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乳児湿疹で薬を使った治療法とは?ステロイド外用薬の効果と副作用、誤解についても

      2017/08/10

赤ちゃんの肌はつるつるでしっとりしているため、いつまでも触っていたくなりますよね。まるで玉のような肌を持つ赤ちゃんの肌に、突然赤い湿疹ができてしまったら驚くママもいるのではないでしょうか?赤ちゃんが生後間もなく出てくるこの湿疹は乳児湿疹と呼ばれ、生後1ヶ月から1歳まで続きます。

乳児湿疹が重症化すると、赤ちゃんはかゆみで身体や顔を掻きむしったり、眠れなくてぐずったりしてしまいます。かゆみで苦しむ赤ちゃんを見るのはとても辛いですよね。乳児湿疹のかゆみや、炎症を抑える特効薬がステロイド外用薬です。

しかしながら、ステロイド外用薬は副作用が不安で使いたくないというママもいるのではないでしょうか?今回は、乳児湿疹の治療薬の種類やステロイド外用薬の副作用や効果、誤解についてまとめました。

乳児湿疹で使う薬の種類

保湿剤

乳児湿疹の症状が軽い場合は日々の保湿ケアによって治る場合がありますが、保湿だけでは症状が変わらずそのまま様子をみていると悪化してしまうことも。悪化してしまうと治るまでに時間がかかってしまうので、乳児湿疹と思われるような症状が出た場合は早めに皮膚科かかかりつけの小児科へ行きましょう。

乳児湿疹と診断された場合、症状や医師の治療方法によって以下の薬が処方されます。

乳児湿疹で処方される薬

  1. 保湿剤
  2. 亜鉛華単軟膏(サトウザルベ)、亜鉛華軟膏
  3. 非ステロイド性抗炎症剤
  4. ステロイド剤
  5. 抗アレルギー剤

1.保湿剤

生後3ヶ月以降、乳児の皮脂の分泌が少なくなるため、赤ちゃんは乾燥しがち。乾燥が原因で肌が荒れると、細菌が入りやすくなり乳児湿疹がさらに悪化することもあります。保湿剤を塗ることによって、赤ちゃんの肌の乾燥を防ぐほか、かゆみを抑えたり、掻きむしって傷ができた肌を保護します。

病院で処方される保湿剤

  • 白色ワセリン
  • ヒルドイド
  • ウレパール

いずれの薬も赤ちゃんの肌に塗っても安全なものばかりなので、安心して塗ることができます。

2.亜鉛華単軟膏(サトウザルベ)、亜鉛華軟膏

生後3ヶ月までの赤ちゃんは皮脂の分泌が多く、脂漏性湿疹と言われるジュクジュクした湿疹が出てくる場合があります。脂漏性湿疹で処方される薬は、亜鉛華単軟膏(サトウザルベ)、亜鉛華軟膏と呼ばれるもので、湿疹の炎症を和らげる効果とジュクジュクした患部を乾燥させる効果があります。

3.非ステロイド性抗炎症剤

非ステロイド性抗炎症剤とは、ステロイドを含まない抗炎症剤で、解熱作用や鎮痛作用があります。ステロイドよりも効果は薄いですが、副作用が少なく使用できるのがメリットです。乳児湿疹の症状が軽い場合や、ステロイド薬が浸透しやすく多量に使うことができない顔の塗り薬として処方されます。

病院で処方される非ステロイド系抗炎症剤

  • フエナゾール
  • アズノール軟膏
  • スタデルム

非ステロイド性抗炎症剤は様々な種類があるため、上記以外の薬が処方される場合もあります。

4.ステロイド外用薬

ステロイド外用薬とは、合成副腎皮質ホルモン(ステロイド)を配合した薬で、皮膚の炎症を抑えたりかゆみを抑えたりする効果があります。即効性がありますが、副作用も強いため使用方法に十分注意する必要があります。ステロイド外用薬については次の章で詳しくご説明します。

5.抗アレルギー剤

赤ちゃんの乳児湿疹がアレルギー反応によって引き起こされる場合やアトピー性皮膚炎によるものであった場合に処方されいます。但し、赤ちゃんにアレルギーがあるか否か、アトピー性皮膚炎であるかどうかの判断は赤ちゃんが1歳頃になるまで分からないことが多いので、乳児湿疹でこの薬が処方されることは少ない傾向にあります。

ステロイド外用薬とは?

一般的にステロイドと聞くと、良いイメージはあまりなく副作用が強くて怖い薬だと思う人が多いのではないでしょうか?ステロイドとは別名、副腎皮質ホルモンと呼ばれます。このホルモンは実は私たちの体内にも存在しており、腎臓の上にある副腎という臓器で作られて、免疫の働きを抑えるという重要な役割を果たしています。

医師が処方するステロイドは、副腎皮質ホルモン内にある糖質コルチコイドという成分を化学合成で作られたもので、以下のような効果と副作用があります。

ステロイド外用薬の効果

  • 免疫抑制作用
  • 抗炎症作用

ステロイド外用薬には、乳児湿疹で炎症した皮膚や粘膜のかゆみや炎症を鎮めたりする効果があります。また、内服するステロイド剤は免疫異常による膠原(こうげん)病や関節リュウマチの治療薬として使用されることもあります。

ステロイド外用薬の副作用

  • 皮膚が委縮して薄くなるため、シワや皮膚のひきつりが起こる
  • ステロイド外用薬を塗り続けた患部が赤くなる
  • ステロイド外用薬の免疫抑制作用によって、皮膚の免疫が落ちてニキビや真菌などの感染症にかかりやすくなる
  • 体毛が濃くなる

上記の他にも、強いステロイド外用薬を大量に皮膚に塗ると副腎機能不全という重篤な副作用を伴う場合がありますが、乳児湿疹に処方されるステロイド外用薬は弱いものになりますので、心配する必要はありません。

また、上記の副作用についてもステロイド外用薬を使用したからと言って必ず出るものではありません。医師と相談しながらステロイド外用薬を使用することで、少ない副作用で治療することもできます。

ステロイド外用薬に対する誤解

誤解

ステロイドと聞くと、「副作用が怖い」というイメージはないでしょうか?私も息子の乳児湿疹でステロイド外用薬を処方された際、医師に乳幼児に塗っても大丈夫なのか何度も確認したり、インターネットで調べたりしました。

かかりつけの小児科の医師に尋ねたところ、一般的に誤解されているステロイドの副作用は、内服で長期間使用した場合の副作用であったり、間違った知識によるものだったりします。では、ステロイド外用薬に対する誤解にはどんなものがあるのでしょうか?以下にまとめてみました。

ステロイド外用薬に対する誤解4つ

  1. 塗り続けると肌が黒くなる(色素沈着)
  2. 塗ったステロイド外用薬は体内で蓄積される
  3. 長期に塗ることによって白内障が起こる
  4. 顔が丸くなったり(ムーンフェス)骨がもろくなったりする

1.塗り続けると肌が黒くなる(色素沈着)

ステロイド外用薬を長期間にわたって塗り続けても、肌が黒くなることはありません。色素沈着は虫刺されやかぶれ、やけどなどの強い炎症の後、皮膚の表皮からメラニンが真皮に落ちることによって起こります。

乳児湿疹も例外ではなく強い炎症が起きた場合、色素沈着が起きます。ところが、強い炎症時には皮膚が赤くなるので、色素沈着が起こっても目立ちません。

治療のため、ステロイド外用薬を一定期間塗り炎症が治まると、今まで炎症で見えづらかった色素沈着が目立ってきます。このことから、ステロイド外用薬を塗り続けると色素沈着が起こると誤解されてしまうのです。

2.塗ったステロイド外用薬は体内で蓄積される

ステロイド外用薬は長期的に使用しても体内に蓄積されることはありません。ステロイド外用薬は強さにもよりますが、2~3日で私たちの体内の循環機能によって分解、代謝されてなくなります。

3.長期に塗ることによって白内障が起こる

ステロイド内服剤を長期に使用することによって、起こる可能性があります。ステロイド外用薬によって起こる副作用ではありません。

4.顔が丸くなったり(ムーンフェス)骨がもろくなったりする

3.の副作用と同様、ステロイド内服剤を長期に渡って使用した場合に起こる副作用であって、ステロイドの外用薬をしようしてもこのような症状は起きません。なお、ムーンフェイスと呼ばれる顔が丸くなる現象は、ステロイド内服剤の代表的な副作用ですが、投薬を中止すると元に戻ります。

ステロイド剤を使うときの注意


赤ちゃんの皮膚はとても薄く、大人と比べると半分~1/3程度の厚さしかないため、皮膚の薬を塗ると大人よりも吸収率が高くなります。乳児湿疹で処方されるステロイド外用薬は弱いものですが、塗りすぎると副作用がでる可能性が高くなります。乳児湿疹でステロイド剤を処方された場合は、使用する量や回数をしっかり確認してから赤ちゃんに塗りましょう。

また、自己判断でステロイド外用薬を止めるとかえって赤ちゃんの皮膚の状態が悪化して治療が長引いてしまい、かえってステロイド外用薬を使用する期間を長引かせてしまいますので注意しましょう。

乳児湿疹で処方されたステロイド外用薬の正しい塗り方

1.保湿剤で肌を潤す

医師より乳児湿疹の診断が出された場合、まずは保湿剤で肌の乾燥を防ぐ治療を行います。そして、炎症やかゆみが酷い場合は、保湿剤の他にステロイド外用剤が処方されます。

ステロイド外用薬を塗る際には、まず保湿剤を塗ります。ステロイド外用薬を先に塗ってしまうと、保湿剤を塗る際にステロイド外用薬も塗り広げてしまいます。ステロイド外用薬による皮膚の負担を最小限にするためにも、この順番は守りましょう。

保湿剤を塗る目安は、赤ちゃんの乾燥している肌がしっとりとするまで。保湿剤には、薬剤が含まれていませんので赤ちゃんに多めに塗っても影響はありません。

2.炎症を起こしている患部にステロイド剤を塗る

赤ちゃんの肌に保湿剤を塗ったら、ステロイド外用薬を炎症を起こしている患部に塗ります。炎症がひどくてもステロイド外用薬を一度に多量に塗らないようにしましょう。ステロイド外用薬を適量に塗っても、多量に塗っても効果は同じ。一度に多量に塗ると副作用を引き起こす可能性があるので、なるべく薄く塗ります。

脱ステロイドによる治療法の注意

脱ステロイド

ステロイド外用薬は正しく使用すれば、乳児湿疹によるかゆみや炎症を抑えられるのに効果的な薬です。しかしながら、乳幼児にステロイド外用薬を使用するのはやはりためらいますよね。皮膚科によっては、赤ちゃんの肌の状態とママの意向に沿って、ステロイド外用薬を使用しない治療(脱ステロイド)をする場合があります。

医師の管理の元、脱ステロイドの治療をすることは問題ないのですが、中にはステロイド外用薬を使いたくないがために勝手にステロイドを塗ることを止めるママがいます。これは赤ちゃんとママにとって危険なことで、以下のリスクが発生します。

自己判断で脱ステロイド治療をすることで生じるリスク

  • 湿疹の重症化により浸出液(黄色い体液)が出続けて脱水症状に陥る可能性がある
  • かゆみによって睡眠が阻害されて赤ちゃんの成長障害のリスクが高くなる
  • 掻きむしることによって、皮膚が傷つくので乳児湿疹が慢性化して治りづらくなる
  • 赤ちゃんが乳児湿疹のかゆみで眠れなくなることによって母親の精神状態も悪くなり、虐待のリスクが高まる

上記から、自己判断で脱ステロイドを行うと、赤ちゃんの生命に関わる可能性も高くなります。ステロイド外用薬の副作用が心配で、脱ステロイド治療を行いたい場合は必ず専門医の管理の元で行うようにしましょう。

まとめ

乳児湿疹の治療でステロイド外用薬を処方されると副作用が心配で赤ちゃんに塗るのをためらいますよね。しかしながら、赤ちゃんに処方されるステロイド外用薬のほとんどはとても弱く、さらに保湿剤の上に塗ることから副作用が出ることはほとんどありません。

病院ではステロイド外用薬を塗って赤ちゃんの肌を綺麗にしてから保湿剤でその状態をキープするよう努めるのが、乳児湿疹の最もポピュラーな治療方法になっています。

乳児湿疹はどの赤ちゃんにも起きる可能性があるものです。早めに治療を行えば、ステロイド外用薬を使う期間が短期間になりますので、ママは赤ちゃんの乳児湿疹に気づいたら早めに病院へいきましょう。

そして、ステロイド外用薬を処方されて納得がいかない場合は自己判断で辞めるのではなく、医師としっかりと相談し治療方法を決めるようにしましょう。

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