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怖がりすぎなくても大丈夫!無痛分娩のリスクと対応を徹底解説

      2018/03/09

「お産の痛みがこわい。」誰もがそう思いますよね。

お産の痛みを和らげる方法として、呼吸法などのほかに、無痛分娩が有名です。

お母さんがリラックスすることで赤ちゃんに十分な酸素がいきわたり、お母さんも体力を温存できるため産後の回復を早めるといったメリットがある無痛分娩。

欧米などに比べて普及が遅れているといわれる日本ですが、日本の無痛分娩の割合は、平成26年度で4.6%、平成28年度で6.1%と増加傾向にあります。(公益社団法人日本産婦人科医会 医療安全部会調べ

でも、無痛分娩にはどんなリスクがあるんだろう?赤ちゃんへ影響はないの?など、わからないことが多く、なんだか怖そう、と思う人もいるかもしれません。今回はそんな無痛分娩の方法やリスクについて詳しくご説明します。



このページの目次

無痛分娩って何?2つの方法があります

無痛分娩とは、麻酔を使ってお産の痛みを和らげる方法のことを言います。

無痛分娩には、自然な陣痛が始まってから麻酔を開始する方法と、あらかじめお産の日を決めて陣痛を誘発してから麻酔を開始する方法があります。

1.自然な陣痛が始まってから麻酔を開始する方法:自然陣発の無痛分娩

  • 陣痛が始まるまでは通常通りの生活をし、陣痛が始まってから病院に行きます。
  • 内診によりお産の進行状況を確認し、基準を満たす状態になっていれば麻酔を開始します。麻酔の開始基準は、子宮口が5cm以上開いてからなど、施設によって異なります。
  • 陣痛の増強に応じて痛み止めの薬の調節をします。
  • 通常はいきむ力を残した状態でお産を迎えます。タイミングがわからないときは医療者が声をかけます。

2.お産の日を決めて麻酔を開始する方法:計画無痛分娩

  • お母さんや赤ちゃんの状態を見て分娩を行う日を決めます。
  • 入院の日、内診を行い、必要に応じて子宮口を広げ柔らかくする処置を行います。
  • 翌日から陣痛促進剤を点滴し陣痛を誘発します。
  • お産の進行状況に応じて麻酔を開始します。
  • 陣痛の増強に応じて痛み止めの薬の調節をします。
  • 通常はいきむ力を残した状態でお産を迎えます。タイミングがわからないときは医療者が声をかけます。

以前は妊婦さんや赤ちゃんの状態によって必要と医師が判断した人だけが受けられる印象があった無痛分娩ですが、近年は妊婦さんの希望に応じて実施できる施設が増えてきています。

より自然なかたちのお産としては、陣痛が来てから麻酔を始めることが理想です。しかし、自然に陣痛が来てからの無痛分娩を行うためには、24時間、土日も対応できる麻酔科医と産科医の十分なマンパワーが必要です。更に、産科麻酔は通常の麻酔に加えて専門の知識が必要となるため、産科麻酔専門の医師を常駐させることが難しいというのが現状です。

そのため、日本ではマンパワーを確保できる平日の日中に計画的に無痛分娩を実施する施設が多いといえます。お母さんと赤ちゃんの安全のために計画分娩を行うことは、必ずしもデメリットではありません。

無痛分娩ではどんな麻酔をするの?

妊婦さんに実施される麻酔方法は主に以下の5種類があります。

お産の痛みを取り除く処置①部分麻酔

  • 硬膜外(こうまくがい)麻酔法
  • 脊髄(せきずい)くも膜下麻酔法
  • 脊髄くも膜下麻酔と硬膜外麻酔を併用する方法

お産の痛みを取り除く処置②全身麻酔

  • 静脈(じょうみゃく)麻酔法(点滴から麻酔薬を入れる方法)
  • 吸入(きゅうにゅう)麻酔(麻酔薬を吸い込む方法)と静脈麻酔を併用する方法

このうち、全身麻酔について日本産婦人科学会雑誌で以下のように記載されています。

胎児機能不全・大量出血などによる緊急帝王切開にもちいられることが多い.帝王切開の全身麻酔では,薬物を含むさまざまな要素が胎児と新生児に影響を与える.執刀から児娩出までの期間は吸入麻酔剤を最小限にし,児娩出後も吸入麻酔薬は弛緩出血のリスクになるため麻薬等の鎮痛薬を併用する.

引用元:日本産婦人科学会雑誌60巻5号 D.産科疾患の診断・治療・管理 16.帝王切開の麻酔

少し難しい言葉で書かれていますが、全身麻酔では、お母さんの血液を通じて赤ちゃんにお薬の影響が出たり、 妊婦さんは常に胃が張った状態であることから麻酔の影響で食べ物の逆流による誤嚥(ごえん:誤って空気の通り道に食べ物や唾液が入ること)性の肺炎のリスクが高くなるなど、気をつけなければいけないことがいくつかあります。

また、全身麻酔は意識をなくし体が動かないようにするものなので、妊婦さんの痛みを和らげ自分でいきんでお産をするという無痛分娩には適していません。

そのため、通常の無痛分娩では全身麻酔は選択されません。

ここで、「あれ?海外の無痛分娩ではガスの麻酔が行われていると聞いたけれど。」と疑問に思った方もいらっしゃるかもしれません。

実は、厳密には全身麻酔とは異なりますが、全身に作用する鎮静剤を利用する方法があります。日本でも硬膜外麻酔を行えない妊婦さんに実施することがあります。硬膜外麻酔を行えない条件については後ほど解説します。

お産の痛みを取り除く処置③鎮静法

1.吸入鎮静法

笑気(しょうき)という痛みを和らげる効果のあるガスを吸い込むことにより気持ちを落ち着かせたり、ぼんやりとしたような状態にする方法です。海外では「ガス&エア」と呼ばれ、無痛分娩のときに一般的に行われている国もあります。

2.静脈内鎮静法

点滴から気持ちを落ち着かせるお薬や痛み止めを入れ、うとうとと眠ったような状態にする方法です。硬膜外麻酔に併用されることもあります。

日本の無痛分娩で最も多く実施されているのは、硬膜外麻酔法です。硬膜外麻酔に脊髄くも膜下麻酔を併用する施設もあります。

どちらも背中から麻酔のお薬を入れる方法ですが、どのような違いがあるのか詳しく見ていきましょう。

硬膜外(こうまくがい)麻酔とは?メリットとデメリット

硬膜外麻酔とは、背骨の隙間から硬膜外腔というところに細いチューブを留置し、持続的に麻酔薬を注入しながら痛みをコントロールする方法です。

チューブを入れるために針を刺しますが、事前に痛み止めの注射をするのでチクッとした痛みを感じる程度です。チューブが目的の位置に入ったら針は抜いてしまいます。

画像出典元:http://baby.cocokarada.jp/column/02_10.html

硬膜外腔とは脊髄(せきずい)を包んでいる硬膜の外側の空間のことをいいます。子宮や膣外、陰部、会陰部からの痛みを伝える神経に近い空間に麻酔薬を入れることで痛みをブロックすることができます。

下半身の感覚が鈍くなりますが、触っている感覚や運動機能は保たれます。

麻酔を効かせたい時間や量を調整できるため、計画分娩の場合はあらかじめ硬膜外麻酔のチューブを留置しておき、陣痛が始まってから麻酔薬の注入を開始するというケースがあります。

1.硬膜外麻酔のメリット

  • お産中に意識を保つことができる
  • 筋肉を緩ませる効果が得られるため産道が広がりやすくなる
  • 痛み止めの薬を持続して投与するだけでなく、痛みの強さに合わせて薬を追加できるため、痛みのコントロールがしやすい
  • 呼吸機能への影響が少ない
  • いきむ感覚を残すことができる
  • 無痛分娩から帝王切開になった場合、チューブが入っているのでスムーズに帝王切開用の麻酔を開始できる

2.硬膜外麻酔のデメリット

  • 麻酔の効果が現れるまでに15〜20分程度の時間がかかる
  • 脊髄くも膜下麻酔に比べ手技が難しく麻酔科医が必要

硬膜外麻酔はお産だけでなく一般の腹部や胸部の手術でも広く行われている方法です。

脊髄(せきずい)くも膜下腔麻酔とは?メリットとデメリット

背骨の中にある脊髄が入っている袋のことを脊髄くも膜下腔と呼びますが、脊髄くも膜下腔麻酔とは、そこに薬を直接まいて一時的にねらった神経を麻痺させる方法です。

脊椎(せきつい)麻酔、腰椎(ようつい)麻酔、下半身麻酔とも呼ばれます。

くも膜下腔は液体で満たされていますので、硬膜外麻酔と比べて脊髄に薬の作用が行き渡りやすく、数分で痛み止めの効果が得られます。

自律神経や感覚神経だけでなく運動神経もブロックされますので、下半身の動きが制限されるという特徴があります。

1.脊髄くも膜下腔麻酔のメリット

  • お産中に意識を保つことができる
  • 局所麻酔薬の使用量が少なくて済む
  • 短時間で麻酔の効果があらわれる
  • 手技が硬膜外麻酔に比べて簡単

2.脊髄くも膜下腔麻酔のデメリット

  • 麻酔を行うタイミングによっては、いきみづらくなる
  • 麻酔範囲の調節が難しく、呼吸機能への影響が起こることがある
  • 血圧低下など循環への影響が大きい

どんな場合に硬膜外麻酔と併用するの?

硬膜外麻酔は効果が出るまでに20分程度かかります。そのため、たとえば病院に到着した時に陣痛が我慢できないほど強くなっている場合など、 硬膜外麻酔が効き始めるまでの痛みをできるだけ早く和らげる効果をねらって、即効性のある脊髄くも膜下麻酔を併用することがあります。

併用するときは通常同じタイミングでふたつの麻酔を実施します。脊髄くも膜下腔麻酔が効いている時間は長くても3時間程度なので、陣痛の間は脊髄くも膜下腔麻酔で十分に痛みを取り除き、いよいよ赤ちゃんが出るときにいきむ感覚が戻るようなタイミングで実施できると、2種類の麻酔を最大限に活用することができます。

無痛分娩は誰でもできるの?できない理由はどんなもの?

残念ながら、無痛分娩を行うことが難しい妊婦さんもいます。

1.硬膜外麻酔ができないことに関連する理由

  • 出血しやすい状態である場合
  • 出血などで脱水の状態にある場合
  • 感染の疑いがある場合
  • 背骨が曲がっていたり背骨の隙間が小さいなどの変形がある場合
  • 太りすぎていて背骨の状態がわかりづらい、もしくは針が届かない場合
  • 局所麻酔薬にアレルギーがある場合

2.赤ちゃんやお母さんの全身状態に関連する理由

  • 赤ちゃんの元気がない場合
  • 前期破水(陣痛が始まる前に赤ちゃんを包む膜が破れ、羊水が流れ出る状態)の場合
  • お産の進行が早く、子宮口が全開になっている場合

硬膜外麻酔の実施が難しいときは、点滴やガスを使った鎮静法を試みることもあります。いずれにしても赤ちゃんへの悪影響はほぼありませんが、どのような作用があるのか理解しておくことが大切です。

無痛分娩でどのくらい痛みが楽になるの?

無痛分娩というと、痛みがゼロになるということを期待してしまいますが、残念ながら全くの無痛にはなりません。

お産の痛みには3種類あります。

お産の痛みの種類

  • 子宮が収縮する痛み
  • 子宮口が押し広げられていく痛み
  • 赤ちゃんが外へ出ようとする時に産道の周りの靭帯や筋肉(骨盤底筋群)、皮膚などが引っ張られる痛み

硬膜外麻酔では「いきむ力」と「子宮の収縮機能」に影響が出ないようコントロールするため、 子宮が収縮する痛みは感じます。また、痛みの感じ方は人それぞれなので、同じ麻酔の量でも痛みが和らいだと感じる人とそうでない人がいるでしょう。

無痛分娩の麻酔は一般の手術の麻酔とは異なり、完全に痛みを取り除くことを目標にはしていません。お母さんの痛みをやわらげ、膣から出産できるようサポートすることを目指しています。

子宮口や骨盤・産道の周りの靭帯や筋肉の痛みが取り除かれるだけでも、お母さんの負担は減り体力を温存することができます。

無痛分娩で命の危険がおよぶことがあるって本当?知っておきたい無痛分娩のリスク

背中からの局所麻酔では、お母さんの血液の麻酔薬の濃度はとても低く、通常であれば赤ちゃんへ悪影響を及ぼすことはありませんまた、硬膜外麻酔や脊髄くも膜下麻酔は十分に安全性が確立されたものであり、重大な合併症が起こるリスクは高くありません。

そうはいっても、無痛分娩での重大事故のニュースを耳にして不安に思う人もいるかもしれません。

無痛分娩の重大事故を受け、日本産婦人科医会が行った調査について、厚生労働省は次のように報告しています。

出産時の痛みを麻酔で和らげる「無痛分娩(ぶんべん)」で妊婦や新生児の死亡や障害が相次いで発覚したことを受け、厚生労働省研究班の会議が22日開かれ、日本産婦人科医会が「無痛分娩とそうでない分娩の間で死亡率に明らかな差がない」と報告した。

引用元:産経ニュース 出産時の痛みを麻酔で和らげる「無痛分娩」厚労省の研究班「妊婦死亡率変わらず」と報告(2017年11月22日) より

重要なのは、無痛分娩を行う施設において、お産や麻酔のトラブルを予測して適切な準備と観察がされているか、そして何か症状が出たときに迅速に対処できるかどうかということです。

ここでは、知っておきたい症状やリスクと対処法について、無痛分娩で使用されることが多い硬膜外麻酔と陣痛促進剤に関連するものに分けて見ていきましょう。

1.硬膜外麻酔に関連する症状

  • 血圧の低下
  • 吐き気や嘔吐
  • 下肢のしびれ
  • かゆみ
  • 排尿障害(尿意がわかりづらくなる、うまく排尿できない)
  • 発熱

これらの症状は一時的なもので、 麻酔の効果が切れると改善します。また、血圧の低下に対し点滴から輸液で治療したり、排尿障害に対して管を使用して排尿を促したりといった対処をお産の途中で行っていきます。

2.硬膜外麻酔のリスク

重い頭痛:硬膜穿刺(せんし)後頭痛

硬膜外のチューブを入れる時に誤って硬膜を傷つけてしまうと脊髄くも膜下腔から髄液が漏れてきてしまい、頭痛を引き起こすことがあります 。首の痛みや吐き気が起こることもあります。通常は十分な安静と輸液で改善しますが、症状が重い場合は「硬膜外血液パッチ」という方法で傷を塞いで対処します 。

 分娩が長引く:遷延(せんえん)分娩

麻酔の薬の影響でいきむ力が 弱まり、分娩の時間が長引くことがあります。うまくお産が進行しない場合、鉗子(かんし)分娩や吸引分娩という方法で赤ちゃんを引っ張っぱりだしてあげる処置をすることがあります。

吸引分娩や鉗子分娩によって赤ちゃんの命に関わるような影響が出ることはほぼありません。しかし、頭の皮膚の下にある帽状腱膜(ぼうじょうけんまく)という膜の下に出血することでできる「帽状腱膜下血腫」や、赤ちゃんの酸素不足に関連した「頭蓋内出血」など、まれに命に関わる合併症もありますので、医療者は十分に注意しながら処置をしています。

神経の損傷

麻酔の最中に足の感覚が鈍くなったり足が動かしにくくなることがありますが、それはお薬の影響なので心配ありません。

しかし、硬膜外のチューブを入れるときに神経の近くを触りますので、誤って神経を傷つけてしまうとしびれが産後も残ることがあります。多くは一過性のもので時間の経過とともに改善します。

なお、麻酔の有無に関わらず、経膣のお産自体でも赤ちゃんの頭で骨盤の神経が圧迫されたり、お産の姿勢によって足の神経が圧迫されたりすることでしびれが残ることがあります。

硬膜外腔に血の塊ができる:硬膜外血腫

チューブを入れる時に血管を傷つけ出血することがあります。 通常は自然に血が止まりますが、止まらない場合は血の塊(血腫)ができ、神経を圧迫することがあります。血腫が大きくなると下半身の麻痺にいたるおそれがありますので、直ちに手術をして血腫を取り除きます。

呼吸困難、呼吸停止

硬膜外腔にあるたくさんの血管に麻酔のチューブの先端が入ってしまい、誤って硬膜外に入れるはずの量の麻酔薬が血管に注入されたときや、お母さんの体に対して多すぎる麻酔薬が投与されてしまったときに、血液中の麻酔薬の濃度が一気に上がる「局所麻酔中毒」という状態になることがあります。

また、硬膜外麻酔では脊髄くも膜下麻酔よりも多量の麻酔薬を使用しますが、誤って硬膜外麻酔のチューブの先端が脊髄くも膜下腔に入り薬剤が注入されることにより、急速に広範囲の脊髄に浸透し、血圧低下や呼吸筋の麻痺がおこる恐れがあります。

いずれの場合も処置が遅れると呼吸困難や呼吸停止となり、命に関わります。

麻酔科医師は十分この合併症に注意をし処置をしていますが、万が一起こった場合はすぐに人工呼吸や薬剤の投与など適切に処置をすることで命の危険を回避できます。

3.陣痛促進剤による症状

  • 頭痛
  • 吐き気
  • 下痢
  • 血圧の上昇、低下

陣痛促進剤はオキシトシン(点滴)もしくはプロスタグランジン(内服と点滴)が使用されます。一時的に上記のような症状が出ることがありますが、重大な影響をおよぼすことはありません。また、点滴からの投与の場合、症状が悪化したときにすぐに中止することができます。

4.陣痛促進剤のリスク

 過強陣痛

陣痛が強く起こりすぎることで、赤ちゃんを圧迫し「胎児機能不全」という状態を引き起こしたり、子宮に傷がつく「子宮破裂」をまねくおそれがあります。

万が一子宮破裂が起こったときは、ただちに帝王切開に切り替え赤ちゃんを取り出してから、お母さんの子宮の修復に移ります。子宮の傷の範囲が大きい場合は子宮を摘出し出血を止めます。

このような事態にならないよう、十分に子宮頸管が軟らかくなっているか確認し、分娩監視装置で陣痛や赤ちゃんの状態を観察しながら、少しずつお薬を投与していきます。

弛緩(しかん)出血

赤ちゃんが外に出たあと胎盤がはがれたところから出血しますが、通常は子宮が収縮することで血が止まるようになっています。しかし、うまく子宮が収縮できず出血が続くことがあります。これを「弛緩出血」といいます。

弛緩出血は無痛分娩に限らず、お産が長引いたり、陣痛促進剤を使用することで発症のリスクが高まるという研究があります。

万が一起こったときは、輸液や子宮収縮剤の投与、子宮を冷やす、ガーゼや手で圧迫するといった方法のほか、子宮に血液を供給している血管を塞ぐという処置を行うことがあります(動脈塞栓法)。また、子宮を摘出し止血をはかることもあります。

無痛分娩を行う施設の選び方 5つのポイント

繰り返しになりますが、無痛分娩の合併症が起こるリスクは高くはありません。また、万が一起こったとしても、迅速に対処することでお母さんや赤ちゃんの命の危険を回避し、深刻な後遺症が残らないようにすることが可能であるといえます。

日本産婦人科医会では、無痛分娩を行う施設について以下のように述べています。

「無痛分娩を提供する施設では、器械分娩や分娩時異常出血、麻酔合併症などに適切に対応できる体制を整える」

引用元:妊産婦死亡症例検討評価委員会 日本産婦人科医会 母体安全への提言2016 Vol.7

その点をふまえて、病院を選ぶときは以下のポイントに注目してみましょう。

無痛分娩を行う施設の選び方

  1. 計画分娩か、自然陣発による無痛分娩か
  2. 病院に常駐している麻酔科医師がいるか
  3. 緊急事態に対応できる設備があるか
  4. 緊急事態に対応できる医師が複数いるか
  5. 麻酔や分娩そのもののリスクについてわかりやすく説明してくれるか

どの医療処置にもリスクはあります。疑問点をきちんと質問し、十分な説明をしてくれる医師は信頼できるといえます。

まとめ

ここまで、無痛分娩の方法やリスクについてご紹介しました。

無痛分娩に限らず、お産には様々なリスクがあります。医療に「絶対」の安全はありません。

最も重要なことは、何か緊急のトラブルが起こったときにすばやく対処し、お母さんと赤ちゃんが安全にお産を終えることです。

無痛分娩は赤ちゃんにもお母さんにも優しい分娩方法のひとつです。必要以上に怖がらずに、信頼できる医師のもとでリスクについて正しく説明を受け、家族みんなと相談しながら、自分に合ったお産の方法を選択しましょう。

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