2歳の幼児が歯ぎしりするのはなぜ?歯ぎしりの理由と対処法
2018/06/21
2歳というまだ小さな子どもが突然下あごを前に突き出し、カチカチ音をたてたりギリギリ歯をこすりあわせて歯ぎしりをしていたら驚きますよね。その表情は一見異様に見えます。あごへの影響やうけ口の心配をされている方も多いのではないでしょうか。
実は、歯ぎしりは2歳前後に多い成長行動のひとつです。ほとんどの場合、うけ口やあごへの影響を心配する必要はありません。2歳の子どもが歯ぎしりをする理由と対処法についてお伝えしていきます。
このページの目次
2歳の歯ぎしりの割合
歯ぎしりとは上下の歯をこすりあわせて音をだしたり、歯を食いしばったりすることをいいます。上下の歯をあわせるために下あごをつきだす表情になり、小さなお子さんが歯ぎしりをしている姿をみてあごへの影響やうけ口になるのではと心配される方が多いのではないでしょうか。
2歳といえば奥歯が生え、乳歯が生え揃う頃です。実は、子どもの歯ぎしりの割合は成人よりも多く、2歳前後では10~20%の子どもが歯ぎしりをしています。10人に1人か2人の割合なので、2歳で歯ぎしりをしているのは珍しいことではありません。
2歳の歯ぎしりは2つの理由から
2歳の子どもが歯ぎしりをする理由には大きく2つの理由があります。
- 成長過程によるもの
- ストレスによるもの
1.成長過程による歯ぎしり
奥歯が生え乳歯が生え揃う2歳頃になると、かみ合わせの悪いところを調整しようと歯ぎしりをします。歯ぎしりにはあごや口のまわりの筋肉をきたえる効果もあります。そして、あごが発達してくると今度は永久歯に生えかわるための準備をはじめているのです。
2歳の子どもの歯ぎしりのほとんどがこの成長過程によるものです。
成長過程でなぜ歯ぎしりするの?
- かみ合わせの調整をしている
- あごや口まわりの筋肉の発達をうながしている
- 永久歯へのはえかわりの準備をしている
2.ストレスによる歯ぎしり
保育園の入園やママの妊娠、妹や弟の存在などの環境の変化などから歯ぎしりをすることがあります。環境の変化によってストレスがたまってしまい、無意識に歯ぎしりをしてしまっているのです。
歯ぎしりしているのは昼間?寝てるとき?
歯ぎしりは成長過程によるものと、ストレスが原因のものとに分かれます。その見分け方は昼間起きているときに歯ぎしりしているのか、寝ているときに歯ぎしりをしているのかで区別ができます。
昼間の起きている時間の歯ぎしりは成長過程によるもので意識的に行われていることが多く、無意識状態である寝ているときの歯ぎしりはストレスが関係しています。
歯ぎしりをしている時間帯を見直し、成長過程によるものなのかストレスによるものなのかを見分ける必要があります。
歯ぎしりの対処法とは?
歯ぎしりを長引かせないためには4つの対処法があります。
長引かせないための4つの対処法
- よく噛む食事にする
- 姿勢を正す
- 上向きで寝る
- ストレスを軽減させる
1.よく噛む食事にする
かみ合わせを良くするために食事の内容を見直します。食事はあごの発達にも関係があります。柔らかいおかずばかりではなく噛みごたえのある硬いものにしたり、野菜なども細かく刻むのではなくごろっと大きくして噛む回数を増やす工夫をします。
たとえば、カレーライスではジャガイモやにんじんをひと口大くらいに大きく切り、噛む回数が増えるように作るのがおすすめです。
2.姿勢を正す
せっかく食事を見直しても食事中にほおづえをついていたり、前かがみの姿勢では正しいかみ合わせにはなりません。足を地面につき背中を伸ばした姿勢で食事するのが正しい姿勢です。正しい姿勢で食事ができるように椅子や机の高さなどの環境を見直します。
イメージは小学校の教室の椅子と机のような環境です。2歳の子どもはまだじっと座っているのも難しいかもしれませんが、なるべく正しい姿勢で食事できるように環境をととのえましょう。
3.上向きで寝る
いつも横向きで寝るようになると、どちらか一方の向きで寝るのがクセになってしまうことがあります。クセになってしまうと寝ているときにいつも片側だけに圧力がかかりあごがずれてしまうことがあります。
あごがすれてしまうとかみ合わせも上手く調整できません。歯ぎしりも長引きます。寝るときはなるべく上向き(あおむけ)で寝かせるクセをつけさせてあげましょう。
4.ストレスを軽減させる
ストレスの原因をすっかり取り除いてしまうことは難しいので、ストレスを軽減させる工夫をします。お子さんの話を聞いてあげる時間を作ったり、一緒に遊ぶ時間を増やしたり、スキンシップを増やしたりすることでストレスが軽減されます。
歯ぎしりの注意点
2歳の歯ぎしりのほとんどは成長過程によるものか、もしくは一過性のストレスであることがほとんどです。歯ぎしりをしているからといって過度に心配することなく、ほとんどの場合様子を見守っていれば大丈夫です。
ですが、下記のような場合には歯医者さんでみてもらうことをおすすめします。
歯医者を受診したほうがいいケースとは
- 血がでている
- 歯がすり減り過ぎている
- 小学校入学すぎても歯ぎしりしている
1.血が出ている
歯ぎしりをしている時やしたあとなどに口の中で血が出ている場合です。お子さんの歯ぎしりで血がでるほど歯ぎしりすることはほとんどありません。必要以上に歯をくいしばっていることが考えられますので受診をおすすめします。
2.歯がすり減り過ぎている
歯ぎしりをすることでかみ合わせの部分を平らにならしていきますが、神経に達してしまうのではと思われるほど歯がすり減っている場合には歯医者への受診が必要です。
実際には親御さんからみたらすり減りすぎていると思っても、歯医者さんからみたらそうでもないことも多いです。2歳の歯は乳歯であり、永久歯に生えかわる歯でもあるのですが、ご心配でしたら歯医者へ受診してください。
3.小学校入学後も歯ぎしりをしている
小学校入学頃は永久歯に生えかわり始める時期です。永久歯が生えてくるための準備が整い、あごがいくらか発達した状態で永久歯へ生えかわり始める時期でもあります。
永久歯が生えはじめたころでも歯ぎしりを頻繁にしてしまっている場合には、がく関節症やうけ口に影響します。小学校入学時期を過ぎても歯ぎしりしている場合は歯医者へ受診されることをおすすめします。
まとめ
奥歯が生え乳歯が生え揃う2歳前後のお子さんが歯ぎしりする割合は、10%~20%と比較的高い割合です。そして、そのほとんどが成長過程によるものから歯ぎしりをしています。ほとんどの場合心配いりません。
歯ぎしりをしている場合は食事や姿勢に気を配り、子どもの様子をよく観察し見守ってください。寝ている時に歯ぎしりをするようなら、親子の時間を増やしスキンシップするなど愛情表現を増やしてあげるのがおすすめです。
2歳前後で歯ぎしりしていても過度に心配せずに、しばらく見守っていれば自然と歯ぎしりをしなくなるでしょう。