赤ちゃんの頭が絶壁になったらどうしたら治る?
2017/03/18
気づいたら赤ちゃんの頭が片側平らだったり、後頭部が平らだったりするとあせりますよね。オランダの7000人を対象にした研究によると絶壁は筋肉が発達して寝返りをうてるようになると50%強の割合で自然に治っていきます。
ですが、45%が2歳になってもゆがみがとれないという結果がでています。大きくなったときにかわいいポニーテールができるように、坊主頭が似合うように、帽子のオシャレができるように頭の形がいい子にしてあげたいですよね。
赤ちゃんの頭が絶壁になっていると気づいた今がタイミングです。絶壁になってしまった頭を丸く整えていくにはどうしたらいいのかについてお伝えしていきます。
このページの目次
赤ちゃんの頭が絶壁!その原因は?
赤ちゃんは狭い産道を通って産まれるために頭の骨が完成していない状態で産まれてきます。まだ頭の骨はふにゃふにゃの状態です。そのため、産まれたばかりの赤ちゃんのほとんどは頭の形がゆがんでいます。
頭の骨は産まれてから1年半ほどかけてできあがってくるのです。赤ちゃんの頭の骨は柔らかいので、過ごす環境を受けやすく頭の変形=絶壁になりやすい状態です。偏った環境で過ごしていることで絶壁になってしまいます。
赤ちゃんの頭が絶壁になっているのには大きく4つの原因があります。
絶壁の4つの原因
- 寝ている場所や向きがいつも同じ
- 母乳やミルクをあげる体勢がいつも同じ
- 寝ている時間が長い
- 病気によるもの
1.寝ている場所や向きがいつも同じ
いつも同じ方向ばかり向いて寝ている赤ちゃんは絶壁になります。赤ちゃんは音や光、人のいる方を見て寝ています。いつも同じ場所で寝ていると向きクセがついてしまい、片側だけに圧力がかかり片側が平らな絶壁になります。
2.母乳やミルクをあげる体勢がいつも同じ
母乳の出やすい方ばかり偏ってあげていると向きクセがついてしまいます。そうすると寝るときの向きクセへとつながり絶壁になります。ミルクをあげるときも同様にいつも上ばかり向いた姿勢であげていると後頭部が平らな絶壁に、同じ向きばかりであげていると向きクセが付いてしまします。
3.寝ている時間が長い
手のかからない子や兄弟のいる子に多いのですが、寝ている時間が長いと後頭部に圧力がかかり後頭部が平らな絶壁になります。
4.病気によるもの
産まれてきたときから頭が変形していて、だんだん成長してくるにつれて悪化している場合などは頭の骨の病気であることがあります。頭蓋骨縫合早期癒合症という病気です。
頭蓋骨縫合早期癒合症とは、何らかの原因で頭蓋骨縫合が通常よりも早い時期に癒合してしまう病気で、狭頭症とも呼ばれます。頭蓋骨縫合が早期に癒合してしまうと、頭蓋骨の正常な発育が阻害されるため頭蓋が狭くなる、頭蓋骨が変形する等の変化が生じます。
引用元:日本形成外科学会HPより
頭蓋骨縫合早期癒合症は産まれて早い段階で頭の骨がくっついてしまうことで大きくなろうとする脳に対して、大きくなれない頭の骨が脳を圧迫して頭を変形させ絶壁にしてしまう病気です。
赤ちゃんの絶壁の種類
絶壁とは、後頭部が平らな頭の形や顔の側面の左右どちらかが平らな頭の形をいいます。この絶壁には3つの種類があります。
絶壁の3つの種類
- 短頭症
- 斜頭症
- 長頭症
1.短頭症 2.斜頭症 3.長頭症
参考写真:日本小児遺伝学会
1.短頭症
仰向けで寝ている時間が長い子に多いのが短頭症です。後頭部に圧力がかかることで後頭部が平らになり、鼻から後頭部までの長さ(横から見たときの長さ)が短い頭の形のことをいいいます。
2.斜頭症
向きクセがついてしまっている子に多いのが斜頭症です。どちらか一方ばかり向いて寝てしまっていることで、頭の片側側面だけが平らでもう片側は丸い頭の形のことをいいます。たとえば、右ばかりむいて寝てしまう子は右側だけがぺちゃんと平らになってしまっています。
3.長頭症
低出生体重児や吸引分娩などに多いのが長頭症です。出産時の吸引によって引っ張られたり、低出生体重児におこりやすくなります。後頭部に向かって長くのびており、短頭症とは逆に鼻から後頭部までの長さ(横から見たときの長さ)が長い頭の形になります。
絶壁が成長におよぼす影響とは?
絶壁は見た目に影響をおよぼすほかに、子供の成長に影響をおよぼす可能性があります。アメリカのオクラホマ大学医学部によると、絶壁(斜頭症)は知的発達や精神運動発達に影響があるという研究発表がされています。
乳児110人を対象に絶壁の乳児とそうでない乳児の発達を比較したところ、絶壁(斜頭症)の乳児には知的発達や精神運動発達の遅れがある割合が2.28倍高かったという研究結果です。日本とは違いアメリカやヨーロッパでは絶壁の予防に努めています。
赤ちゃんの絶壁はいつまでなら治りやすい?
産まれたばかりの赤ちゃんの頭は柔らかいのですが、生後7ヶ月くらいから徐々に頭が硬くなりはじめます。頭が硬くなってしまうと、その後は頭の形が変わりにくくなってしまいます。そのため、絶壁をきれいに治すには生後6ヶ月くらいまでに対処するのがおすすめです。
赤ちゃんの絶壁を治す5つの方法
赤ちゃんの絶壁を家庭で治すには5つの方法があります。
絶壁を治す5つの方法
- 寝る向きを変える
- 興味を広げる
- 体勢を起こす
- 授乳に気をつける
- グッズを使う
1.寝る向きを変える
赤ちゃんは光や音、人のいる方を向いて寝ています。そのため光や音、人のいる方向が逆になるように寝かせるようにします。例えば光や音がいつも右側からくる配置で寝かせているのなら、赤ちゃんの頭の位置を180度回転して左側から光や音がくるように寝かせます。
2.興味を広げる
赤ちゃんの目は生後2ヶ月くらいにはよく見えています。ベッドメリーやモービルなどのおもちゃで興味をひかせることで向きクセを治していくことができます。
3.体勢を起こす
寝かせてばかりいると後頭部に圧力がかかってしまうので、赤ちゃんの目が覚めているときには抱っこやおんぶをして体を起こすようにします。寝かせっぱなしにしないことが大切です。
4.授乳に気をつける
母乳をあげるときの体勢がいつも同じでは向きクセがついてしまいます。添い乳の場合もいつも同じ側からあげていないか見直してみてください。そしていつもとは逆の体勢などを意識することで向きクセを治していくことができます。
また、ミルクの場合もママの利き手であげてしまっていることが多くあります。いつもとは違う向きであげることを意識していきましょう。
5.グッズを使う
向きクセを治すのにはタオルを背中側にあてるのが有効です。ポイントはお尻です。頭だけではなくお尻から頭にかけてタオルをあてることがポイントです。お尻から頭にかけてタオルをあてることで反対を向かせるようにします。
イラスト引用元:gooベビー
まだ寝返りをうてない赤ちゃんはお尻にタオルをあてられると向きをかえることができないので向かせたい方向に寝かせることができます。
治療が必要な絶壁とは
赤ちゃんの頭が絶壁のお子さんの中には病気から絶壁になっている場合があります。下記のような症状の場合にはお医者さんに診てもらいましょう。
治療が必要な絶壁
- 頭囲が成長曲線より大きい
- 頭囲が標準でも2~3ヶ月で急に大きくなった
- 産まれたときから変形していて成長とともに悪化している
頭が大きい場合には、脳に髄液がたまって大きくなっている可能性があります。また、変形が悪化している場合には頭の骨の病気が考えられますので受診をおすすめします。
まとめ
赤ちゃんの絶壁は筋肉が発達し寝返りがうてるようになると、50%強の割合で自然に治っていきます。ですが環境が偏りすぎていると絶壁が治らない場合があります。生後6ヶ月くらいならまだ間に合います。
寝かせる向きをかえてみたり、授乳の向きをかえてみたり、起きているときに抱っこをしてあげることで治していくことができるのです。赤ちゃんの頭が絶壁になっている!と気づいたときはまだ治る可能性があります。
絶壁は家庭でママがちょっと意識してあげることで治すことができるのです。ママのケアで頭の形のいい赤ちゃんにしてあげてみてはいかがでしょうか。