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妊婦健診で毎回検査する尿糖っていったい何?尿糖が陽性の場合どうなるの?尿糖を下げるためにできることは?

      2018/05/15

妊婦健診では、毎回尿を採取して尿糖の検査を行います。尿糖とはそもそも何なのか、尿糖はどのように検査して、何が正常で何が異常なのか、尿糖が正常でない場合はどのようなリスクがあるのか、よく分からないことが多いのではないでしょうか。

尿糖が陽性の場合、何が影響しているのか、なぜ尿糖の値に気を付ける必要があるのかも気になりますよね。今回は尿糖について妊婦さんが気になることを幅広く解説します。



尿糖とは?どうやって検査するの?検査の目的は?

尿糖って何?

そもそも、尿糖とは何なのでしょうか。尿糖とは、尿の中に含まれる糖分のことです。

血液中の糖濃度がある値(おおよそで160~180mg/dL)を超えると再吸収しきれなくなり尿中に糖が漏れ出てきます。(出典:公益社団法人 日本人間ドック協会 尿検査

上に記載がある通り、血液中で吸収できる範囲を超えると、尿に糖分が漏れ出てきます。その漏れ出てきた尿中の糖分を尿糖といいます。

尿糖は、いつ、どうやって検査するの?

尿糖は、妊婦健診の度に尿検査によって測定します。母子健康手帳にも体重や血圧、浮腫や尿蛋白とともに、尿糖の検査結果を記載する欄が設けられています。産婦人科によりますが、病院で採尿をして検査をしてもらうところもあれば、備え付けの試験紙を用いて自ら検査するところもあります。

筆者は里帰り出産のため途中で転院をしました。妊娠後期までかかっていた総合病院の産婦人科は自ら検査をするスタイルで、里帰り先の個人経営の産婦人科は採取した尿を提出し、検査してもらうスタイルでした。

採尿する際に注意することは?

採尿する場合は、尿道や陰部に含まれる菌や分泌物が混ざらないように、出始めではなく、出始めから1~2秒ほどたった後の中間尿を摂るようにしましょう。

自ら検査する場合はどうすればいいの?

尿糖の検査方法ですが、紙コップに採取した中間尿に試験紙を一定時間浸けて、色の変化で検査結果を確認します。試験紙を浸ける時間や色の変化については試験紙の種類により異なります。初めて検査する場合は産婦人科で看護師によく確認するようにしましょう。

筆者が妊娠後期までかかっていた産婦人科では、はじめに試験方法の詳しい説明がありました。それに加えて、トイレ内にやり方や試験紙の色と検査結果の対応表も貼りだされていました。また、何か分からない場合はトイレ内のナースコールを使用するようにという注意書きもありました。

特に検査に慣れていない時期は、試験紙の色が陰性なのか陽性なのか、陽性でもどの段階なのか、自分では判断できないことがあるかもしれません。試験紙の色が正確に判断できない場合は迷わずに看護師に相談するようにしましょう。

筆者も初めて検査をした時に検査結果の判断をするのが難しく感じたので、ナースコールを使用して看護師さんに相談しました。

尿糖は何のために検査するの?

妊婦さんの中には、尿糖は何のために検査するのかよく分からない方が多いのではないでしょうか。血液中で吸収できない糖分が尿にあふれ出てくると尿糖が陽性となるわけですから、尿糖が陽性の場合、血液中の糖分の濃度(血糖値)も高くなっていることが考えられます。

血糖値が高い状態が続くと妊娠糖尿病と診断される可能性があります。妊娠糖尿病について、日本産科婦人科学会では以下のように説明されています。

妊娠糖尿病とは、妊娠中にはじめて発見された糖代謝異常です。(出典:公益社団法人 日本産科婦人科学会 病気を知ろう

妊娠糖尿病は、血液中の糖の吸収がうまく機能しないことにより、お母さんだけでなく、お腹の中の赤ちゃんにも影響が出る可能性があります。そのため、血糖値を慎重に管理するためにも早期発見が重要となります。

血糖値は採血をすることで分かりますが、毎回採血をするのは費用面でも時間の面でも大変です。妊婦健診の度に尿糖を検査することで、高血糖のリスクがないかチェックすることができるのです。

尿糖の検査結果はどんな形で分かるの?

尿糖の検査結果はどう見ればいいの?

では、尿糖の検査結果はどのような形で分かるのでしょうか。尿糖の検査結果は、大きく分けて以下の三つに分けることができます。

尿糖の検査結果

  • 陰性:-(マイナス)
  • 要注意:±(プラスマイナス)
  • 陽性:+(プラス)、++(2+)、+++(3+)、++++(4+)

陰性(-)の場合、尿糖の濃度は正常値内ですので、心配する必要はありません。要注意(±)の場合、陽性ではありませんが、経過を注意する必要があります。

陽性の場合、尿糖の濃度が高くなっています。+より++、++より+++が尿糖の濃度が高いです。+の数が多いほど尿糖の濃度が高くなります

尿糖の値が高くなるとどういう危険があるの?

尿糖の値が高いとどうなるの?

尿糖は血液で吸収できない糖があふれ出たものですので、尿糖の値が高いということは、血糖値も高いことが疑われます。血糖値が高い状態が続くと、妊娠糖尿病である可能性があります。

妊娠糖尿病になるとどんなリスクがあるの?

妊娠糖尿病が引き起こすリスクとして、日本産科婦人科学会では以下のように解説されています。

お母さん:妊娠高血圧症候群、羊水量の異常、肩甲難産、網膜症、腎症など

赤ちゃん:流産、形態異常、巨大児、心臓の肥大、低血糖、多血症、電解質異常、黄疸、胎児死亡など(出典:公益社団法人 日本産科婦人科学会 病気を知ろう

妊娠糖尿病になると、妊婦さんだけでなく、お腹の中の赤ちゃんにも影響が出る可能性があるのです。

妊娠糖尿病ってどういう人が発症しやすいの?発症する確率は?

妊娠糖尿病は、妊婦全体の7~9%に発症します(※)。特に、肥満体質の方や、家族に糖尿病疾患を抱えている方、高齢出産の方や、過去に巨大児を出産したことがある方や過去の妊娠で妊娠糖尿病と診断された妊婦さんは、妊娠糖尿病を発症するリスクが高くなります(※)。

※出典:公益社団法人 日本産科婦人科学会 病気を知ろう

妊娠糖尿病の検査方法は?血糖値が高い場合や尿糖陽性の場合の対応策は?

尿糖の検査が陽性だと妊娠糖尿病なの?

尿糖で陽性になった方全員が、必ず妊娠糖尿病だというわけではありません。一般的に、妊娠週数が進むと血糖値を下げるホルモンが作用しにくくなります(※)。そのため、尿糖で陽性が出ることも珍しいことではありません。

妊婦健診のたびに、尿糖の検査結果については産婦人科や看護師が確認しています。経過を観察する、はやめに血糖値検査を受けて妊娠糖尿病ではないかを確認する等、必要に応じて対策について指示をしますので、指示に従うようにしましょう。

※出典:公益社団法人 日本産科婦人科学会 病気を知ろう

血糖値の検査は何をするの?

それでは、血糖値の検査は何をするのでしょうか。血糖値の検査方法は、大きく三つあります。

血糖値の検査方法

  • 随時血糖法
  • 50gぶどう糖負荷試験
  • 75gぶどう糖負荷試験

日本産科婦人科学会では、全妊婦を対象に妊娠初期と中期に妊娠糖尿病のスクリーニングをすることを推奨しています。スクリーニング法としては、妊娠初期は随時血糖法、妊娠中期は随時血糖法か50gぶどう糖負荷試験で行います。(中略)スクリーニング陽性であった人には75g糖負荷試験を行い(中略)診断します。 (出典:一般社団法人 日本糖尿病・妊娠学会

妊娠糖尿病は、早期発見のうえ医師の指導のもと適切な対応をとる必要があります。

そのため、毎回の妊婦健診での尿糖の検査に加え、血糖値の検査として、随時血糖法と50gぶどう糖負荷試験を実施することが推奨されています。随時血糖法は、食事時間によらず採血を行い、血糖値を調べる方法です。

50gぶどう糖負荷試験は、甘いサイダーを飲み、一時間後の血糖値を調べる方法です。随時血糖法と50gぶどう糖負荷試験の結果が基準値を超えている場合、妊娠糖尿病かどうかを見極めるために、75gぶどう糖負荷試験を実施します。

75gぶどう糖負荷試験は、空腹時の血糖値と、甘いサイダーを飲んでから一時間後、二時間後の血糖値を調べます。

筆者は随時血糖法と50gぶどう糖負荷試験では正常値内でしたが、妊婦健診の尿糖の検査結果が陽性の状態が続いたため、医師に75gぶどう糖負荷試験を受けるように言われました。試験結果は正常値内で、とても安心したのを覚えています。

75gぶどう糖負荷試験を受けるかどうかは、妊婦健診時の尿糖の検査結果や随時血糖法、50gぶどう糖負荷試験の結果を踏まえて産婦人科医が必要性を判断しますので、指示に従うようにしましょう。

妊娠糖尿病の場合どのような対応をとるの?

75gぶどう糖負荷試験の結果妊娠糖尿病と診断された場合、どのような対応をとるのでしょうか。妊娠中は激しい運動もできませんし、薬で治療するとお腹の中の赤ちゃんに影響がないか心配になりますよね。

妊娠中は母児の合併症を予防するために厳重な血糖管理が必要になります。食事療法を行っても(中略)管理されない場合はインスリンを使用し血糖コントロールを行います。(出典:一般社団法人 日本糖尿病・妊娠学会

日本糖尿病・妊娠学会によると、妊娠糖尿病の対応としては食事療法による血糖管理と、必要に応じて血糖値を下げる働きのあるインスリンを用いた血糖コントロールを行います。かかりつけの産婦人科医の指示に従うようにしましょう。

妊娠糖尿病ではなかった場合、どのような対応をとるの?

糖負荷試験を行っても基準値以下で妊娠糖尿病と診断されなかった場合、どのような対応をとるのでしょうか。妊娠糖尿病と診断されなかった場合は、上で紹介したような食事療法やインスリンを用いた血糖コントロール等は行いません。

ただし、糖負荷試験を行った段階で妊娠糖尿病でなかったとしても、今後妊娠糖尿病になるリスクはありますので、慎重に尿糖の検査結果を確認し、経過をみていくことになります。

妊娠週数が進むと血糖値が下がりにくくなるため、食生活を見直して、更に血糖値に気を付ける必要があります。後ほど詳しくご紹介しますが、必要に応じて産婦人科医や看護師、栄養士に食事内容について相談するようにしましょう。

尿糖の検査結果は食べたものに影響されるの?下げる方法はあるの?

尿糖の検査結果は食べたものに影響されるの?

一般的に、血糖値は炭水化物や、お菓子やジュース等の多い甘いものを食べた直後に高くなります。検査の前に炭水化物や甘いものを多く食べた場合、尿糖の検査結果が陽性反応を示す可能性があります。

尿糖が陽性反応を示した場合、検査前に食べたものが影響している場合もありますし、妊娠糖尿病等が原因で体内で糖を適切に処理をしていない場合もあります。

適切に糖を体内で処理しているかを検査するためにも、妊婦健診の前に炭水化物や甘いものを摂りすぎたりしないほうがよいでしょう。

尿糖を下げる方法はあるの?

尿糖が陽性や要注意となっていると、尿糖を何とかして下げられないだろうかと考える方は多いのではないでしょうか。

先ほど尿糖の検査前に炭水化物や甘いものを控えるように、と書きましたが、継続して尿糖が要注意や陽性になっている場合は、日常的に炭水化物を食べすぎないようにする、お菓子やジュース等の甘いものを控えるようにすることをおすすめします。

ただし、炭水化物は貴重なエネルギー源です。お腹の中の赤ちゃんに栄養を届けるためにも、炭水化物を完全に抜く等の極端な対応は取らないようにしましょう。

どのような食事が適切かは、妊婦健診の際に産婦人科医や看護師に相談してみましょう。病院によっては妊娠中の食事に関して個別に相談できる場を設けてくれているところもあります。

筆者のかかっていた産婦人科では、希望する妊婦を対象に管理栄養士による食事指導、妊婦全員を対象に看護師から簡単な食事指導の時間が設けられていました。筆者も栄養士への個別相談を行い、日々の食事を見直しました。

筆者の体験談

筆者のかかっていた産婦人科では、まず過去三日間で食べたものと食べた時間を記録してくるように言われました。栄養指導はそのメモをもとにアドバイスをしてもらいました。

筆者の場合、「ビタミンを積極的に摂ったほうがよいだろう」という思いから果物を毎日たくさん食べていたのですが、果物には果糖という糖分が多く含まれており、果物を摂りすぎないようにと言われました。他にもついつい口にしていたジュースやチョコレート等を控えるように言われました。

アドバイスいただいたことを実践することで、尿糖の検査結果が改善はしなかったのですが、悪化を防ぐことができました。

出産後は尿糖はどうなるの?

出産を終えると、尿糖の値はどうなるのでしょうか。先ほど、妊娠週数が進むことで血糖値が下がりにくくなると説明しましたが、出産することで血糖値を下げるホルモンが再び正常に働くようになってきます。

なので、一般的に産後は尿糖の検査結果も陰性に戻ることが多いです。筆者も、妊娠中はどんなに食事に気をつかってもなかなか尿糖が陰性にならず悩みましたが、出産後入院中に行った尿検査では尿糖の検査結果が陰性になっていました。

おわりに

妊婦健診のたびに検査する尿糖は、妊娠糖尿病早期発見のために行われています。尿糖は血液中で吸収できなかった糖が尿にあふれ出てきたものです。尿糖が陽性の状態が続くと血糖値も高くなっている可能性があります。

尿糖の検査結果は産婦人科医が毎回確認しており、必要に応じて糖負荷試験を受けさせたり、食事指導を行います。かかりつけの産婦人科医の指示に従うようにしましょう。

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