ベビスマonline

妊活・出産・育児子育て・生活の知恵に特化した専門知恵サイト

妊娠初期に中絶を考える人が必ず知っておきたい6つのこと

      2016/02/28

 「赤ちゃんができた。」
とても喜ばしいことですが、状況によっては不安を感じる女性もいるでしょう。
150304_nakitai
そんな人は「中絶」が頭をよぎるかもしれません。

でも、簡単に決めないで!

中絶は、母体にとって負担の大きいものです。
そして、倫理的な理由から様々な規定があります。

知識をしっかり得て、よく考えて結論を出しましょう。

1.望んでもできない場合も

Heartbreak-creative-timber-Wallpapers-HD-1280x720
中絶は、正式には「人工妊娠中絶」といいます。
「母体保護法」という法律によって、様々な規定があります。

まず、その定義を確認しましょう。

中絶の定義

「人工妊娠中絶とは、胎児が、母体外において、生命を保持することができない時期に、人工的に、胎児およびその附属物を母体外に排出することをいう」

附属物とは、胎盤、卵膜、臍帯、羊水を指します。

中絶可能な時期は妊娠22週未満

定義にある、「母体外において生命を保持できない時期」がつまり、中絶可能な時期ということになります。

それは、平成2年から「妊娠22週未満」と定められています。
医療技術の発展により、妊娠22週に入ると母体外でも生存できる可能性が出てくるためです。

そのため、妊娠22週以降の中絶は法律違反になります。

ここで、妊娠週数の数え方を確認しておきましょう。

正しい妊娠週数の数え方

  • 妊娠前の最後の生理が始まった日を0週0日とする
  • 0週7日で1週間過ぎたことになる
  • 0週8日は1周1日となる
  • 4週で1か月となるため、0~3週が妊娠1か月

「妊娠22週未満」は妊娠21週6日までとなり、妊娠6か月に入っています。

母体保護法に定められている中絶適応者

女性マルバツ中絶は、望めば必ずできるというものではありません。
倫理的な観点から、中絶可能な場合の要件が定められています。

母体保護法第14条第1項に定められている中絶適応者

  • 第1号 妊娠の継続または分娩が身体的または経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの
  • 第2号 暴行若しくは脅迫によってまたは抵抗若しくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠したもの

また、母体保護法第14条には、中絶には一部の例外を除き、配偶者の同意が必要と定められています。

配偶者とは

  • 民法上に記す届出によって成立した婚姻関係にあるもの
  • 届け出はしていないが実質的に夫婦同様の関係にあるもの

また、「一部の例外」とは、上に挙げた母体保護法第14条の第2項に、以下のように定められています。

配偶者の同意が必要ない場合(母体保護法第14条第2項)

  • 配偶者が知れないとき若しくはその意志を表示することができないとき、または妊娠後に配偶者がなくなったときには本人の意思だけで足りる

これらに当てはまらないと医師が判断した場合は、本人が中絶を望んでも拒否しなければならないことになっています。

以上のように、中絶にはその倫理的な観点から、法律によってさまざまな規定が設けられています。
まずは、そのことを理解しておきましょう。

2.中絶手術は2種類 その流れと費用について

259それでは、中絶をするとなった場合、どのような手術が行われるのかを見ていきましょう。

まず確認しなければならないのは、手術可能な病院はどこかということです。
実は、どこでも実施しているということではないのです。

手術を行うことのできる医師は、母体保護法指定医のみと定められています。
日本医師会によって指定医認定基準モデルが作成されており、それをもとに各都道府県の実情に合わせて、各都道府県医師会が認定しています。

基準にのっとって認定された母体保護法指定医のいる病院でしか、手術はできないということです。

時期によって分けられるふたつの中絶手術

中絶手術は、手術を受ける時期によって2つに分けられます。

2つの中絶手術の違い

  • 「初期中絶手術」

妊娠5週ごろ~12週ごろ
5分~20分程度で終わる比較的安全な手術
日帰り可能な場合が多い

  • 「中期中絶手術」

妊娠12週ごろ~21週目または胎児が500g以上
強制的な出産という形になり母体の負担重い
2~3日の入院が一般的
死亡届、火葬が必要

初期中絶手術の流れ

free-illustration-job-syujyutsushitsu-kangoshi-irasutoya危険が少ないため、母体にかかる負担も軽い初期中絶手術。
具体的な手術の流れは、以下の通りです。

初期中絶手術の流れ

1.子宮頸管を開きやすくするため、ラミナリアといわれる海藻から作られた細い棒状のものを挿入。
水分を含んで膨らむことで徐々に子宮頸管を開いていくが、人によっては痛みを感じる。
手術前日に行う場合と当日に行う場合がある。

2.手術は全身麻酔で行う。
静脈麻酔となり点滴から体内へ入れられる。

3.手術形態は、「掻把法」「吸引法」の2種類。
どちらも、かかる時間は10分程度。

  • 掻把法・・・スプーン状、またははさみ状の器具で掻き出す。

器具が単純なため洗浄しやすく、感染などを起こしにくい。

  • 吸引法・・・棒状の器具を子宮内に入れて吸い出す。

子宮内を傷つけやすく出血増える場合あり。
週数が進んでいる場合は困難。
器具の洗浄に手間がかかり、感染のリスクがある。

4.麻酔が切れて目覚めるまでは病室で過ごす。
しっかり歩けるようになれば帰宅。

5.自宅では安静に過ごし、医師の指示のもと術後の受診をして異常がないかを確認。

初期中絶手術は5週頃~12週頃に行われますが、適している時期は6週~9週といわれます。

5週の頃はまだ胎児が小さく確認が難しい場合があり、また、子宮口が開きにくい状況でもあるためです。
10週以降になると、胎児が大きくなっているため、初期手術の方法では難しくなる場合があります。

中期中絶手術の流れ

17216_mater_057_02胎児が大きくなっているため、人工的に出産をする形をとるのが一般的です。
そのため、母体にかかる負担は増します。

中期中絶手術の流れ

1.手術前日に入院
初期手術同様にラミナリアを挿入。
徐々に本数を増やし、一晩かけて十分に子宮頸管を開かせる。

2.翌日ラミナリアを抜く
陣痛促進剤を投与し、人工的に陣痛を起こさせて出産。
通常、麻酔はしない。
陣痛の具合は個人差があり、すぐに出産となる場合があれば2~3日かかる場合もある。

3.術後は病室で安静に過ごす。
子宮収縮の状態や出血の状況といった経過を見るため、2~3日入院となるのが一般的。

4.退院後、医師の指示のもと術後の受診をし、異常がないかを確認

中期中絶手術の場合、「死産」ということになります。
そのため、死亡届を役所に提出し、火葬を行う必要があります。

費用はすべて自己負担

E1415112480146_1
中絶手術は保険適用ではありません。
そのため、かかった費用は自己負担になり、病院による金額の違いもあります。

初期、中期で金額に差があります。

初期中絶手術にかかる費用

  • 妊娠確認のための受診(内診や超音波検査など)・・・1万~2万円
  • 術前検査(心電図や血液検査など)・・・・・・・・・1万~2万円
  • 手術そのものの費用・・・・・・・・・・・・・・・・7万~15万円
  • 術後の再診・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5000円程度

総額で、10万~20万円かかることになります。

中期中絶手術にかかる費用

  • 妊娠確認のための受診(内診や超音波検査など)・・・・1万~2万円
  • 術前検査(心電図や血液検査など)・・・・・・・・・・1万~2万円
  • 手術そのものの費用・・・・・・・・・・・・・・・・・・30万~50万円
  • 術後の再診・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5000円程度

総額で、30万~50万円となります。
中期中絶手術は、実際の出産とほぼ同様の形となるため、金額もほぼ同額と考えておく必要があります。

3.手術時期によって違う中絶手術によるリスク

1ecf5609中絶手術はあくまでも「手術」です。
手術にはある程度のリスクが伴います。

どのようなものがあるのか、具体的に見ていきましょう。

初期中絶手術のリスク

手術時間が短く日帰りも可能、母体への負担の軽い「初期中絶手術」。
それでも、いくつかのリスクがあります。

初期中絶手術のリスク

  • 全身麻酔による呼吸停止や血圧低下など
  • 子宮内感染・・・・・子宮内を傷つけてしまった場合、感染症を起こすことあり
  • 子宮穿孔・・・・・・子宮内壁に穴をあけてしまう
  • 子宮内遺残・・・・・子宮内の取り残し

まず挙げられるのが、全身麻酔によるトラブルです。
これは、麻酔を使用する場合の一般的なリスクと同様です。

「子宮内感染」は、重症の場合子宮壁の癒着を引き起こし、不妊へつながる場合もあります。

「子宮穿孔」は、重症の場合は開腹手術が必要となることもあります。

「子宮内遺残」があった場合、出血がいつまでも続くという症状が現れます。
場合によっては、再度手術が必要になります。

中期中絶手術のリスク

一般のお産と同じ形をとることになる「中期中絶手術」。
しかし、リスクは同じではありません。

中期中絶手術のリスク

  • 過強陣痛による子宮破裂
  • 子宮頸管裂傷
  • 子宮内感染
  • 子宮収縮不全による多量出血

一般のお産ではあまり見られず、中絶手術特有のトラブルとしては、過強陣痛、子宮頸管裂傷が挙げられるでしょう。

中期中絶手術は、陣痛促進剤によって強制的に陣痛を起こさせて出産する、という方法を取ります。

一般のお産の場合、いずれ陣痛は起きることになるため、点滴を使用し、母体の状況を見ながら量を調整していく、という方法が多く取られます。

しかし、中絶手術の場合は、全く陣痛が起きていない状況から始めるため、使用するのは効きの長い錠剤です。
錠剤は、様子を見ながら量を調整することは困難です。
そのため、「過強陣痛」になる可能性は一般のお産よりも高くなると考えられます。

「子宮頸管裂傷」は、一般のお産の場合、赤ちゃんが出てくる際に起きることがあります。
しかし、中絶手術の場合は、手術の前に行われるラミナリアの挿入によるものが多くなります。

全くお産の兆候のない状態でお産を行うことになるので、子宮頸管をしっかり開かせる必要があります。
そのためのラミナリアによる処置ですが、子宮頸管を傷つけてしまう可能性があるのです。

子宮頸管裂傷は、重症の場合大量出血につながります。

k14507675

その他、中期中絶手術では、赤ちゃんはかなり大きくなっています。
そのため、産声を上げる場合もあります。
しかし、母体外で生きていくことはできず、やがて死に至ります。

そして、死亡届の提出、火葬を行うことになります。

こうした状況は、かなりの精神的負担となるでしょう。
これも、リスクといえるかもしれません。

4.中絶は妊娠に影響大

shutterstock_168987227_中絶を経験したあと妊娠を望むということは、多くあるでしょう。
しかし、中絶は不妊につながる可能性があります。

中絶が不妊につながる可能性のあるのは、以下の状況です。

中絶による不妊の原因

  • 子宮内感染による子宮内の癒着
  • 繰り返し中絶手術を受けた場合の子宮内膜のへの影響

子宮内感染による子宮内の癒着は、「アッシャーマン症候群」といわれます。
子宮壁がくっついてしまっている状態で、着床が困難になります。

また、特に初期の中絶手術は子宮内から胎児を掻き出すという方法が多く取られます。
そのため、中絶手術を何度も繰り返していると子宮内膜が薄くなり、着床しにくい状況へつながります。

1回限りの何のトラブルのない手術経験なら、その後の妊娠への影響はありません。
しかし、何度も経験している場合は不妊につながるということを覚えておきましょう。

5.中絶手術による精神的後遺症「中絶後遺症候群」

500x0_55c16caa-36d0-40f7-8c8c-66b20a0103f1_jpg中絶手術は、女性にとって大変重いものです。
以上で述べてきた様々な体への影響とともに、心にも大きな影響を及ぼします。

中絶後遺症候群とは

中絶手術後にそのことが原因でPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症した場合、中絶後遺症候群といいます。

中絶を経験した女性の5人に1人が、中絶後遺症候群であるといわれます。
特に、複数経験している場合や離婚離別をしている場合、また、10代女性に多く見られます。

中絶後遺症候群は、3つの症状に分けられます。
その主なものは以下の通りです。

中絶後遺症候群の主な症状

  • 過剰反応

急激な怒り
攻撃的行動
苦悶発作
睡眠障害

  • 侵害行為

フラッシュバック
悪夢
うつ状態

  • 抑圧

自殺願望
中絶の場面を思い出せない
中絶に関わった人や子どもを避ける

 

中絶は、中絶後遺症候群とまでに至らなくとも、疲れやすい、イライラする、眠れない等の何らかのストレス症状を見せる女性は多くいます。

ある調査では、中絶手術を受けた人の約半数にストレス症状がみられ、その約20%~40%は、中~高程度のストレス症状が見られたということです。

中絶は、それだけ心に大きな傷を残すことになるのだということをしっかり認識しておくことが必要でしょう。

6.日本では未承認 中絶薬「ミフェプリストン」

9624-1アメリカやフランスなどでは、手術ではなく薬を飲むことによって中絶をすることが可能です。
それがフランスで開発された「ミフェプリストン」という薬です。

これは、妊娠後49日以内に服用し、妊娠継続に関わる黄体ホルモンの作用を抑制させることで、流産の形で中絶する、というものです。
合わせて子宮収縮剤を飲むことで、成功率は90%以上といわれています。

しかし、日本では未承認の薬です。
また、承認されている国でも、医師の管理指導の下での服用でなければならないとされています。

たとえばアメリカでは、服用初日、3日後、14日後の3回医師の診察を受けることが、ミフェプリストン使用についてのガイドラインに記されています。

副作用のリスク大

服用した人のほとんどに、副作用が現れるといわれています。

主な症状は次の通りです。

ミフェプリストン服用による副作用

  • 痙攣
  • 出血
  • 吐き気
  • 下痢
  • だるさ
  • めまい

高い成功率を誇っていますが、その陰には、100人に5~8人程度の人が手術に至っているという調査結果があります。

また、次の人は使用が禁じられています。

ミフェプリストンを服用してはいけない人

  • 子宮外妊娠
  • 避妊具を使用
  • 慢性副腎機能不全
  • 長期にわたってステロイド剤を服用
  • 出血傾向がある

ネットでの購入は危険

ae54919f5754f7c7d8adb5e4d8b73c78日本では未承認ですが、ネットで購入することができてしまいます。
しかし、ネットでは偽物も多く出回っているのが実情です。

そうしたものを、安易に購入して使用するのは大変危険です。
ミフェプリストンが承認されているアメリカでも、ネットでの購入に警告を出しています。

日本では、中絶手術は母体保護法指定医にしかできません。
自己判断で、薬の服用で中絶することがどれだけ危険な行為か、よく考えましょう。

また、子宮外妊娠は通常の妊娠の症状しか現れず、自分ではわからないものです。
もし、子宮外妊娠であることを知らず薬を服用してしまった場合、生命にも危険が及びかねません。

妊娠が疑われ、それがたとえ望まないものであったとしても、必ずまず医師の診察を受けることが大切です。

 - 妊娠初期 ,