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出産したら確定申告 年末調整では受けられない医療費控除の具体的な方法とは

      2018/02/09

定期健診に分娩費用など、なにかとお金のかかる妊娠・出産。確定申告をして医療費控除を受ければ、その医療費の一部が戻ってきます。今回は「妊娠・出産時の医療費控除と確定申告」についてまとめました。



妊娠・出産と医療費控除

まず最初に医療費控除について簡単に説明します。

医療費控除とは

その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費が10万円(所得金額200万円未満の場合は所得金額の5%)を超える場合、所得控除を受けることができます。これを医療費控除といいます。

この医療費は自分自身が病院を受診してかかった医療費はもちろん、「自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費」も合算することができます。

生計を一にするとは、家賃や食費など、生活に関わるお金の出どころが同じであるということ。共働きの夫婦であっても、家賃や食費は一緒に支払っている場合がほとんどですので、生計を一にしているといえます。

また、同居をしていない場合でも、単身赴任をしている夫、仕送りを送ってもらって一人暮らしをしているこどもや、費用を子どもに負担してもらって施設に入居している親など、生活に関わるお金の出どころが同じであれば生計を一にしているといえます。逆に同居をしている場合でも、家賃や食費をきっちり分けて支払っている親族は生計を一にしているとはいえません。

つまり夫と妻、子ども、そして場合によってはおじいちゃんおばあちゃんも、家族全員の分の医療費を合算することができるのです。

妊娠・出産の費用で医療費控除できるもの

妊娠・出産にまつわる費用で医療費控除出来るものは以下の通りです。

  • 妊娠と診断されてからの定期検診や検査などの費用
  • 分娩・入院費用
    病院で支給される食事も含みます
  • 通院費用
    電車やバスなど、領収書のない場合でも対象となります。手帳や家計簿に日時や料金を記録しておきましょう。
    また、出産時に病院までタクシーで移動した場合のタクシー代も対象となります。

医療費控除できないもの

一方、妊娠・出産にまつわる費用で医療費控除の対象とならないのは

  • 妊娠検査薬代
  • 実家で出産するために実家に帰省する交通費
  • 入院するために購入したパジャマや歯ブラシなどの費用 などがあげられます。

また、生後2か月ごろから始まる予防接種は医療費控除の対象となりません

医療費控除の対象となる金額

医療費控除の対象となる金額は以下のように計算します。

実際に支払った医療費の合計額 - 保険金などで補填される金額 - 10万円(※)

※ その年の総所得金額等が200万円未満の場合は、総所得金額等の5%の金額

保険金などで補填される金額には健康保険組合などから支給される出産育児一時金(通常42万円)や生命保険契約などで支給される入院費給付金が含まれます。これらの金額は医療費の合計から差し引かなければなりません。

医療費控除で戻ってくる金額の目安

医療費控除で戻ってくる金額は 医療費控除の対象となる金額×所得税率 となります。

課税される所得金額 税率
195万円以下 5%
195万円を超え 330万円以下 10%
330万円を超え 695万円以下 20%
695万円を超え 900万円以下 23%
900万円を超え 1,800万円以下 33%
1,800万円を超え4,000万円以下 40%
4,000万円超 45%

引用元:国税庁HP 所得税の税率 より抜粋

例えば所得金額500万円、医療費合計60万円、出産育児一時金42万円という場合には

(60万円 - 42万円 - 10万円)× 20% = 16,000円 となります。

 

医療費控除をうけるには確定申告が必要

医療費控除は年末調整では受けられない

年末調整とは、勤務先が従業員等に給与・賞与を支払う際に源泉徴収した所得税の過不足を、12月の給与支払い時に精算する手続きです。

必要書類を勤務先に提出することで「配偶者控除」「生命保険料控除」などの所得控除を受けることができ、所得税を再計算することで、支払い過ぎていた所得税は還付されます。

しかし、残念ながら医療費控除は年末調整の対象ではないため、確定申告を行う必要があるのです。

確定申告と年末調整の違い

確定申告とは一年間の所得を計算して確定し、申告・納税する手続きです。給与所得者であれば年末調整で所得税が確定し、納付も完了するため、通常は確定申告をする必要はありません。

しかし、医療費控除、寄付金控除など「年末調整で受けられない控除」を受けるためには、自ら確定申告書を作成し、税務署に提出しなければならないのです。

なお、確定申告をする場合でも、必ず年末調整を済ませておきましょう。年末調整をせずに確定申告をする場合、「配偶者控除」「生命保険料控除」などの「年末調整で受けられる控除」についても自分で計算をして申告をしなければならなくなり、手続きが複雑になります。



意外と簡単!確定申告書の作り方

大変そう、難しそうといったイメージのある確定申告ですが、実際にやってみると意外と簡単。医療費を取り戻すため挑戦してみましょう。

医療費控除を受けるために必要なもの

医療費控除を受けるための確定申告書に必要なものは以下の通りです。

  • 年末調整後の源泉徴収票(原本
  • 医療費の領収書(提出は不要ですが、5年間は自宅で保管します)
  • 健康保険組合から発行された「医療費のお知らせ」

医療費控除の明細書を作る

従来は医療費の領収書をすべて提出する必要がありましたが、平成29年分の確定申告から制度が変更になり、領収書の提出が不要になりました。その代わりに「医療費控除の明細書」を作成して添付することとなりました。

参考ページ:重要なお知らせ <医療費控除が変わります>

また、医療保険者から交付を受けた「医療費通知(医療費のお知らせ)」を添付した場合は明細の記入を省略できるため、「医療費控除の明細書」の作成が簡略化できます。

「医療費通知(医療費のお知らせ)」がない場合は、「医療を受けた方の氏名」「病院・薬局などの支払先の名称」ごとに総額を計算し記入します。

国税庁ホームページより確定申告書を作成する

確定申告書は国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」を利用することで簡単に作成することができます。画面の案内に従い、源泉徴収票の金額などを入力するだけで、税額の計算が自動でされて申告書が作成できます。

作成した申告書は自宅のプリンターで印刷するか、PDFファイルで保存しコンビニ等のプリントサービスを利用して印刷することもできます。

医療費控除は5年間いつでも申請できる

医療費控除は申告することで納めすぎた所得税が戻ってくる「還付申告」にあたます。「還付申告書」はその年の翌年1月1日から5年間提出することができます

また、一般的な確定申告の期間は2月16日から3月15日までですが、「還付申告」は確定申告期間に関わらずいつでも申告することができるのです。

たとえば2017年1月から12月までの一年間の医療費控除を受けたい場合には、提出できる期間は年が変わった2018年1月1日から2022年12月31日の5年間となります。

逆に、過去5年以内に医療費控除を受けそびれた年があれば、今からでも控除を受けることができるのです。(ただし平成28年以前の控除を受ける場合には医療費の領収書を添付する必要があります。)

確定申告書の提出先

住んでいる場所を所轄する税務署に提出します。国税庁のホームページより税務署の所在地を検索することができます。

参考ページ:国税局・税務署を調べる

確定申告書は郵送で提出できる

確定申告書は所轄の税務署に持参するほか、郵送で提出することができます。

医療費控除を受ける場合の提出書類は以下の通りです。

  • 作成した確定申告書
  • 作成した医療費控除の明細書、医療費のお知らせ等
  • 源泉徴収票(原本
  • 本人確認書類の写し
  • 申告書の控え
  • 返信用封筒(宛名を記入し、切手を貼る)

国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」を利用すると、源泉徴収票・本人確認書類を提出する台紙や、提出する書類のチェックリストも出力されます。

確定申告書の控えは大切に保管しよう

申告書の控えと返信用封筒を同封すると、「収受日付印」が押印された申告書の控えが返送されてきます。

例えば金融機関で融資を受けるなど所得の証明が必要な際に、通常であれば源泉徴収票の原本を提出しますが、確定申告をした場合は源泉徴収票の代わりに確定申告書の控えが必要となります。この時に「収受日付印」が押印されていないと所得の証明として受理されない場合があります。

「収受日付印」が押印された確定申告書の控えは大切に保管しましょう。

医療費控除は夫婦どちらで受けるのか

冒頭で説明した通り、医療費控除は家族全員の医療費を合算して受けることができます。夫婦が共稼ぎでそれぞれ収入を得ている場合でも合算することができ、また夫婦どちらが控除を受けるのか自由に選択することができます。

それでは、夫婦どちらで控除を受けるのがお得なのでしょうか?

給料の高い人が控除を受けるのが基本

基本的には、夫婦のうち給料の高い人が控除を受けたほうが得になります。収入が大きくなると所得税率が高くなるため、同じ医療費控除を受けるならば、給料の高い人が控除を受けたほうが、還付される税金が多くなります。

医療費合計が10万円以下でも控除が受けられる場合がある

ただし、給料の低い人が控除を受けたほうが良い場合があります。それは、どちらかの「所得金額が200万円未満」、給与所得のみであれば収入が311万6000円未満の場合です。

例えば、夫が所得金額500万円、妻の所得金額が150万円の場合、夫が控除を受ける場合は10万円を超えた分の医療費が控除の対象となりますが、妻が控除を受ける場合は150万円の5%、すなわち7万5千円を超えた分の医療費が控除の対象になります。その年の医療費の合計が9万円の場合、妻が申告すれば医療費控除を受けることができるのです。

このように、医療費合計が10万円に満たなくても、所得金額が200万円未満ならば控除が受けられる場合があるのです。



まとめ

医療費控除には確定申告が必要ですが、意外と簡単にできるものです。高額な医療費がかかる妊娠・出産をした年は領収書を保管しておき、医療費控除を受けられる場合は確定申告を行いましょう。

 

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