事面でできることはないか、調べてみました。
体重を増やす為に食事面でできる3つのこと
体重を増やす為に、食事面でできることはいくつかあります。その中で、先輩ママたちが実践している方法を3つ紹介しますね。
1.量を増やす
離乳食をよく食べるなら、量を増やしてみましょう。しかし、量を増やす上で気を付けることがあります。
離乳食の量を増やす時のポイント
- 胃の容量を考える。
- 主食→野菜の順に増やす。
- 無理強いはしない。
胃に負担がかからないように、胃の容量を超えて離乳食をあげないようにしましょう。胃の容量は、体重(kg)×30mlで計算できます。例えば、体重が9kgの場合、270mlが胃の容量です。
したがって、9kgの赤ちゃんは、1回の食事で体積270ml分の離乳食(水やお茶を含む)を理論上食べることができます。しかし、食欲は個人差がありますから、赤ちゃんによっては胃の容量を超えても食べる場合があります。
胃の容量を超えて食べてしまうと、消化不良や嘔吐の恐れがあります。よって、食事量を増やす時は胃の容量を考えて増やしましょう。
また、量を増やす時は、まず主食(炭水化物)から増やしましょう。主食を増やしてもまだ欲しがるようであれば、野菜を増やしてみてください。一方、肉や魚などのタンパク質は摂り過ぎると腎臓に負担がかかる為、目安量で抑えます。
体重が増えなくても問題ない場合が多いです。したがって、無理に完食させようとしないでくださいね。
2.おやつをあげる
離乳食の量を増やしても食べない時は、おやつをあげることもできます。ただし、おやつをあげる時は、以下の点に気を付けましょう。
おやつをあげる時に気を付けること
- 決まった時間にあげる。
- 赤ちゃん用のおやつをあげる。(手作りの場合は、薄味にする。)
- 1日のおやつの目安量は1日の必要カロリーの1割に抑える。(11ヶ月の赤ちゃんの場合、約100kcal)
- 赤ちゃん用のおやつをあげる時は、ちぎって与えない。
- 白湯や麦茶、ミルクなど水分と一緒におやつをあげる。
おやつをあげる時は、離乳食がきちんと食べられるように、時間を決めてあげましょう。また、赤ちゃんの体は十分に発達しきっていない為、濃い味や香料、添加物が入ったおやつを与えると、赤ちゃんの体に負担をかけてしまいます。
したがって、赤ちゃん用のおやつか、手作りの場合はなるべく調味料を使っていないおやつを与えましょう。赤ちゃん用のおやつであっても、食べ過ぎは禁物です。一日の必要カロリーを超えて摂取すると、消化に時間がかかって睡眠が浅くなる可能性があります。
市販の赤ちゃん用おやつには、カロリー表示や1日の摂取目安量が書かれているので、与えやすいですよ。ただし、赤ちゃん用のおやつは口の中で溶けやすいように作られているものが多いです。
したがって、ちぎって与えると、食べやすくしたつもりが飲み込む前に溶けてしまい、口の中や喉に張り付いてしまう場合があります。赤ちゃんがおやつを飲み込みやすくする為に、おやつをあげる時はそのまま与え、水分も一緒に摂るようにしましょう。
3.欲しがるだけ授乳する
11ヶ月の赤ちゃんは、主な栄養源が離乳食になっています。しかし、授乳からは栄養を摂取していないわけではありません。1日3回離乳食を与えていても、赤ちゃんは必要な栄養分の60%しか受け取れません。
したがって、赤ちゃんが欲しがるのであれば、授乳の時間を取りましょう。ただし、生後11か月の赤ちゃんの主な栄養源は離乳食が望ましいです。よって、離乳食をきちんと食べられるように、授乳をする時は離乳食の後にしてくださいね。
食事面以外にも赤ちゃんの体重を増やす為に何かできることはないでしょうか?次は、体重を増やす為に生活面でできることを確認しましょう。
体重を増やす為に生活面でできること
食事面以外にも体重を増やす為に何ができるでしょうか。主な対策を以下にまとめました。
睡眠を取る
睡眠は、赤ちゃんの成長に重要な役割を持っています。深く眠っている時に、成長ホルモンがよく分泌されるのです。したがって、体重の伸びが気になる場合は、睡眠に関して以下のことを意識してみてください。
成長を促す睡眠を取る為にできること
- 21時には就寝させる。
- 眠る時は部屋を暗くする。
- 3回目の離乳食は、20時までには終わらせておく。
成長ホルモンがたくさん分泌する深い睡眠時は、寝始めてから2時間くらいまでの間です。また、暗くなるとメラトニンというホルモンが分泌されます。このメラトニンは、体内の生活リズムを整える働きがあります。
したがって、メラトニンが分泌されると睡眠が促され、深く良質な眠りにつくことができるのです。また、食べ物を消化している時は眠りが浅くなります。よって、21時に寝させるのであれば、20時までには3回目の離乳食を終わらせておきましょう。
生活リズムを整える
生活リズムを整えることも、成長を促す役割があります。生活リズムを整えるとは、具体的には以下のことを指します。
生活リズムを整えるためにできること
- 朝は7時ごろに起きる習慣をつける。
- 午前中はしっかり遊ばせる。
- 16時以降の昼寝は避ける。
- 離乳食の時間を固定する。
- 夕方の離乳食は20時までに終わらせる。
- 21時までには就寝させる。
生活リズムを整える為にできることは、早寝早起きです。したがって、7時に起きて21時には寝る習慣をつけさせましょう。早く起きることで、午前中活発に動くことができます。活発に動くと、食欲が出て離乳食をよく食べられるようになります。
子どもによって体力に違いがありますから、午後も元気なようであればしっかり遊ばせましょう。ただし、16時以降に昼寝をさせてしまうと、夜になかなか寝付けなくなる恐れがあります。すでに述べた通り、夜の睡眠は成長ホルモンの分泌を促す重要な役割があります。
したがって、夜しっかり眠らせる為に、16時以降の昼寝は避けましょう。以上の生活リズムを送ると、大人と赤ちゃんの生活リズムが異なるかもしれません。しかし、大人に合わせて夜型の生活リズムを送っていると、体重が増えないだけでなく体温異常にもつながります。
体温異常が起こると、朝活発に動けず、離乳食をあまり食べられない可能性が出てきます。また、体温異常は自律神経の乱れでもありますので、成長ホルモンの分泌が悪くなる場合があります。したがって、できるだけ赤ちゃんに合わせた生活を送ってあげてくださいね。
まとめ
11ヶ月頃の赤ちゃんは、体重や身長の増えが緩やかになります。したがって、体重が増えていなくても代わりに身長が伸びていたり、活発に動いているのが原因だったりと、特に問題がない場合が多いです。とはいえ、病気などが原因で増えない場合もないとは限りません。
したがって、赤ちゃんのおしっこやウンチ、普段の様子を確認して、総合的に判断するようにしましょう。また、栄養をしっかり取れるように離乳食やおやつ、授乳で赤ちゃんをサポートしてあげてください。
成長ホルモンを分泌させる為には、十分な睡眠や規則正しい生活リズムも大事です。赤ちゃんがすくすく育てるよう、ママやパパがサポートしてあげてくださいね。