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妊娠中の飛行機 乗っていい時期と控えるべき時期

      2017/04/15

どうしても乗る必要がありますか?

お仕事ママが増えている現在、妊娠中でも出張などで飛行機に乗らなければならないこともあるでしょう。

そうでなくても、離れて暮らす家族に何か起きたりする場合もあるでしょうし、里帰り出産で長時間かけて帰ることになる場合もあるでしょう。

でも、本当に飛行機に乗る必要があるのか、十分に考えてみましょう。

妊娠は、たとえ何も問題なく順調であっても急変することはあります。

高齢妊娠リスクが叫ばれますが、高齢でなくともリスクがないわけではありません。

その飛行機、本当に乗らなければいけませんか?

もう一度考えてみましょう。

機内環境は過酷

まず、飛行機の機内はどのような状況になるのかを確認しましょう。

飛行機の機内環境

  • 気圧・・・・・・・・・水平飛行中は約0.8気圧
  • 酸素圧力・・・・・地上の約80%
  • 湿度・・・・・・・・・長時間飛行の場合20%以下

気圧、酸素の圧力とも、標高2000mほどの地点とほぼ同じ状況です。

そのため、呼吸器や心臓に疾患のある、または重度の貧血のある場合は症状が重く現れることがあります。

また、離着陸の15分~30分前から急激な気圧の変化が起こり、航空性中耳炎を発症するケースもあります。

長時間同じ姿勢になりやすいということも、飛行機搭乗によるリスクです。

特に妊婦は、お腹が大きくなることで内臓や下肢が圧迫されやすく、むくみや血流不良になりがちです。

 

そして、最大のリスクは、密閉された空間だということでしょう。

不測の事態が起きた場合、できることは限られてしまいます。

飛行機は、健康に問題のない場合は何も心配することのない乗り物です。

しかし、こうしてみると飛行機の機内はなかなか過酷な環境であるといえるでしょう。

「妊娠は病気ではない」といいますが、やはり搭乗には注意が必要です。

最も安全「安定期」

妊娠中の飛行機に乗る場合、最も適した時期は「安定期」でしょう。

ママも、おなかの赤ちゃんも落ち着いてくる時期だからです。

「安定期」とは

名前からして、安心できる時期なのだな、と思えますが、そもそも「安定期」とは何でしょうか。

「安定期」とは、妊娠16週ごろ~28週ごろを指します。

このころの特徴として、以下のような変化が見られます。

「安定期」の頃の体の状況

  • つわりが終わる
  • 胎盤の完成
  • 流産のリスクが激減

まず、ひとつめとして「つわりの終わり」が挙げられます。

吐き気やだるさ、眠気など、つわりは妊婦にとってとても辛いものです。

妊娠直後から悩まされてきたこれらの症状が、治まってくる時期なのです。

 

それには、ふたつめに挙げた「胎盤の完成」がかかわっています。

妊娠継続に必要なホルモンは、胎盤が作られると徐々にそこから分泌されるようになります。

それは出産まで続くことになります。

こうしてホルモンの状態が安定してくることが、つわりの軽減に結びついているといわれます。

 

そして、三つ目は「流産のリスクの激減」です。

流産の実に9割が、妊娠12週以前に起こっています。

胎盤の完成は妊娠14週~16週ごろとされ、胎盤が出来上がってくるに伴い流産の危険性は減ってくるのです。

お腹の赤ちゃんは、胎盤が完成するまではママの血液から直接栄養を取り込んでいます。

胎盤が出来上がってくると、胎盤からへその緒を通じて栄養を受け取り、不要なものをママへ返します。

 

胎盤は、赤ちゃんに必要のないものや有害なものを取り除くフィルターの役割もあり、そのため赤ちゃんの状態も安定してきます。

そのことが、流産のリスクを減らすことに結びつくのです。

「安定期」でもリスクゼロではない!

「安定期」は、確かに母体も赤ちゃんも文字通り安定してくる時期です。

なので、大きなトラブルが起きる可能性は低くなり、飛行機の搭乗もまず心配ないでしょう。

 

しかし、やはり人間の体のこと、個人差は大きくあります。

 

ある調査では、つわりのあった妊婦の約4割が「安定期に入ってもつわりがあった」と答えています。

流産(早産)に関しても、約1割は安定期に入ってから起こっています。

 

また、妊週12週より前に起こる初期の流産は染色体異常など胎児の側が原因で起こることがほとんどで、ママにはどうしようもないものです。

しかし、それ以降の流産、早産(妊娠22週以降)は、激しい運動や無理をした生活など母体の側が原因になる場合が増えます。

そうした意味から、「安定期に入ったから何をしても良い」ということではありません。

胎盤は完成後も成長する

胎盤の完成がママと赤ちゃんの成長の安定に結びつく、と上で述べました。

しかし、胎盤は完成して終わりではなく、その後成長をするのです。

赤ちゃんはお腹の中でどんどん成長をしていきます。

それに伴って胎盤も大きくなっていくのです。

最終的には500gほどになり、赤ちゃんの発育を支えます。

そのため、この胎盤の成長期に無理をすると、流産や早産につながる恐れがあるのです。

妊娠初期、後期は控えるべき

飛行機の搭乗は、「安定期」以外は控えるべきでしょう。

妊娠初期は、上で述べたとおり流産のリスクは高い時期です。

12週までの流産は、飛行機に乗ったことが原因でおこることはありません。

しかし、処置が遅れる可能性は大いにあります。

また、つわりがある場合は飛行機特有の状況がさらにつわりをひどくする可能性があります。

妊娠後期にかけてリスクが増す体のトラブル

妊娠後期に関しては、この時期特有の体の変化があります。

妊娠後期の体の状況

  • お腹が大きくなることで足元が見えづらいなど転倒の危険が増す
  • お腹が大きくなって胃や膀胱などを圧迫→吐き気、むかむか、便秘、頻尿など
  • むくみやすくなり血流が滞りがちに

また、妊娠後期にかけて発生しやすい妊婦特有の病気もあります。

妊娠後期にかけて起きやすい妊婦特有の病気

  • 常位胎盤早期剥離・・・・・妊娠22~36週 出血、下腹部の激痛、下腹部の激しい張り
  • 妊娠高血圧症候群・・・・妊娠20週~産後 血圧が高い、尿にたんぱくが出る
  • 前期破水・・・・・・・・・・・・妊娠28~36週  出産前に羊水が漏れ出てしまう

常位胎盤早期剥離、妊娠高血圧症候群の二つは健診等で発見されることが多いものです。

疑いのある場合は、飛行機に乗ることはやめるべきでしょう。

また、「安定期」といわれる中期からリスクが上がることを知っておきましょう。

注意が必要なのは「前期破水」です。

 妊娠後期に当たる妊娠28週以降に起こりやすいものですが、それ以前に起きる場合もあります。

起きてしまった場合は、素早い対応が必要となります。

すぐに入院をして、感染を防ぐ処置をすることが一般的です。

以上のように、妊娠後期に入ると様々な体の変化が現れます。

また、妊娠37週以降の臨月に入ると、いつ出産が始まってもおかしくない状態です。

このような時期は、遠出を避けて自宅で体調に注意しながら生活することが最も大切です。

そうしたことから、飛行機に乗ることは控えるべきでしょう。

妊娠後期は搭乗できない場合も

妊婦の飛行機搭乗には、航空会社側も慎重になっています。

医師の診断書などが必要になる場合が多くあります。

妊婦の搭乗JALの場合

医師の診断書 産科医の同乗
国内線 出産予定日28~8日前 出産予定日7日前~
国際線 妊娠36週以降
予定日未定
双子以上の妊娠
早産の経験者
出産予定日14日以内

 

例としてJALの場合を挙げましたが、他の航空会社についても規定を設けているところは多くあります。

主に、臨月に入っている場合は診断書及び同意書が必要になります。

「安定期」でもダメ?

飛行機に搭乗するなら「安定期」に、と上記で述べました。

 

しかし、「安定期」に入っても、流産早産のリスクは0になるわけではありません。

むしろ、母体の側が原因で起こる可能性が増えます。

また、胎盤は、成長する赤ちゃんの合わせて完成後も発達を続けます。

そして、妊娠中期から後期にかけて発生しやすい妊婦特有の病気もあります。

 

こうしたことから、医師の中には「妊婦に安定期はない」という考え方もあります。

また、飛行機の搭乗に関しては、多くの医師が「安定期に短時間なら良い」という考えです。

飛行機に乗るかどうかは、たとえ「安定期」であっても、こうしたことを踏まえて決めるべきでしょう。

どうしても乗らなければならない状況の時は、自己判断をしないで必ず主治医に相談をすることが必要です。

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