もっと知りたい!1歳未満の赤ちゃんにはちみつを与えてはダメ!?赤ちゃんとはちみつの大切な関係。
2017/04/02
最近では、1歳未満の赤ちゃんにはちみつを与えてはダメ!ということを知っている、聞いたがことある、という人も増えてきていますね。しかし、ママは知っていても周りの大人が知っていないと、大変なことになってしまうのがはちみつです。
ここでは、1歳未満の赤ちゃんにはちみつを与えてはダメな具体的な理由をご紹介します。
赤ちゃんとはちみつの大切な関係としてあいまいな知識ではなく、赤ちゃんにとって安全かつ正確な知識としてもっと知ることで、ママだけでなくみんなで赤ちゃんを守りましょう。
このページの目次
なぜ?1歳未満の赤ちゃんにはちみつを与えてはダメな理由
1歳未満の赤ちゃんにはちみつを与えてはダメな理由は、はちみつに含まれている「ボツリヌス菌」という食中毒を起こす細菌が赤ちゃんの体の中で繁殖し、「乳児ボツリヌス症」という病気を引き起こしてしまうからです。
生命の危険を脅かす危険性は少ないとされていますが、病気になってしまうことは赤ちゃんにとってもママにとっても決して嬉しいことではありません。厚生労働省は、1987年にそのことを注意喚起しています。最近では、母子手帳にもそのことを明記している自治体もあります。
はちみつは乳児ボツリヌス症予防のため満1歳までは使わない。
引用元:厚生労働省「Ⅱ 離 乳 編 」より
「ボツリヌス菌」とは?
「ボツリヌス菌」とは、食中毒を起こす細菌です。「ボツリヌス菌」は、土、海、川などの自然界のありとあらゆる場所に存在します。
「ボツリヌス菌」の主な特徴
- 熱に強い芽胞(胞子)を形成する
- 芽胞は、低酸素状態で、毒素として増殖する
- 芽胞は、自然界の中で、最強の毒力がある
ちなみに、ボツリヌスの語源は、ラテン語のbotulus(ソーセージ)です。その昔、ヨーロッパでハムやソーセージなどの食肉加工品を食べた人に起こる食中毒であったことから、この名前がついたと言われています。
「乳児ボツリヌス症」とは?
通常の「ボツリヌス症」は、ボツリヌス菌が作り出すボツリヌス毒素(ボツリヌストキシン)を摂取することで起こる食中毒です。ボツリヌス毒素自体は熱に弱いため、熱加工することで死滅します。
しかし「乳児ボツリヌス症」は、ボツリヌス毒素の摂取ではなく、ボツリヌス菌の芽胞を摂取することで起こるものです。
ボツリヌス菌の芽胞が、熱に強いということは、生のはちみつはダメ!ではなく、はちみつがダメ!なので注意したいところです。低酸素状態である人の体内など、ボツリヌス菌の芽胞にとって、発芽・増殖しやすい状況下におかれることで、毒素を作りだし、症状を引き起こすのです。
1歳未満の乳児が菌の芽胞を摂取することにより、腸管内で芽胞が発芽し、産生された毒素の作用によって発症
引用元:厚生労働省「感染症法に基づく医師及び獣医師の届出について(35 ボツリヌス症)」より
1歳未満の赤ちゃんは大人と違って乳児は腸が未発達で腸の長さも短いため、中毒を起こすとされています。ここでの乳児を1歳未満として厚生労働省も定義しています。
全ての種類のはちみつがダメ?
はちみつといっても、色んな種類のはちみつがあります。原産地、花、蜂、によって色んな種類のはちみつがあります。全てのはちみつが1歳未満の赤ちゃんに与えてはいけないのでしょうか?
実は答えはNOです。国産のはちみつでも、ボツリヌス菌が含まれているものと、含まれていないものがあります。ただし!!どのはちみつにボツリヌス菌が含まれているか、見た目ではわかりません。
ボツリヌス菌が含まれているかわからないものを赤ちゃんに与えるわけにはいきません。だからこそ、はちみつはダメ!として認識することが大切です。
はちみつとよく比較されるメープルシロップがあります。メープルシロップは、楓の樹液から作られる甘味料です。
メープルシロップにはボツリヌス菌は含まれませんので、「乳児ボツリヌス症」の心配もありません。メープルシロップは甘味料の中でも甘みの強い物ですので、赤ちゃんに与える時には与えすぎには注意しましょう。
特に気を付けたい時期は?
1歳未満といっても特に気をつけたい時期があります。それは、生後3週間~6ヶ月までです。
離乳食が始まる6ヶ月ごろまでは、ママの母乳とミルクだけで生活しますので、消化器官が未発達な状態となっていますので、特に気をつけましょう。「乳児ボツリヌス症」の発症例も生後3週間~6ヶ月が多いです。
赤ちゃんは成長とともに様々な病気になり、さまざまな薬を処方されます。特に小さい赤ちゃんには薬を嫌いにならないようにと、はちみつを薬を混ぜて与えることを考えてしまいがちですが、生後3週間~6ヶ月は特に気をつけましょう。
では、いつからなら大丈夫?
1歳未満の赤ちゃんに与えてはダメなはちみつですので、1歳になったお誕生日から与えることができます。お誕生日にホットケーキにちょっとはちみつをかけてあげたい。なんて思ったりしますよね。
しかし、わざわざあげる必要はもちろんありません。タマゴなどのアレルギー食品としてダメというわけではありません。ですので、はちみつに慣らせてあげるためにわざわざあげる。という考えは必要ありません。赤ちゃんの発育と十分向かい合って、与える時期を決めましょう。
加工食品も要注意!はちみつが入っている意外な食べ物
熱に強いボツリヌス菌の芽胞ですので、加工食品でも注意が必要です。
はちみつが入っていることのある意外な食品例
- カステラ
- パン、蒸しパン
- 野菜ジュース
お祝いなどでカステラを頂くようなことも多いですし、パンも離乳食としてあげたい食品の一つです。食品ラベルの原材料名にはちみつと表記されていないことを必ず確認してから赤ちゃんに食べ物を与えましょう。
原材料名を見て赤ちゃんに食べ物を与えるということは、はちみつだけでなく、色んな注意したい発見もありますので、アレルギーのない元気な赤ちゃんでも商品ラベルを見る癖をつけることは大切なことでしょう。
はちみつを与えてしまったらどうなる?症状は?
日々育児をしていくなかで、お腹が空いて泣いている赤ちゃんに急いで食べ物を当たることもあるでしょう。赤ちゃんに食べ物を与えたあとに、何気なく見ていた「商品ラベルの原材料名にはちみつと書いてあった!」そんな時、どうしたらいいのでしょうか?
口にしてから症状があらわれるまでの時間
もちろん全てのはちみつにボツリヌス菌が含まれているわけではありませんので、赤ちゃんの様子を見守る必要があります。赤ちゃんのが食べ物を口にしてから「乳児ボツリヌス症」の発症には、3日から1ヶ月の潜伏期間があります。
そのため、赤ちゃんの不調があって病院にかけつけたときには何が原因かわからないことがあります。食中毒ときくと食後2~3時間後に発症するかなと思いがちですが、はちみつを与えたと気付いたのであれば1カ月は赤ちゃんの様子をしっかり見ることが大切です。
主な症状は?
「乳児ボツリヌス症」の主な症状
- 便秘になる
- 首座りが悪くなる
- 泣き声が小さくなる
- 母乳やミルクを飲む力が弱くなる
- 母乳やミルクを吐きやすくなる
90%の赤ちゃんが初期症状として便秘になり、筋力の低下として、首座りが悪くなることもあります。生命の危険を脅かす危険性は少ないとはいえ、死に至る危険性は0%というわけではありません。症状がひどい場合、呼吸困難や呼吸停止になってしまうこともあります。
赤ちゃんになにか不調が現れた場合は、自分で判断せず、すみやかにかかりつけ医にかかることをおすすめします。
母乳はどうなる?ママがはちみつを食べるのは平気?
厚生労働省でも、1歳未満の赤ちゃんにはちみつを与えてはダメ。ということを注意喚起しているだけで、ママがはちみつを摂取することでを母乳に影響があることは述べていません。
つまり、ママがはちみつを摂取して、その後母乳を与えることは問題ありません。ママが食べたものが血液となり母乳にもなりますが、大人の腸の中で繁殖することのないボツリヌス菌が血液になることはありません。
はちみつのイイところも知りたい!
1歳未満の赤ちゃんにはちみつはダメといっても、はちみつのイイところも知っておきたいですね。
1歳を過ぎて、成長したお子さんにも、育児に疲れているママにも、はちみつはとても体にいいものですので、効能・効果を知って積極的にとりいれてもよいでしょう。もちろん1歳未満の赤ちゃんにはちみつはダメですよ。
健康食品として人気
はちみつは健康食品としてもよく登場します。それははちみつの持つ糖の成分に効果・効能があるからです。はちみつの40%がブドウ糖、50%が果糖からできています。
ブドウ糖は、脳の栄養として届けられ、果糖は、急な血糖低下を防ぐ効能があります。イライラしてしまいがちな時にストレスを感じにくいストレスフリーな状態を保つことができます。また、はちみつは体に吸収されやすいため、消化器官にとっても優しい食べ物です。
殺菌作用があります
よく子供が風邪をひいて咳がひどいときにはちみつをひと匙与えるとイイことが昔から言われています。これは、はちみつが呼吸器系の細菌の繁殖を抑えることと、はちみつの保湿効果から、咳を落ち着かせる効能があることが判っているからです。
また、はちみつの成分が歯石の形成を遅らせる効能を持ち、虫歯になりにくいため、お菓子を作る時は砂糖の代わりにはちみつを使用するといいでしょう。
まとめ
1歳未満の赤ちゃんにはちみつの加工食品を含めて与えてはダメです。もし、はちみつを与えてしまっても焦らず赤ちゃんの様子をしっかりと見守りましょう。なにか気になる症状があればすみやかにかかりつけ医にご相談することは忘れないようにしたいことです。
また、1歳未満の赤ちゃんにはちみつを与えてはダメということを知らない人が周りにいる場合は教えてあげることが赤ちゃんを守り続ける大切なことですね。