これが知りたかった!上手なひらがなの教え方とは?教えるタイミングや勉強の順番について解説します
2018/07/25
小学校を入学するまでに、ひらがなやカタカナの読み書きができるようにさせたいと思うママも多いのではないでしょうか。幼稚園や保育園によっては年中・年長の時期になると硬筆の練習が始まり、ひらがなを教える園も珍しくはありません。
周りの子供たちが文字を読めるようになったり、自分の名前を書けるようになったりする姿を見ると、「自分の子供にもひらがなを教えなくては」「幼稚園や保育園だけでなく、家庭でも教えてみようかな」とつい焦ったり不安な気持ちになったりしてしまいますよね。
そこで今回はひらがなを教える時期はいつが良いのか、順番や取り組みかたなど「ひらがなの上手な教え方」について解説します。ぜひ参考にしてみてください。
このページの目次
ひらがなを教えるタイミングはいつ?
そろそろひらがなを教えたほうがいいのかな?と思ってみても、「いつ頃から教え始めればよいのか分からない」と悩む方も多いのではないでしょうか。ひらがなを教えるときはタイミングが重要になります。ここではベストなタイミングを逃さないために2つのパターンについてを紹介します。
1.子供が興味を持った時
幼稚園や保育園に入園すると、子供の持ち物に名前を付けることが多くなります。自分の名前と触れる機会が増え、「ここに〇〇(自分の名前)ってかいてある!」と読むようになったり、「なまえがかけるよ!」と文字のようなものを書こうとしたり、文字に対する興味を持ち始めた時がひらがなを教えるベストタイミングです。
他にも絵本を見ながら、「この文字は何て読むの?」と聞かれるようになったときもチャンスです。子供が文字に興味を持てるような環境を与えてあげることが大切です。お店の看板やスタンプ、ゲームなどを通して「ここに〇〇って書いてあるよ」と簡単な言葉から興味を持たせてあげましょう。
こんな時がベストタイミング!
- 子供が自分の名前に興味を持ったとき
- 絵本や看板を見て、何てかいてあるのか興味を持った時
2.必要性を感じた時
筆者本人の子供の小学校入学説明会では「入学までにひらがなの読み書きは一通りできるようにしておいてください」と言われたことがあります。ひらがな以外にもカタカナなど授業では教えるが、学ぶことが多く、授業だけでひらがなを習得するのは大変である、子供の個人差もあるため難しい場合があるといった理由でした。
学校によっては「自分の名前だけひらがなで書ければ大丈夫です」と言われる場合もあります。名前しか書けない場合でも、入学してから授業を十分に確保し、宿題を親が傍で見ることで、問題なくひらがなを習得できる場合もあります。入学までにどのくらいひらがなを習得すれば良いのか、学校によって異なりますので入学説明会で事前に確認しておくと良いでしょう。
小学校入学前でに確認しよう
- ひらがなをどこまで習得するべきなのか説明会で確認する
- 実際に通っている兄弟・近所の方に、ひらがなの授業時間・内容を聞いてみる
ひらがなの教え方
ひらがなを教えるにはどのような順番で教えると良いのでしょうか。ここでは教える順番とひらがなを書くうえで必要となる運筆力、子供に自分の名前を教えるタイミングについて説明します。
1.読み
ひらがなを教えるときはまず「読み」→「書き」の順番で教えます。子供にとってひらがなは「文字」ではなく「図形」のような感覚です。まずは一文字に一音あると教えましょう。例えば「りんご」なら「り」「ん」「ご」の三つの文字一つずつに音があり、三音からできています。
次に「音」と「形」を結び付けていきます。効果的なのが「文字を読みながら指でなぞる」方法です。目だけで文字を読むよりも指でなぞりながら読む方が目で文字を追いかけやすくなり、文字を理解しやすくなります。次第に指がなくてもスムーズに文字が読めるようになるだけでなく、集中力が高まる効果もあり、学習力アップに繋がるのでおすすめです。
「読み」のポイント
子供は最初、”りんご”と”りす”の「り」が同じと認識できていません。”りんご”の「り」、”りす”の「り」はどちらも同じ「り」だね。と言葉の頭文字が同じものを集めてみましょう。他に「り」で始まる言葉はあるかな?と頭音集めもおすすめです。
- 一文字一音あることを教える
- 指でなぞりながら読む
- 頭音集め(同じ音から始まる文字を集める)をしてみる
- 絵本や町で見かける文字を一緒に読んでみる
2.書き
「読み」の次はいよいよ「書く」ことを練習してみましょう。ただし書くためには運筆力を身に付ける必要があります。この運筆力については次の章で詳しく紹介しますので参考にしてみてください。
大人は見本を見ながら文字を書くことができますが、子供にとって見て書くことは非常に難しいことです。そのためひらがなを書く練習では「なぞり書き」がおすすめです。なぞり書きを繰り返すことで文字のバランスをつかみ、初めてでも上手に書くことができます。
書き順は正しく!
「正しい書き順」も大切です。間違った書き順を一度覚えてしまうと直すのは大変です。親が子供の隣で「まずは横に書いて…」と大きな文字を書いてお手本を見せてあげましょう。書き順が分かりやすく番号や色で記載されている書き方シートやひらがな表を使うのもおすすめです。
- 実際にお手本を書いて教える
- 書き順が分かりやすく記載されているツールを使う(ひらがな表・書き方シートなど)
「書き」のポイント
文字を書くときは画数の少ない書きやすい文字から始めましょう。あいうえお順の「あ」から始めるのではなく、「く」「し」「つ」など一筆で書ける文字がおすすめです。その次に「い」「り」「こ」など少しずつ画数を増やしてあげると良いでしょう。
- なぞり書きをする
- 書きやすい文字から始める(く、し、つなど)
- 正しい書き順を教える
3.運筆力を身に付ける
”文字を書きたい!”と子供が興味を持ったものの、鉛筆が上手に持てない、線が真っすぐ引けないことがあります。子供にとっては真っすぐ線を書くだけでも難しいことです。まずは文字を書く前に「運筆力」を身に付けましょう。
運筆力は線遊び、めいろ遊びによって高めることができます。真っすぐ、ジグザグ、ぐにゃぐにゃ、うずまきなど、色々な形の線をたくさん書きましょう。
「運筆力」のポイント
運筆は文字の通り”筆を運ぶ”、つまり鉛筆を使って文字や絵を描く動きをいいます。運筆力を高めることで筆圧が調節でき、大人のようにスラスラと文字が書けるようになります。ここで大切なポイントは強い筆圧で書くことです。太くてはっきりした線が描けるように意識しましょう。しっかりした筆圧は脳を鍛える効果があります。
- 線遊び、めいろ遊びから始めてみる
- 真っすぐ、ジグザグ、ぐにゃぐにゃ、うずまきなど色んな形を書いてみる
- なぞり書きをする
- 筆圧を意識し、太くてしっかりした線を書く習慣を身に付ける
鉛筆の持ち方は正しく!
鉛筆の正しく持つことで筆圧をコントロールすることができ、文字が書きやすくなります。止めやハネ、払いが書けるようになり、キレイな字が書けるようになります。ただし文字の練習を始めたころ(入学前まで)は止めやハネ、払いが出来なくても心配はいりません。
- 正しく持つことで筆圧を身に付けることができる
- 正しく持つことで文字の止め、ハネ、払いが書きやすくなる
- 鉛筆は芯が柔らかくて書きやすいBや2Bがおすすめ
4.自分の名前が書けるタイミングについて
ひらがなを教えるうえで、名前に関しても上記で説明した通りポイントは同じです。まずは「読み」→「書き」の順番で学習を進めましょう。ただし名前によっては習得するまで難しい場合があります。
例えば「てつし」のような一筆で書ける名前に対し、「あおい」や「じゅんいち」のような画数や文字数が多いものは、読むことはできても書けるようになるまでは大変ですよね。「名前を書けるようにさせてあげたい!」親の気持ちも分りますが、名前を書くことばかりを押し付けないように注意しましょう。
名前学習の進め方
子供が楽しい気持ちで取り組むことが大切です。書く練習を始めた時、「名前を書きたい!」と子供が自らが興味を持ったらお手本を書いて教えてあげると良いでしょう。もしくは子供の名前と学習状況に合わせて「そろそろ書けそうかな?」と親が思ったときに「名前を書いてみる?」と声を掛けてあげるのもおすすめです。
- まずは「読み」から始める。ひらがなの「読み」を教える過程で、子供の名前の読み方も教えてあげる。
- 次に「運筆力」、「書き」の順番に取り組む。
- 子供が名前に興味を持った時、名前の書き方を教えてあげる、もしくは名前が書けそうだと親が判断したときに、名前を教えてあげる。
- ※子供が名前を書きたいと思っているけど、上手に書けないときは、「あおい」の「あお」だけ親が書き、「い」だけ子供に書いてもらうなどして、工夫しながら少しずつ名前を書く楽しさを教えてあげるのもおすすめです。
ココに注意!ひらがなの教え方OKポイント、NGポイントとは?
子供にひらがなを教えるとき、できることなら効率的にスムーズに学習を進めてたいですよね。ここではひらがなを教えるときに気を付けておきたいポイントをOKとNGに分けて解説します。
1.OK!な教え方4つ
1.隣で見守る
子供はママが隣で見てくれるだけで”頑張るぞ!”とやる気がアップします。忙しくて教える時間はないと考えず、少しの時間だけでも携帯やテレビを止めて、子供が頑張っているときは隣に座って見守りましょう。もし子供が書き順を間違えたり、困っていることがあれば優しく丁寧に教えてあげましょう。
- 子供にやる気と安心感を与える
- 家事や趣味をしながらではなく、隣で見守る
2.たくさん褒めてあげる
子供は褒められると嬉しくなり、”もっともっと”と頑張ろうとします。褒めれば褒めるだけ伸びるといっても過言ではありません。オーバーな位、たくさん褒めてあげましょう。そうすることでひらがなの学習が楽しい!と意欲を育てることができます。
- 褒めてあげることでやる気に繋がる
- 出来た!楽しい!と気持ちを育て、ひらがなの興味を高める
3.丁寧に書く
止め、ハネ、払いに気を付けて最初からきれいに書くことは難しいことです。まずはきれいな字を書くのではなく、丁寧に書くことを心掛けるようにしましょう。例えば自分以外の人が字を読んでくれるのか、手紙をもらったとき丁寧に書いてある字を見たらどう思うか、など実際に手紙を書かせてみるのも良いでしょう。
- 相手に読んでもらえるような気持ちで書く
- だらっとした姿勢ではなく、正しい姿勢で字を書くことを教える
4.環境を整える
せっかくひらがなを頑張ろうと思っても、テレビがついているとついつい見てしまいますよね。集中力を妨げるようなテレビを消す、おもちゃは目の届くところに置かないように環境を整えてあげましょう。図書館に連れて行き、気分を変えてみるのもおすすめです。
- テレビを消す
- おもちゃは近くに置かない
- 図書館に連れていく
2.NG!な教え方3つ
1.怒る・イライラする
何度も何度も同じことを間違えると「どうしてそうなるの?」「なんで出来ないの?」と、ついイライラしてしまうママの気持ちはよく分かります。しかし、子供にとってひらがなを読み書きすることは決して簡単なことではありません。
何度も何度も繰り返し行うことで、一つずつ身についてきます。頑張っているのに怒られると「ひらがなの練習=怒られる」と子供が認識してしまうので、怒る気持ちは抑え、笑顔で接することを心掛けましょう。
- 「どうしてできないの?」「なんでできないの?」と言わない
- 怒る気持ちを抑えて、温かく見守る
2.焦る・急かす
「お兄ちゃんはこの時期もうここまで出来てたよ?」「〇〇ちゃんはもう字が書けるらしいよ!」と他の子と比べて焦ったり、子供を急かせることも避けましょう。子供にはそれぞれ個人差があり、やる気が入るスイッチも集中力もそれぞれ異なります。
「もっと早くしなさい」と言われると子供はプレッシャーを感じてしまい、せっかくのやる気を潰すだけでなく自分に自信を失ってしまう可能性もあります。”この子はこの子のペースがある”とのんびりした気持ちで見守りましょう。
- 他人と比較しない
- 子供を急かせるような発言は避ける
- 子供の個性を理解し、子供のペースに合わせる
3.押し付けない、無理はさせない
「教えなくては!」という気持ちが強くなり、ついつい子供に無理やり勉強をさせることはおすすめしません。ひらがなは興味を持った時に取り組むことが大切です。また勉強してるのにすぐ飽きてしまい続かないといった場合には勉強の方法を変えてみるのもおすすめです。
例えば、隣でママが文字を書いている姿を見ると、子供も真似して文字を書きたくなります。兄弟がいる場合は兄弟と一緒に学校ごっこをして先生と生徒役になりきって授業をしてみるのもおすすめです。他にも絵本を使いながら、「このページで”あ”はどこにある?」とクイズを出すなど、子供の興味を引き付けるような方法を取り入れてみると良いでしょう。
- 興味がないときは無理に勉強をさせない
- ママが文字を書く姿を見せる
- 飽きないように色々な勉強方法を取り入れる
- 興味の持つような勉強の方法を心掛ける
年齢別のかかわり方
子供の成長には年齢によってできること、できないことが異なります。ひらがなを教えたい!と焦る気持ちから、子供の成長やタイミングに合わない学習法はおすすめではありません。子供に「ひらがなは難しいからできない」と嫌いにならないためにも、年齢に合わせた関わり方を理解しておきましょう。
2歳
2歳では二語文が話せるようになり、言葉の吸収が著しい時期です。ひらがなにこだわらず、まずは会話や読み聞かせを通して豊かな語彙力を養うことが大切です。
3歳(年小)
ひらがなに興味を持ちだす準備段階の時期です。絵本を指でなぞりながら読む、看板を読むなど子供が興味を持つように心がけましょう。鉛筆の正しい持ち方や運筆力を身に付けるために線遊びや迷路遊びを始めてみましょう。
4歳(年中)
ひらがなを書きたい・読みたいと興味が表れてくる時期です。ワークのような本格的な勉強ではなく遊び感覚で楽しく学べるようなおもちゃを使ってみるのもおすすめです。
5歳(年長)
運筆力が身についてきて、少しずつ文字が書けるようになる時期です。止め、ハネ、払いがきれいにできていなくても深く心配する必要はありません。まだ文字が鏡文字のように反対になる、濁点が分からないなど、曖昧なひらがなも多い時期です。興味を妨げないように、子供のタイミングに合わせて繰り返し行うことが大切です。
まとめ
ひらがなを教えるときに大切なことは「楽しい!」「できた!」という気持ちです。子供にとって出来なかったことが出来るようになることは嬉しさでいっぱいになり、やる気や自信へと繋がります。子供がひらがなを覚えることは決して容易なことではありません。
子供が何度間違えたとしても、親はイライラせず子供のペースに合わせた学習方法を心掛けましょう。子供がひらがなに興味を持つタイミングを逃さないためにも、普段から子供がひらがなに触れやすい環境を整え、楽しく取り組んでみてくださいね。