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妊婦は生ハムを食べたらだめなの?なんで食べたらだめなの?知らずに食べたらどうすればいいの?

      2018/03/08

妊娠中に食べてはいけないものがいくつかあるのをご存知ですか?その一つが生ハムです。なんで食べたらいけないのか、食べたらどうなるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。

今回は、なぜ妊婦さんは生ハムを食べたらいけないのか、生ハムを食べたらどうなるのか、知らずに食べてしまった場合はどうすればいいのかについて解説します。


なんで妊婦は生ハムを食べたらだめなの?

妊婦さんが生ハムを食べたらいけない理由

妊娠中は、いくつか食べてはいけないものがありますが、生ハムは食べてはいけないものの一つです。なぜ、妊娠中には生ハムを食べたらいけないのでしょうか。

生ハムは加熱処理が施されていない食品です。生ハムをはじめとした、加熱処理が施されていない食品を食べると、以下に感染するリスクがあります。

生ハムを食べたら感染するリスクがあるもの

  • トキソプラズマ
  • リステリア菌

後ほど詳しくご紹介しますが、妊娠中に初めてトキソプラズマに感染した場合、胎盤を通じてお腹の中の赤ちゃんにも感染する可能性があります。妊娠の週数にもよりますが、お腹の中の赤ちゃんに感染することで、流産や死産に繋がったり、無事に生まれても障害が残る可能性があるのです。

また、リステリア菌も食中毒を引き起こす細菌です。感染するとお母さん自身が食中毒にかかる可能性がありますし、胎盤を通じてリステリア菌がお腹の赤ちゃんに感染し、流産や死産につながる可能性があります。

生ハムを食べたら必ずトキソプラズマやリステリア菌に感染するの?

生ハムを食べると、必ずトキソプラズマやリステリア菌に感染するわけではありません。筆者も生ハムが大好きで、妊娠する前はよく食べていましたが、妊娠初期に受けた検査ではこれまで一度もトキソプラズマに感染したことはないという結果でした。

リステリア菌への感染リスクは?どうやったら防げるの?感染したらどうすればいいの?

また、下に記載の通り、リステリア菌の感染数は日本では非常に少ないといえます。しかし妊娠中は免疫力が下がることから、リステリア菌に感染しないよう注意が必要です。

我が国のこれまでの食中毒統計では、リステリアによる食中毒の報告例はありませんが、食品安全委員会の評価書によると、リステリア感染症の推定患者数は年間200人(平成23年)とされています。(出典:厚生労働省 リステリアによる食中毒

食べる量が少量なら大丈夫なのではないか、と考えるかもしれませんが、妊娠中は、週数によらず免疫力が下がっている状態です。生ハムをはじめとした、非加熱の食品は控え、加熱したものを食べるようにしましょう。

リステリア菌に感染した場合、食中毒の症状(下痢や嘔吐、発熱等)が見られます。万が一生ハムを食べた後に食中毒の症状がみられた場合は、産科医にすぐに相談したほうがよいでしょう。

次の段落からは、トキソプラズマについて詳しく解説していきます。

トキソプラズマって何?生ハムとの関係は?

トキソプラズマとは?生ハムとトキソプラズマの関係は?

では、そもそもトキソプラズマとは何なのでしょうか。トキソプラズマとは、小さな虫の名前です。大きさは、約7ミクロン(0.007ミリ)ですので、非常に小さく肉眼では見ることができません。

牛や豚等、食肉にもなる動物に寄生しています。加熱することで死滅します。トキソプラズマが付着したものを口や目に入れることで、トキソプラズマに感染します。

生ハムは豚肉からできており、加熱処理がなされていないので、生ハムにトキソプラズマが寄生している可能性があります。トキソプラズマが寄生した生ハムを食べることで、トキソプラズマに感染する可能性があるのです。

トキソプラズマに感染したらどうなるの?

自覚症状はあるの?

トキソプラズマに感染した場合、一部の方に風邪のような症状が出ることがありますが、自覚症状が出ないことがほとんどです。妊娠していない状態であれば、トキソプラズマに感染したとしても特に大きな問題にはなりません。

なんで妊娠中にトキソプラズマに感染するのがよくないの?

しかし、特にこれまで一度もトキソプラズマに感染したことのない妊婦さんは、妊娠中にトキソプラズマに感染しないよう注意することが必要です。なぜ妊娠中にトキソプラズマに感染するのがよくないのでしょうか。

それは、妊婦さんがトキソプラズマに初めて感染すると、胎盤を通じてお腹の中の赤ちゃんにトキソプラズマが感染してしまうかもしれないからです。

トキソプラズマへの感染が初めてでなければお腹の中の赤ちゃんには感染しないの?

お母さんが妊娠中にトキソプラズマに感染したとしても、それが初めての感染でなければ、お腹の中の赤ちゃんまでトキソプラズマに感染する心配はありません。一度トキソプラズマに感染することで、お母さんの体にトキソプラズマへの抗体ができます。

トキソプラズマに対する免疫を持っている妊婦さんがもし、新たなトキソプラズマを体に入れてしまったとしても、 その免疫にかかわる抗体や貪食細胞が待ち構えていて、戦ってくれますから、トキソプラズマは胎児にまで到達できません。 (出典:先天性トキソプラズマ&サイトメガロウイルス感染症 患者会 トーチの会

初めての感染でなければ、お母さんの体内にある抗体が、お腹の中の赤ちゃんまで感染する前にトキソプラズマと闘ってくれるので、お腹の赤ちゃんまでトキソプラズマは感染しないのです。

お腹の中の赤ちゃんがトキソプラズマに感染するとどうなるの?

お腹の中の赤ちゃんがトキソプラズマに感染すると、流産や死産に繋がったり、無事に生まれても子供に障害が残る可能性があります。特に妊娠初期にトキソプラズマにお母さんが感染し、お腹の中の赤ちゃんにまで感染した場合、症状が重篤化しやすくなります。

お母さんがトキソプラズマに感染しているかどうかは検査を受けることで調べることができます。検査については、後ほど詳しくご説明します。

一方で、妊娠中に、お腹の中の赤ちゃんにまでトキソプラズマが感染しているかどうかを正確に判断する方法は、現時点ではありません。羊水検査やエコー検査で何か障害が見つかったとしても、その理由がトキソプラズマであるという断定はできないのです。

トキソプラズマにお腹の中で感染して生まれてくる赤ちゃんってどれくらいいるの?

先ほど、「妊婦さんがトキソプラズマに初めて感染すると、胎盤を通じてお腹の中の赤ちゃんにトキソプラズマが感染してしまうかもしれない」とお伝えしましたが、お腹の中の赤ちゃんへは必ず感染するわけではありません

研究教育委員会の全国調査では,年間わずか 5例程度の報告しかない.医学中央雑誌で検索しても,過去 10 年間に国内で報告された先天性トキ
ソプラズマ症は学会抄録も含めて 30 例程度なので,診断がついた症例はそれほど多くない(出典:日本小児感染症学会 機関紙「小児感染免疫」Vol24

お母さんのお腹の中でトキソプラズマに感染することを、先天性トキソプラズマ症と呼ばれています。先天性トキソプラズマ症の報告数は、年間5例程度しかないとされています。

しかし先ほどお伝えした通り、トキソプラズマに感染しても自覚症状がほとんどありません。また、後ほどご紹介しますが、先天性トキソプラズマ症により抱える障害は様々です。

お母さんがトキソプラズマについての知識がなければ、子供に何か障害があった場合でも、先天性トキソプラズマ症によるものだと考える可能性は低いでしょう。また、トキソプラズマに感染したことによる流産や死産の件数は含まれていません。

これらのことから、トキソプラズマがお腹の中の赤ちゃんに感染した件数については、正確な数を把握するのが難しいことが推察されます。

妊娠中ずっと生ハムを食べたらだめなの?妊娠後期なら大丈夫?

妊娠中ずっと生ハムを食べたらいけないの?

例えば子宮収縮作用のあるローズヒップティー等のハーブティーは、妊娠初期は飲むべきではないけれど、臨月に入ったら飲んでもOK、とされています。同じように、妊娠中に生ハムを食べてもよい時期があるのであれば、たまには食べたいと考える方もいるのではないでしょうか。

生ハムは妊娠の週数によらず、妊娠期間中ずっと食べるのを控えるべきとされています。生ハムにはトキソプラズマが寄生している可能性がありますので、妊娠週数によらず、お母さんがトキソプラズマに感染する可能性があるからです。

妊娠初期と妊娠後期ではトキソプラズマに感染するリスクって違うの?

トキソプラズマがお腹の中の赤ちゃんに感染する確率や、影響の申告度合いは、妊娠週数によって変わってきます

経胎盤感染率は妊娠後期であるほど高率になるが,胎児への影響は妊娠初期であるほど深刻で,流産・胎内死亡の他,典型的な顕性の先天性トキ
ソプラズマ症(小頭症,水頭症,網脈絡膜炎,小眼球症,肝脾腫,紫斑など)が数%~20%に生じる.重要なことは,出生時に無症候性であっても,その後視力障害,発達障害,てんかんなどを呈してくる感染児が少なくない(出典:日本小児感染症学会 機関紙「小児感染免疫」Vol24

トキソプラズマは、妊娠初期はお腹の中の赤ちゃんまで感染する割合は低く、妊娠週数が進むにつれて感染する割合が高くなっていきます。ただし、妊娠初期にお腹の中の赤ちゃんにまで感染した場合、その症状が重篤化するケースが多いです。

一方で、妊娠週数が進むと、赤ちゃんの機能が発達していきます。胎盤を通じてトキソプラズマに感染したとしても、特に何の障害もなく生まれてきたり、障害が出たとしても軽度であるケースが多いです。

ただし、妊娠後期であっても、トキソプラズマ感染による障害の可能性がゼロになるわけではありません。妊娠中期~後期でも、生ハムを食べることでお腹の中の赤ちゃんが危険にさらされると考えたほうがよいでしょう。

少しくらいなら生ハムを食べても大丈夫なんじゃないの?

先ほどお伝えした通り、お腹の中の赤ちゃんにトキソプラズマが感染し症状が重篤化するケースはごくわずかです。中には、少しくらいなら生ハムを食べても大丈夫なのではないかと考える方もいるでしょう。

しかし、トキソプラズマに感染し、障害のある子供が生まれたという例が日本でも少なからず発生しているのは事実です。万が一生ハムを食べたことで、お腹の中の赤ちゃんまでトキソプラズマに感染してしまったら、とても後悔するでしょう。

筆者の体験談

筆者は、妊娠初期に受けた血液検査で、これまでトキソプラズマに感染したことがないことが分かりました。妊娠中のトキソプラズマ感染を防ぐために、生ハムをはじめとした生肉を避けるように、肉はよく過熱して食べるようにと指導を受けました。

指導を受けた通りに食生活に気をつかっていました。ある日、久しぶりにイタリアンレストランでランチを食べた際に、生ハムが入っているサラダが出てきました。指導通り生ハムを避けて、野菜のみを食べました。

食べた直後、ある不安がよぎりました。自分が食べた野菜には生ハムが触れていたわけですから、もしその生ハムにトキソプラズマが付着していた場合、野菜にも付着してしまったのではないかと思ったのです。

トキソプラズマへの感染の可能性がゼロではなくなったことになり、もし感染していたらどうしようと、考えれば考えるほど不安になりました。そこで妊婦健診の際に産科医に相談して、再度血液検査でトキソプラズマへの感染の有無を調べてもらうことにしました。

再検査の結果が陰性であることを知り、涙が出るほど安心したことを覚えています。サラダを食べてから検査結果が出るまでの約一か月間、非常に不安な思いで生活することになりました。

トキソプラズマへの感染は、自分が気を付けさえすれば防げるものです。不安な気持ちにならないためにも、また、トキソプラズマへの感染を防ぐためにも、「少しだけなら」と考えずに徹底して生ハムや生肉、それらが触れたものも食べないようにすることをおすすめします。

知らずに生ハムを食べてしまった!どうすればいいの?

知らずに生ハムを食べてしまった!トキソプラズマに感染していないか心配!

中には、妊娠中に生ハムを食べてはいけないと知らずに、生ハムを食べてしまったという方もいるのではないでしょうか。トキソプラズマは、自覚症状のないことがほとんどですので、知らず知らずのうちにお腹の中の赤ちゃんに感染していたらどうしよう・・・と心配なのではないでしょうか。

トキソプラズマに感染しているかどうかは、どうすれば調べることができるのでしょうか。

トキソプラズマに感染しているかを調べる方法

トキソプラズマに感染しているかどうかは、血液検査で調べることができます。これまでにトキソプラズマに感染したことがあれば、トキソプラズマに対する抗体ができていることになります。血液検査では、血液中にトキソプラズマに対する抗体が含まれるかどうかを調べます。

これまでトキソプラズマに感染していなければ、妊娠中に感染しないよう注意する必要がありますので、抗体の有無を調べるためにも、妊娠初期に産婦人科で行う血液検査の検査項目に含まれているケースが多いです。

筆者のかかっていた産婦人科でも、妊娠初期に血液検査を実施していました。風しんの抗体があるか、血糖値が正常値内か等の複数の検査項目の中に、トキソプラズマの抗体の有無を調べる項目もありました。

産婦人科での規定の検査項目に含まれていなくても、申し出れば、いつでも血液検査を受けることができます。

検査のおすすめ時期

トキソプラズマは潜伏期間がありますし、感染した場合も抗体ができるのに時間がかかります。生ハムを食べた後、2~3週間ほど過ぎてから検査をする方がよいでしょう。

検査の費用

トキソプラズマの抗体の有無を調べる検査の費用は、保険適用外となります。産婦人科によって費用にばらつきがありますが、だいたい千円前後です。検査を検討している場合は、費用がどれくらいになるのかかかっている産婦人科に確認するようにしましょう。

トキソプラズマに感染していた場合の対応策は?

トキソプラズマに妊娠中に初めて感染したことが分かった場合、どのような対応策をとるのでしょうか。

これ以上胎児にトキソプラズマが攻め入って、暴れまくるのを防ぐため、母体に薬を投与してブレーキをかけるのです。 アセチルスピラマイシンという薬は胎盤で濃度が高くなる性質がありますから、 胎盤でトキソプラズマと戦ってくれるのです。だからといって、100%胎児への感染を食い止めることは正直難しいのですが、感染していたとしても、胎児に起こる障害を軽減することはできると実証されています。(出典:先天性トキソプラズマ&サイトメガロウイルス感染症 患者会 トーチの会

妊婦さんへのトキソプラズマへの初感染が認められた場合、お腹の中の赤ちゃんへの感染を防ぐために、お母さんへの投薬治療を行います。

上にも書かれている通り、投薬治療により、お腹の中の赤ちゃんが抱える障害を軽減することができますので、かかっている産科医の指示に従い、適切な治療を受けるようにしましょう。

まとめ

妊娠中に生ハムを食べると、トキソプラズマとリステリア菌に感染する可能性があります。どちらも胎盤を通じてお腹の中の赤ちゃんにも感染する危険性があるため、妊娠中は生ハムをはじめとした十分に加熱されていない食品を食べないようにしましょう。

知らずに生ハムを妊娠中に食べた場合も、お腹の中の赤ちゃんを守るために、検査を受ける、医師に相談する等適切な行動をとるようにしましょう。

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