生理前の強烈な眠気!助産師が真っ先に実践している対策5つ
2016/02/25
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体をいたわりつつ眠気に勝つ!
生理前の眠気は、立っていても動いていても眠い、と感じる人も多いでしょう。
なんとかしたい、と考えても、生理前のデリケートな時期に何をしてもいいというわけにはいきません。
また、様々の要因が絡んで起きる生理前の不調。
眠気さえおさまればいい、というわけでもありません。
そこで、女性の体に詳しく、また、夜勤などもこなしながら忙しく、でもはつらつと働く助産師はどうしているのだろう、と思いませんか。
そこには、女性としての体を大切に考えながら、なおかつ眠気の解消になる様々な方法がありました。
目を閉じてα波をコントロール
眠たいときには、瞼が重くなり目をつむりたくなります。
そうなった時には、思い切って目を閉じてしまいましょう。
目を閉じることで、視覚から入ってくる情報を遮断することができます。
それだけで、脳を休めることに結びつきます。
それには、α波が関係しています。
リラックス時に見られる脳波α波
α波とは、覚醒時に安静にしていると見られる脳波です。
また、目を閉じることでも発生します。
逆に、視覚刺激のある時、緊張状態の時、睡眠時などには減少します。
そして、α波は覚醒を維持するための神経伝達物質のひとつ「セロトニン」の産出を促します。
こうしたことが、眠気の緩和に結びつくと考えられます。
眠気対策に目をつむる場合の理想的な方法
- ・眠気を感じる前に
- ・90分間隔で
- ・1分ほどの間目を閉じる
脳が眠気を意識してしまっていては、α波の発生が抑えられる睡眠時に入りかけている状態のため、効果は薄れます。
また、集中力が持続しやすい時間は一般的に90分と考えられていています。
そうしたことから、目を閉じる間隔も90分が良いといわれます。
ただ、集中力の持続時間はその時の状況や個人差によって変わるものです。
自分にあった間隔で行うことがよいでしょう。
目を閉じている時間は、数秒でも効果があります。
脳を休ませる、という感覚を持って目を閉じると、なおよいでしょう。
しかし、眠たくはないのに目を閉じるのはなかなか難しいかもしれません。
生理前の不快症状は第一に眠気、という場合は、その時期が来たら意識して行うとよいでしょう。
ストレッチで交感神経を刺激
身体を動かすと目が覚める、という実感はだれもが持っているものでしょう。
でも、生理前は動いていても眠いもの。
そこで、簡単なストレッチをすることをお勧めします。
眠たい時には副交感神経が優位に働いていて、体を休めようとしています。
そこで、身体を動かし、交感神経を刺激するのです。
眠気に効果のあるストレッチの方法
- ・大きく伸びをする
両腕を頭の上で組み、脇から背中にかけてをぐっと伸ばす
- ・腕を大きく回す
力を抜いて体を前に倒し、腕をしっかり脱力させる。
その状態から、体を起こしながら腕を大きく前から後ろへ回す。
- ・首回し
息を吐きながら、顔を左右にゆっくり回す。
- ・首を倒す
後頭部に手を当て、息を吐きながら、頭を前に押す。
その際、首筋がしっかり伸びていることを感じるようにする。
ストレッチは体の血行を良くすることにつながります。
そのため、特に全身のストレッチは、眠気だけではなく胃腸の不調、下腹部痛、むくみなど、様々な生理前の不快症状に効果があります。
また、PMSを重くする要因のひとつである、ストレスの発散にもなります。
眠気対策だけではなく、ぜひ取り入れたいものです。
ツボ押しで手軽に眠気解消
その場ですぐできることととして、ツボ押しがあります。
眠気対策だけではなく、ぜひ取り入れたいものです。
すぐに押せる手のツボ
- ・合谷・・・・・・手の甲の側の親指と人差し指の骨の合わさった部分
強く長めに押す
様々な症状に効果があり、万能のツボといわれる
- ・中衛・・・・・・手の中指の爪の生え際2mm程度下、やや人差し指寄り
反対の手で挟んで、強めに
- ・労宮・・・・・・手を握った時に中指の当たる付近
強く長く、ボールペンなどで押すとよい
特にストレス緩和に効果あり
頭、首、顔のツボ
- ・百会・・・・・・左右の耳から頭の上へ向かい、合わさった部分
身体の中心へまっさぐおろす感覚で押す
- ・風池・・・・・・首筋の左右の生え際のくぼんだ部分
痛気持ちいい程度に
- ・清明・・・・・・目がしらと鼻の間
痛い気持ちいい程度に
ツボ押しは、血行をよくすることによって眠気を緩和させる方法です。
眠気対策だけではなく、ぜひ取り入れたいものです。
ツボ押しはまず「合谷」と「労宮」から
いくつかある眠気に効果のあるツボ。
押すのはまず「合谷」と「労宮」から始めましょう。
「合谷」の効果を詳しく
合谷は「万能のツボ」といわれ、その効果は全身にわたって数えきれないほどあるとされます。
体中にあるツボの中で最も脳へ刺激が伝わりやすいとされ、脳の血流が良くなるという検査結果が出ています。
「労宮」の効果を詳しく
ストレスや緊張、イライラなど、精神的な不調に効果があるとされます。
上半身の血行をよくするため、脳の血流改善に結びつき、眠気の解消に効果があるといわれます。
生理前の不調は、ストレスの度合いに左右されることが分かっています。
ストレス緩和に効果のある「労宮」は、様々なPMSの症状緩和に結びつくと考えられます。
ハーブティーで気分をリフレッシュ
眠気対策には、ハーブティーもおすすめです。
気軽に持ち歩けるため、いつでも飲むことができます。
また、この時期の眠気には摂るべきではない、カフェインも含んでいません。眠気に効果のある代表的なハーブは2つです。
眠気対策に良いハーブ
- ・ペパーミント・・・・・・清涼感のある香り。
- ・レモングラス・・・・・名前の通りレモンのようなさわやかな香り。
そして、特にPMS全般に効果のあるといわれるものに「チェストベリー」が挙げられます。
ヨーロッパで古くから女性に用いられてきた「チェストベリー」
「チェストベリー」は、生理に関わる不調の改善のために、ヨーロッパで伝統的に用いられてきたハーブです。
近年、ドイツでの研究で女性ホルモンと似た働きをすることが分かり、PMSの治療薬としても用いられるようになりました。
「チェストベリー」は、女性ホルモン「プロゲステロン」の分泌を促し「エストロゲン」とのバランスを整える作用があります。
そのため、PMSのほか月経不順など生理に関わること全般に効果があるといわれます。
単体では苦みが強く飲みにくいため、他のハーブとブレンドすると良いでしょう。
その際、上に挙げた眠気対策になる2つのハーブを用いるとよいでしょう。
そのほか、以下のようなハーブもおすすめです。
チェストベリーとブレンドしやすいハーブ
- ・ジャスミン
- ・ローズヒップ
- ・ローズレッド
- ・ラズベリー
- ・セージ
- ・ハイビスカス
最も大切!体を休めること
これまで、すぐその場でも実践できる眠気対策を紹介してきました。
しかし、最も大切なのは無理をせずに休むことです。
生理前は、身体が妊娠に適したものになるように働いています。
様々現れる不調も、その作用が強く出てしまったためといえます。
強い眠気は、体を休めるようにというサインだと考えるべきでしょう。
そのため、可能な限りゆっくり休むことは眠気対策にとって最も大切です。
また、ゆっくり休むことはストレスの緩和にも結び付きます。
ストレスが緩和されれば、眠気以外の不調も改善されるでしょう。
生理前の眠気の原因の一つに、ホルモンの作用によって熟睡しにくくなることが挙げられます。
生理前の眠気の原因の一つに、ホルモンの作用によって熟睡しにくくなることが挙げられます。
しっかり眠るための工夫が必要になります。
熟睡しやすくするポイント
- ・ゆっくり風呂につかるなど体を温める
- ・入眠前は部屋を暗くし、視覚からの刺激を少なくする
- ・アロマや音楽を使うなどして、できるだけリラックスできる空間を作る
- ・時間に余裕を持って睡眠時間を確保しておく
- ・目覚めた時には明るい光を浴びるなど、昼夜のメリハリをはっきりとつける
これらのことを参考に、自分なりの熟睡法を見つけておくことも大切です。
それは、生理前に限らず必要なことでしょう。