赤ちゃんのアトピーはいつから発症する?症状や対処法は?
2017/04/26
生まれてすぐの赤ちゃんは肌のバリア機能が弱いため、肌トラブルはつきものですよね。中でも、アトピー性皮膚炎の患者数は年々増加傾向にあるため、ママとしても心配だと思います。
赤ちゃんはとにかく、汗やおむつや衣服のスレなどにも敏感に肌が反応し、赤くなってしまったりしますよね。
こうしたちょっとした肌トラブルでも、「もしかしてアトピーかも?!」と気になってしまうのではないでしょうか。
では、赤ちゃんのアトピー性皮膚炎はいつごろから発症し、どのような症状があるのでしょうか。対処法と合わせて紹介させていただきます。
このページの目次
赤ちゃんのアトピーは生後4ヶ月ごろから発症する
赤ちゃんのアトピーは、生後4ヶ月~6ヶ月ごろからその症状が出始めることが多くなっています。
赤ちゃんはもともと肌のバリア機能が低いため、生後4ヶ月に満たない場合でもアトピーと似たような肌の湿疹が起こったりしますが、大体の症状は新生児ニキビなどといわれる一過性のものです。
その都度赤ちゃんの肌トラブルと向き合いながら、生後4か月を超えても改善が見られず症状が慢性化している場合にはアトピーを疑うようにしましょう。
赤ちゃんのアトピーの症状は?
皮膚がカサカサしていたら、もしかしてアトピー?と心配になってしまうと思います。ですが、単なる乳幼児湿疹と違って、アトピーには独特の症状があるのです。
赤ちゃんのアトピーの症状
- かゆみを伴う
- 赤い湿疹ができている
- 湿疹がじゅくじゅくしている
- 肌がカサカサしている
- 関節や耳の付け根などにでき、左右対称である
- 症状が治まったように思えてもまたすぐぶり返す
これらがアトピーの代表的な症状です。
ただ、生後数ヶ月の赤ちゃんは、肌のバリア機能が未発達のため、アトピーに罹っていない赤ちゃんであっても肌トラブルが多く起こります。
アトピー以外の乳児湿疹との見分けを付けるのは、素人目ではなかなか難しいため、独断で判断せず症状が出てきたら早めに医師にかかることをおすすめします。
どうやってアトピーと診断される?
赤ちゃんのアトピーについては、きちんと定義が決められています。この基準に該当しているかどうかで、アトピーなのか、その他の皮膚疾患なのかを見極めることになります。
アトピーの診断基準
- かゆみを伴う
- アトピー特有の部位に症状が見られる
- 乳児の場合は2ヶ月以上慢性的に続くまたは繰り返し症状が出る
これらの特徴3つを満たす場合、アトピーと診断されることになります。
まだ言葉が話せない赤ちゃんに対して、かゆみがあるかどうかの判断は難しいものがありますが、何かにこすりつけるような動作をするかどうか、などのしぐさを見て判断されることが多くなります。
参考文献:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016 年版より
アトピーの治療方法は?
アトピーの治療方法は大きく分けて3つの治療方法があります。
1.保湿剤によるスキンケア
アトピーを発症している赤ちゃんのお肌は、患部がじゅくじゅくしていると思ったら、少し治りかけてきたころにカサカサしてきます。
じゅくじゅくが治ったカサカサの時期にこそ、またぶり返すことのないようにしっかりと保湿剤によるスキンケアをするようにしましょう。
保湿剤は病院で処方してもらうことも出来ますが、市販薬にも肌に優しく、赤ちゃんに使えるものがあります。おすすめの保湿剤はこちらの日興リカ株式会社が販売する「サンホワイト」です。
- 高品質の白色ワセリン100%。香料、着色料、保存料は使用しておりません。
- 無味、無臭です。
- サンホワイトP-1は皮膚にうすい膜を張り、皮膚からの水分蒸発を防止し、うるおいを保持し、皮膚を柔軟にします。また、異物や、抗原が侵入するのを防ぎます
2.アレルギー物質の除去
アトピーは、特定のアレルギーによってその症状を悪化させるケースも少なくありません。
血液検査をしてアレルゲンの特定もできますから、アレルゲンが特定できればそれらを除去することが必要となります。
3.薬による治療
アトピーの治療にはまずほとんどがステロイド外用剤の使用を勧められます。ステロイドと聞くと、「きつい薬」というイメージが強いでしょう。
実際にステロイド剤は長期間の使用による副作用の報告も多くみられています。大切なのは、ステロイド剤は完治させるための薬ではないということを知っておくことです。
ステロイド剤はあくまでも、じゅくじゅくして重傷な湿疹の患部に使用し、症状を和らげる効果が期待される薬です。
ステロイド剤を使って症状が緩和し肌が再生して来たら、保湿剤によるスキンケアで皮膚を守っていくという流れで治療していくことが大切です。
アトピーは治る?
一度アトピーと診断されたら、一生涯付き合っていかなくてはいけないのでしょうか。ママとしてはそこも大変気になりますよね。
でも、安心してください。
アトピー性皮膚炎は年齢とともにある程度の割合で寛解することが期待できる.ただし,寛解率は症状の程度によって異なる
アトピー性皮膚炎診療ガイドラインによると、上記のように、アトピーは年齢によってある程度の症状の緩和が見られるという報告がなされています。
具体的には、国内での検診によるデータとして、以下のような報告がされています。
乳幼児・小児のアトピー性皮膚炎の治癒に関する報告例
- 生後4ヶ月の時点でアトピー性皮膚炎と診断された子供の約70%が1歳6ヶ月の時点で治癒している
- 1歳6ヶ月の時点でアトピー性皮膚炎と診断された子供の約50%が3歳児の時点で治癒している
- 小学校1年生の時点でアトピー性皮膚炎と診断された子供の約50%が6年生の時点で治癒している
このように、乳幼児の段階でアトピーと診断されている場合には、治癒するケースが非常に高くなっています。必ずしも一生付き合っていかなくてはいけない皮膚疾患というわけではありませんので安心してください。
家庭でのケアはどうしたらいい?
アトピーの赤ちゃんに限らず、肌のバリア機能が未発達の赤ちゃんには以下の点に注意してあげましょう。
1.清潔を保つ
まず第一に、肌への刺激となる汚れや汗をきれいにしてあげ、清潔を保つようにしてあげましょう。
清潔を保つポイント
- おむつは汚れたらすぐに変える
- お風呂でのすすぎ残しには気を付ける
- 汗をかいていたらすぐに拭き、場合によっては着替えをする
2.環境を整える
ハウスダストなどや埃なども肌のバリア機能が弱い赤ちゃんにとっては大敵です。
環境を整えるポイント
- 掃除機をこまめにかける
- 空気清浄などで、ハウスダストを取り除く
- ペットを飼っている場合は、毛にも注意する
- 直射日光による紫外線を浴びないよう、ベッドの配置やカーテンを工夫する
3.スキンケアを怠らない
アトピーは慢性化し、治ってはぶり返すという特徴のある皮膚疾患です。
そのため、根気強くスキンケアをしてあげる必要があります。
スキンケアのポイント
- お風呂上りのスキンケアは欠かさない
- 医師から処方された薬を適切に使う
- 良くなったからといって、自己判断で使用を中止しない
アトピーは良くなったと思って薬や保湿剤の使用をやめると一気にぶり返します。自己判断で使用を中止するとすぐにまた症状が出てしまったり、以前よりひどくなってしまうこともありますので注意してください。
赤ちゃんの不快をできるだけ取り除いてあげよう
アトピーの赤ちゃんのお世話は、ママにとっても大変な苦労を伴います。まだ生後間もない赤ちゃんがかゆそう、痛そうにしているのを見ているのはとてもつらいですよね。
でも実は、ストレスがアトピーを悪化させるという報告も出ています。紹介した通り、アトピーは年齢を重ねるにつれて症状が緩和したり、治癒しているという例も少なくありません。
あまり思い詰めず、赤ちゃんが不快をできるだけ感じることのないように環境を整えながら楽しく過ごしていくようにしましょう。