ベビーサインっていつから、どうやって教えるの?できるようになるのはいつごろ?
2017/01/12
テレビで取り上げられたこともあるベビーサイン。サインを見せる赤ちゃんは可愛らしく、普段の育児に取り入れてみたいものの一つですよね。でも、興味はあるけれど、いつから、どうやって教えればいいのか分からずためらっている人も多いのではないでしょうか?
ベビーサインはいつから教えればいいのか、赤ちゃんがサインを使えるようになるのはいつからかなど、ベビーサインのいろはをまとめています。最後には簡単なサインも紹介していますので、ベビーサインを始めるとっかかりにしてみてください。
このページの目次
ベビーサインってどうやって教えるの?
画像出典元:http://bendnest.com/2016/05/understanding-the-benefits-of-baby-sign-language/
ベビーサインとは
ベビーサインは、まだ喋れない月齢の赤ちゃんと会話するためのツールです。日本ベビーサイン協会では、次のように定義しています。
ベビーサインとは、まだうまく話せない赤ちゃんと簡単な手話やジェスチャーを使って「お話し」する育児法です。1990年代にアメリカで始まり、日本にも2000年以降たくさんのママやパパが実践しています。
「手話」とあるので何やら難しいもののように聞こえるかもしれませんが、そんなことはありません。やりたいと思ったら、誰でも簡単に始めることができます。普段から使っている「バイバイ」と手を振る動作や、「すごいね」「上手」と言いながらする拍手も、ベビーサインの一つです。
ベビーサインの教え方
ベビーサインを使って赤ちゃんと会話をするためには、赤ちゃんにサインを教える必要があります。赤ちゃんにベビーサインを教える方法は、大きく分けて二つあります。
1.ベビーサイン教室に通う
日本ベビーサイン協会をはじめ、地域ごとに様々な団体がベビーサイン教室を開いています。中には個人でやっている人もいます。住んでいるところの近くでベビーサイン教室があるか、調べてみるといいでしょう。
ベビーサイン教室に通うと、ママ・パパも正しいサインを覚えられますし、赤ちゃんの月齢に即したサインを教えてもらうことができます。ベビーサインがなかなか出てこないなど、心配なことをすぐ先生に尋ねることができるので、ベビーサインを楽しく学べます。
また、似たような月齢の赤ちゃんが集まるので、友達を作ったり、赤ちゃんの成長に関して情報交換をしたりする場としても活用できますね。
2.本やDVDを見て独学で教える
近くに教室がなかったり、できるだけお金をかけずに教えたいと考えたりしている場合は、市販の書籍やDVDからサインを学ぶこともできます。書店にはベビーサインの本がたくさん並んでいますし、図書館で借りれば元手もかかりません。
ベビーサインを始めてみたいけれど、ちゃんと続けていけるか自信がないという人は、まず本に目を通してみるといいでしょう。独学で教えることの良いところは、自分のペースでサインを覚えていくことができることです。
また、他の赤ちゃんはサインが出るようになったのにうちの子はまだ出ない……、というような焦りを感じることもありません。
おすすめの本・DVD4選
1.『今すぐできる かんたんベビーサイン』吉中みちる
画像出典元:https://www.amazon.co.jp
1ページにつき1つのサインの紹介になっているため、とても見やすく分かりやすい本です。難しい説明は抜きにして、とにかくサインを覚えたい!という人におすすめ。イラストも可愛らしいので、上のお子さんと一緒に見て学ぶこともできます。
139語のベビーサインが紹介されています。A5サイズなので片手で楽に開け、持ち運びにも便利です。
2.『ベビーサイン―グーとパーだけで赤ちゃんと会話』近藤禎子
画像出典元:https://www.amazon.co.jp
日本の手話を元に作られた、グーとパーだけでできるベビーサインが77語紹介されています。ものの名前よりも気持ちや行動を示す語が多く載っているため、普段の会話にもすぐにサインを取り入れることができます。
お喋りするというよりも赤ちゃんの気持ちを理解したい人におすすめです。
3.『わかる!話せる!らくらくベビーサイン』リンダ・アクレドロ他
画像出典元:https://www.amazon.co.jp
ベビーサインのガイドブックとDVD、絵本がセットになった、日本ベビーサイン協会公認の公式キットです。サインを覚えるだけでなく、ベビーサインの理論についても学べます。セットの絵本は、覚えたサインを使いながら読み聞かせができるようになっています。
紹介されているサインの数は20語程度と少なめですが、ベビーサインの創始者たちからのアドバイスも載っています。
4.『ベビーサイン~baby signs~』[DVD]
画像出典元:https://www.amazon.co.jp
日本ベビーサイン協会が監修したDVDです。ベビーサインの講師が手本を見せてくれるので、流れのあるサインも分かりやすいです。月齢別に教えたいサインのチャートや、赤ちゃんが覚えやすいような教え方のコツも紹介されています。
出てくるサインの数は30語です。
ベビーサインのメリット・デメリット
ベビーサインには多くのメリットがあります。まず、ミルクが欲しい、抱っこしてほしいなど赤ちゃんの要求が分かるので、泣かせることが少なくなります。手や指を使う動きが主になるため、手先が器用になったり、集中力の高い子どもになるという報告もあります。
さらに、コミュニケーションがしっかりと取れるので、親子関係も安定したものになります。反対にデメリットとしては、ママ・パパがサインを覚えなければならないことがまず挙げられるでしょう。
また、サインを知らない祖父母に預けたり、保育園に入れたりすると急にベビーサインが通じなくなるので、赤ちゃんが混乱してしまうこともあります。ベビーサインだけでなく、必ずサインと言葉をセットにして伝えることを心がけましょう。
ベビーサインのメリットとデメリット
メリット |
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デメリット |
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ベビーサインはいつから教えるといい?
画像出典元:http://www.babycaremag.com/milestones/getting-your-baby-to-sit-up/
ベビーサインを教える時期は、赤ちゃんの成長の早さによっても異なります。ベビーサイン協会では生後6ヶ月~1歳半を適齢時期としていますが、これより早くから始めても問題はありません。
ただ、1歳半以降になると、意思疎通のためのツールとして言葉が主流になってくるので、サインを教えても定着しないことが考えられます。ベビーサインで赤ちゃんと話してみたいと考えているなら、適齢時期を逃さないようにしましょう。
ベビーサインを教える時期の目安
- お座りができる
- 指さしが始まる
このような動作ができるということは、赤ちゃんが自分の手や指をある程度自由に動かすことができるようになっているということです。赤ちゃん側からベビーサインを返すためには、手指の発達が不可欠です。
そのため、ベビーサインを教える時期が生後6ヶ月からと言われているのです。しかし、早い月齢からサインを見せて、サインの定着を図ることは無駄ではありません。視覚が発達してくる生後2ヶ月ごろからママがサインを見せ始めてもいいのです。
ただしその場合は、教え始めてからサインが出るようになるまでに時間がかかります。早くサインを出してほしいと思っているなら、6ヶ月過ぎまで待ったほうがいいでしょう。
ベビーサインはいつごろできるようになるの?
画像出典元:http://www.saison-chienowa.jp/articles/baPnyf6E
個人差がありますが、生後6ヶ月から教え始めると平均して2~3ヵ月でサインが出るようになります。歩くようになる1歳ごろに教えると、1~2週間という短期間でサインを見せ始めます。
このように、赤ちゃんがサインを返す時期は、いつごろからサインを教え始めたか、ママがどのくらいの頻度でサインを使っているかということも大きく影響します。毎日根気よく続けましょう。
また、赤ちゃんによってやりやすいサインとやりにくいサインがあります。早く覚えてもらいたいからといって1つのサインだけを集中して見せるのではなく、少なくても3~5個のサインを会話に織り交ぜるようにするといいですよ。
ベビーサインを教えるコツ
- 赤ちゃんに話しかける際には必ずサインを添える
- 笑顔で、ゆっくりとサインを見せる
- 赤ちゃんの興味のあるものをサインにして教える
- 毎日触れるものを教える
- 複数のサインを同時進行で教える
ベビーサインでママ・パパと意思疎通ができると分かるようになると、赤ちゃんも次々にサインを見せるようになります。はじめの一つが出るまではもどかしい思いもありますが、サインでお喋りができるのはとても楽しいですよ。
まず教えたいベビーサイン5つ
画像出典元:http://babysigns.op-gt.com/
ここでは、ベビーサインを始めたばかりの赤ちゃんにぴったりのサインを紹介します。なお、サインの形は教室や参考にする本によって少し異なる場合があります。
1.おっぱい・ミルク
両手を胸の高さで軽く握り、左右交互にグー・パーと閉じたり開いたりします。牛の乳しぼりをする動作から作られたサインです。「おっぱいが飲みたいの?」「はい、ミルクよ」などと声をかけながらサインを見せましょう。
授乳をしながら「おっぱい、美味しいね」と言って見せてもいいでしょう。その場合は片手で行います。手がふさがっていることを想定して、初めから片手で教えても構いません。赤ちゃんにとっては一番身近で、毎日使えるサインです。
2.もっと
画像出典元:http://www.athensparent.com/articles/online/babysign.html
人差し指から小指までの四本をそろえて伸ばし、指先を親指につけます。何か小さなものをつまむような形です。両手をその形にしたら、左右の指先が向かい合わせになるようにして、指先をくっつけたりはなしたりしましょう。
離乳食を始めているなら、「もっと食べたいの?」「もっと飲む?」というときに使います。食事以外でも、「もっと遊ぶ?」「もっとお散歩しようか?」などと幅広く使うことができます。
3.終わり
両手のひらを上に向けて見せ、そのまま手首を返します。食事や遊びなど、「もうおしまいよ」というときに使って見せましょう。
4.抱っこ
抱っこをせがむ子どものように、両手のひらを上に向けて腕を伸ばします。細かな指の動きがないので、月齢の低い赤ちゃんでもマネしやすいサインです。「抱っこしようね」などと話しかけながら見せます。
5.ねんね
両手のひらを合わせて顔の横にもっていき、上にした手の甲に頬を寄せます。童謡『げんこつ山の狸さん』で「ねんねして」の歌詞のときにする振りと同じですね。「ねんねしたいの?」「そろそろねんねの時間だよ」と使うといいでしょう。
ベビーサインには本当にたくさんの種類があります。1歳半ごろになると、手話のように、サインを組み合わせて会話をするようになる子もいます。まずは簡単なものから覚えて、日常生活の中に取り入れていきましょう。
まとめ
ベビーサインは上手に取り入れれば、育児を楽しくしてくれるとても便利なツールです。赤ちゃんがサインを返してくれたとき、自分の要求を伝えてくれたときは並々ならぬ感動があります。しかし、赤ちゃんに過度の期待をしてしまうと焦りやイライラが増幅することも。
赤ちゃんにも向き不向きがあるので、ベビーサインを使いこなせるかどうかはその子によりますが、根気よくサインを教えていれば、いつかは必ず返してくれるようになります。
「絶対にベビーサインでお喋りがしたい!」と気負わず、赤ちゃんの気持ちが少しでも分かるようになればいいな、くらいの気持ちでやってみましょう。