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妊娠初期から中期・後期まで!貧血が赤ちゃんに与える影響と2つの予防対策

      2016/08/30

貧血を甘く考えていませんか?

女性は毎月起こる生理の影響で貧血になりやすいものです。そして、実は妊娠も貧血を起こしやすいものなのです。

でも、なかなか症状を自覚しにくいのが貧血の特徴。「検査して初めて分かった」という人も多いのでは?

妊娠中の貧血は、お腹の赤ちゃんに大きな影響を与えます。妊娠前から貧血である場合は、さらに症状が重くなります。

ママも赤ちゃんも元気でいるために、妊娠前からしっかりと貧血対策をしたいもの。そのための2つの方法をお伝えします。

妊娠すると貧血になる?

妊娠による貧血を「妊娠貧血」といいます。妊婦の約4割が、この「妊娠貧血」であるといわれます。shutterstock_11694115
妊娠すると、貧血になりやすくなるのです。それはなぜでしょう。

主な理由は以下の2点です。

妊娠すると貧血になりやすい2つの理由

  • 血液の中の液体成分である血漿の大幅な増加
  • 胎児への鉄分補給が優先される

一つ目の「血漿の大幅な増加」とは、どういうことでしょう。

妊娠をすると、赤ちゃんへ栄養素や酸素を送るために、当然血液が必要となります。そのため、母体は血液の量を増やすように働きます。

血液の成分は、赤血球、白血球、血小板といった個体成分と、血漿という液体成分とでできています。血液の量が増える際、液体成分である血漿が大幅に増えるのです。

妊娠初期である、8~12週の頃には、妊娠前の10~20%増加するとみられています。

貧血に関連する赤血球も増加しますが、血漿ほどではありません。これは、つまり「血が薄まった」状態(生理的水血症)となり、このことが貧血という結果になるのです。

もう一つの理由は、お腹の赤ちゃんへ鉄分が運ばれてしまう、ということです。赤ちゃんの赤血球の生成、そして、胎盤の成長に鉄分が欠かせないのです。

そのため、母体の鉄分は優先的にお腹の胎児へ運ばれることになり、母体は貧血となってしまうのです。

貧血は妊娠初期だけに限らない

赤ちゃんはお腹の中でどんどん成長をしていきます。胎盤も、赤ちゃんの成長に合わせて大きくなります。そのため、血液の量、そして鉄分もさらに必要になります。

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最も血液量が増えるのは、妊娠8~9か月ごろで、妊娠前の約36%増加するといわれます。そして、このころが最も貧血になりやすい時期でもあります。

また、胎児の成長や出産時の出血も含めて、妊娠中に必要となる鉄分は1000mgほどといわれます。つまり、妊娠中はずっと貧血について注意を払う必要があるのです。

妊婦に多い「鉄欠乏性貧血」

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「妊娠貧血」という用語があるくらい、妊娠すると貧血になりやすいということを見てきました。貧血にはいくつか種類がありますが、妊娠貧血は「鉄欠乏性貧血」がほとんどです。

上で述べたように、赤ちゃんの成長に鉄が欠かせないものだからです。

貧血は自分自身で気づきにくい

そもそも「貧血」とはどのような状態をいうのでしょう。

貧血は、血液の成分「赤血球」の量が少ない状態をいいます。さらに、赤血球の中のヘモグロビン量が少ない状態を「鉄欠乏性貧血」といいます。ヘモグロビンの原料である鉄分が不足しているため、起こります。

妊娠貧血の約95%がこの「鉄欠乏性貧血」です。

妊娠中に貧血治療をすることになる基準は、ヘモグロビン値11g/dl以下の場合です。

非妊娠時の基準は12g/dlですが、下記に記しているように妊娠時は血液量が増えて赤血球の割合が減った状態になるため、基準が若干下げられています。

貧血になると次のような症状が現れます。

貧血一般の主な症状

  • 動悸
  • 息切れ
  • 倦怠感
  • 頭痛

ヘモグロビンは、酸素を体中に運び二酸化炭素を回収する働きをしています。そのため、体内が酸素不足になり、上のような症状が現れます。

その他、上記に加えて鉄欠乏性貧血特有の症状もあります。

鉄欠乏性貧血による症状

  • 口内炎、舌炎などの粘膜の症状
  • 爪の変形(スプーン状になるなど)

貧血は慢性的なもののため、体の症状に慣れてしまいがちです。そのため、ヘモグロビン値が基準値の半分程度まで減った状態になって初めて体の異変に気付く、ということがあります。

早産、低出生体重児のリスク大

お腹の赤ちゃんには、ママからの十分な血液が必要だということが分かりました。

もし、血液が不足、つまり貧血の状態であったら、赤ちゃんにどんな影響があるのか。まず心配になるのはそのことでしょう。

母体の貧血が胎児に与える影響

  • 発育不良
  • 栄養障害
  • 出生後の貧血

お腹の赤ちゃんの成長のために血液が必要である。そのことから考えても、母体の貧血状態は赤ちゃんの正常な発育の妨げになることは容易に理解できるでしょう。

妊娠初期はまだ赤ちゃんは小さく、それほど多くの血液を必要とはしません。しかし、その時期は活発に細胞分裂を繰り返し、体の基礎ができていく頃でもあります。

そのため、その時期の貧血は赤ちゃん発育に重大な事態を起こしかねないのです。

胎内発育遅延(子宮内胎児発育遅延)を招く

重大な事態とは、おなかの赤ちゃんの発育が遅れ、早産や低出生体重児となる可能性が高まる、ということです。

アメリカでの調査で、妊娠初期から中期にかけて母体が貧血状態であった場合、そうでなかった場合と比べ、早産が1.21倍、低出生体重児が1.29倍であったという報告が出されています。

また、アメリカでの別の研究で、母体のヘモグロビン値が8g/dl未満の貧血であった場合、その新生児が胎内発育遅延児であるリスクが53%上昇する、という結果も出されています。

胎内発育遅延(子宮内胎児発育遅延)とは

  • 胎児発育遅延は、子宮内胎児発育遅延と同義語で使用されることが多くあります。
  • 妊娠週数に見合った発育になっておらず、胎児の推定体重が、正期産の新生児から割り出した体重曲線の下部10%以下にある場合に診断されます。
  • 低出生体重で生まれる場合が多く、重症であると早産になることもあります。
  • 原因は様々で、染色体異常など胎児の側にあることも多いものですが、母体の貧血も原因の一つとして挙げられています。

以上のようなことから、妊娠または妊娠を望む場合、貧血対策をしっかりしておくことが大切です。

貧血対策はまず食事から

鉄は体内で作られるものではないため、食品などから摂取する必要があります。日々の食事を見直し、鉄を含む食品の摂取を心がけることがまず基本です。

鉄は吸収されにくい

鉄は必須ミネラルのひとつとされ、体にとってとても大切なものです。

体内には常に約4gの鉄があるとされています。その中で、血液や筋肉で実際に働いている「機能鉄」が約70%、残りの約30%は肝臓や骨髄などに蓄えられている「貯蔵鉄」に分けられます。

機能鉄が不足すると、貯蔵鉄から必要な分が使われます。貯蔵鉄が足りなくなると、貧血となって体に症状があらわれてくるのです。

しかし、通常の検査によって「貧血」と診断されるのは、機能鉄の不足によってです。機能鉄が不足しているということは、すでに貯蔵鉄が底をついていると考えられます。

鉄分摂取は、貯蔵鉄を補うという意識が必要なのです。

貧血の状態から貯蔵鉄を十分に蓄えられるまでには、2~3か月かかるといわれます。鉄は体内への吸収率がとても低いという難点を持っているのです。

体内に入った鉄は、小腸で吸収されます。その吸収率は、平均約8%といわれます。

動物性食品に多く含まれる「ヘム鉄」が約23%、植物性食品に多く含まれる「非ヘム鉄」が約5%とされ、ヘム鉄の吸収率が高いことが分かります。

こうしたことを踏まえて、どのような食品を摂取すればよいのかを次に見ていきます。

吸収率を上げるためにビタミンC、クエン酸、たんぱく質をともに

まず、鉄を多く含む食品にはどのようなものがあるのか見てみましょう。

ヘム鉄を多く含む食品(100g中)

  • 豚レバー・・・・・・13mg
  • 鶏レバー・・・・・・9mg
  • レバーペースト・・・7.7mg
  • 焼き鮎・・・・・・・5.5mg
  • 赤貝・・・・・・・・5mg
  • 丸干しイワシ・・・・4.4mg
  • 牛ひき肉・・・・・・2.3mg
  • かつお・・・・・・・1.9mg
  • 鶏ひき肉・・・・・・1.2mg
  • 豚ひき肉・・・・・・1.1mg

非ヘム鉄を多く含む食品(100g中)

  • ひじき(乾)・・・・・・・・55mg
  • 切り干し大根(乾)・・・9.7mg
  • きな粉・・・・・・・・9.2mg
  • 凍り豆腐(乾)・・・・・6.8mg
  • 卵黄・・・・・・・・・6mg
  • しじみ・・・・・・・・5.3mg
  • あさり・・・・・・・・3.8mg
  • がんもどき・・・・・・3.6mg
  • 納豆・・・・・・・・・3.3mg
  • 枝豆・・・・・・・・・2.5mg
  • 小松菜・・・・・・・・2.1mg
  • 水菜・・・・・・・・・2mg

吸収率が低く、植物性の食品に多く含まれている「非ヘム鉄」。この鉄は、食品中では「三価鉄」という形で存在し、胃酸によって「二価鉄」にかわることで吸収されやすくなります。

この二価鉄への変換を助ける役割をするのが、ビタミンCクエン酸です。これらを、鉄を含む食材と一緒に摂ることが必要です。

また、動物性の食品に多いヘム鉄の吸収率が高いのは、ヘム鉄が動物性たんぱく質と結合し、二価鉄の形で存在しているためです。そのため、非ヘム鉄の吸収率を上げるには、動物性たんぱく質と一緒に摂ることも大切です。

ビタミンCを多く含む食材

  • ピーマン
  • 芽キャベツ
  • レッドキャベツ
  • モロヘイヤ
  • ブロッコリー
  • カリフラワー
  • さつまいも
  • ジャガイモ

クエン酸は、お酢やうめぼし、かんきつ類に多く含まれています。
酸味、つまり酸っぱさを感じるのは、クエン酸によるものです。

たんぱく質を多く含む食材

  • 鶏胸肉
  • 牛ヒレ
  • いわし
  • あじ
  • きなこ
  • 納豆
  • チーズ

鉄と一緒に撮ることが必要なため、料理として使いやすいものを挙げました。

また、たんぱく質の代謝に必要なビタミンB6、血液の生成に関与するB12葉酸も、意識して摂りたいものです。
鉄分を十分に摂取していても、これらの栄養素が不足していてはやはり貧血になってしまいます。

ビタミンB6、B12、葉酸を多く含む食材

  • ビタミンB6・・・・魚類、レバーなど
  • ビタミンB12・・・貝類など
  • 葉酸・・・・・・・緑黄色野菜、レバーなど

こうしてみると、必要な栄養素が複数含まれている食材もいくつかあります。こうしたものをうまく組み合わせて、献立をたてましょう。

鉄の吸収を妨げるタンニン

鉄の吸収を助ける栄養素があれば、妨げる栄養素もあります。

よく知られているのはタンニンでしょう。多く含まれている代表的なものとして、緑茶、紅茶、コーヒーなどが挙げられます。

食後に飲むことの多いものですが、貧血対策のためには控えた方がよいでしょう。

または、鉄分の吸収は小腸でされるため、食後しばらくたった後に飲むようにしましょう。

その他、穀物に多く含まれるフィチン酸、卵黄に含まれるホスビチン、ほうれん草などのえぐみ成分シュウ酸も、鉄と結合しやすく、吸収を阻害するものです。

しかし、フィチン酸はヘモグロビンから酸素を分離させやすくする作用があるため、貧血を緩和させる働きを持っています。また、卵黄やほうれん草は鉄分を多く含む食材でもあります。

こうしたことから、摂取を控えることよりも吸収率を上げることを考える方が良いでしょう。

鉄サプリで確実に

鉄分補給が大事と分かっていても、吸収率が悪く、食事だけで必要量を摂るのはなかなか大変なこと。
また、妊娠初期はつわりで食事が摂れないということも多くあります。

そこで、利用を検討したいのがサプリメントです。

鉄サプリにもヘム鉄と非ヘム鉄が
鉄分の入ったサプリならどれも同じ、というわけではありません。
使われている鉄には、やはりヘム鉄と非ヘム鉄があります。

クエン酸鉄やピロリン酸鉄といった表示になっている場合は、非ヘム鉄です。

上に記してきたように、非ヘム鉄はヘム鉄に比べて体内の吸収率は劣ります。
吸収率を上げる成分、ビタミンCなどが共に配合されているものを選びましょう。

配合されている鉄の量にも注意を払いましょう。

鉄分の摂取量の基準は以下の通りです。

鉄の1日当たりの推奨摂取量

  • 生理のある成人女性・・・10.5mg
  • 妊娠初期の場合・・・・・生理のない女性の推奨量6.5mg+2.5mg=9mg
  • 中期後期の場合・・・・・+15mg=21.5mg

また、1日当たりの摂取量上限は、40mgとされています。

ヘム鉄、非ヘム鉄の体内吸収率には大きく違いがあることを上で述べました。
そのため、製品によって鉄分の量はかなりの違いがあります。

このことを踏まえ、製品に含まれている分量をチェックし、過不足の無いよう注意しましょう。
説明書きにある一日の服用量を必ず守ることが大切です。

サプリによる過剰摂取に注意

鉄は吸収率が低いため、通常の食事からの摂取で摂りすぎになることはまず考えられません。しかし、サプリメント等を利用する場合、過剰摂取に注意が必要です。

慢性的な過剰摂取が続いた場合、次のような症状が現れます

鉄の過剰摂取による主な症状

  • 鉄沈着
  • 肝機能障害
  • 肝硬変
  • 不整脈
  • 心筋障害
  • 糖尿病

また、一度に大量に摂取した場合は急激な中毒症状が現れます。

鉄の大量摂取による主な中毒症状

  • 嘔吐
  • 下痢
  • 胃腸からの出血
  • ショック状態
  • 意識不明

鉄の一日の摂取上限量は、40mgです。この量を超えることのないよう、十分に注意しましょう。

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