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赤ちゃんがテレビを見るのは悪いこと?知っておきたい影響とテレビとの上手な関わり方

      2018/07/31

私たちの生活のなかで当たり前の存在になっているテレビ。

たくさんの幼児番組がありますので、2歳までの赤ちゃんにテレビ番組を見せると教育的な効果があるのでは?と思いますよね。

あるいは、赤ちゃんに見せるのは良くないと言われつつ、じっとテレビを見てくれている時間が欲しくてつい見せてしまう、というママも多いのではないでしょうか。

ここでは、赤ちゃんのテレビは教育にいいの?テレビって本当に悪いものなの?といった疑問から、テレビが赤ちゃんに与える影響や、テレビとどうやってつきあっていけばいいのか外国の見解も含めてまとめます。


赤ちゃんにテレビを見せると良くないっていうのは本当?テレビが与える影響とは

赤ちゃんに教育的なテレビを見せることで発達が促されるのでは?と期待する人もいるかもしれませんが、残念ながら日本を含め、各国では赤ちゃんにテレビを見せることでのメリットよりも害が大きいとする見方が優勢です。

赤ちゃんがテレビを見ることについての影響として、以下の可能性が指摘されています。

赤ちゃんにテレビが与える良くない影響

  1. 身体的な影響(運動や周りを探索する行動が減る、肥満度が増すなど)
  2. 精神的な影響(集中力が低下する、欲求のコントロールに影響があるなど)
  3. 言葉の発達への影響(意味のある言葉が出る時期が遅れるなど)
  4. 睡眠への影響(睡眠の質の低下、睡眠が不規則になるなど)

しかし、テレビの長時間の視聴と発達への関連は明らかでないとする研究もあります。

テレビが赤ちゃんの発達に悪影響があるとする見方

日本小児科学会が出した「乳幼児のテレビ・ビデオ長時間視聴は危険です」という記事のなかで、以下のような研究結果を報告しています。

  • テレビの視聴時間が4時間以上の子どもは、4時間未満の子どもに比べて有意語(意味のある言葉)の出現に遅れがあった(1.3倍)。
  • 特に、子どもの近くでテレビが8時間以上ついている家庭の子どもの有意語に遅れの確率が高かった(2倍)。
  • テレビを親と一緒に見ているとき、テレビをきっかけにした親子のコミュニケーションが生まれるという効果があるものの、たとえ一緒に見ていても親の話しかけや親子が向き合って会話をする時間は減る
  • 長時間テレビを見ていても視聴時に指をさして質問するなどの親への働きかけは減少しないが、有意語の遅れは多かった。
  • 親の関わりが少ない子どもはそうでない子どもと比べて有意度の出現が有意に高かった(2.7倍)。また、言葉の理解、社会性、運動能力にも遅れる傾向がみられた。

具体的に「長時間とは何時間以上か」という定義を決めてはいませんが、「4時間以上見せると言葉の発達に影響がある」という点や、「子どもひとりでテレビを見せること」についての問題提起がポイントとして現れています。

参考:日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会「乳幼児のテレビ・ビデオ長時間視聴は危険です」

赤ちゃんに悪影響があるとは必ずしもいえないとする見方

出産後から3歳までの800人の子どもを対象としたボストン小児病院のメディアチャイルドヘルスセンターの2009年の研究について以下のように述べられています。

  • 平均して2歳までの赤ちゃんは1日あたり1.2時間テレビを見て過ごしていた。
  • 初めの分析では3歳までにテレビを見て過ごす赤ちゃんは、見ない赤ちゃんと比べて言葉と運動の発達の遅れが見られた。
  • お母さんの学歴と家庭の収入を条件に加えると、テレビと認知発達の関連は消えた。
  • 収入が高かったり高い教育を受けた母親の方が赤ちゃんに本を読んであげたり、普通の出来事や概念についても詳しく説明する傾向がある
  • 早い段階の赤ちゃんに親が話したりジェスチャーしたりすることで、学校に入る年齢の語彙力や語学力に重要な影響を与える。

テレビの視聴そのものが発達に影響するわけではなく、テレビの視聴時間は家庭環境の特徴を示すだけだという分析で、重要なことはテレビ以外の時間の関わり方であるという指摘です。

ただし、3歳で研究がストップしているので、もっと年齢を重ねてから発達への影響はあるかもしれない、と言及しています。

この研究の結論では、「教育のためにテレビを見せることは考え直したほうがよいけれども、親のシャワーや食事の支度の間の短時間であれば、(テレビの影響が出る)リスクはとても低い」と述べています。

アメリカのエモリー大学と国立衛生研究所の一部が出した2015年の研究では、2歳未満の幼児がテレビからサインを学ぶことができるとし、短時間テレビの前に赤ちゃんを置くことはそれほど悪いことではない、と述べています。

この研究では、15ヶ月の赤ちゃんにASL(American Sign Langage)のサインを本とDVDで3週間見せてどのくらい思い出せたかというものを見ています。結果は次のとおりです。

  • 親と一緒に15〜20分間DVDを見せた赤ちゃんは、本で見せた赤ちゃんと同じくらいサインを思い出すことが可能であった。
  • DVDをひとりで見た赤ちゃんも大部分をサインを思い出すことができていた。

これは限られた期間にサインを見せるという限定的な研究に基づく結果ではありますが、AAP(アメリカ小児学会)が出している、「2歳未満の子どもはスクリーンの中で起こっていることを理解できない」という指摘に一石を投じるものです。

この研究の研究者は、「15〜20分親がくつろいでいる間に、テレビを見ている子どもは確かに何かを学ぶことができます」と結んでいます。

参考:

TIME TV for Babies: Does It Help or Hurt?

Huffpost:Breaking News「TV Is Not as Bad for Babies as We Thought」

赤ちゃんにテレビを見せるときのポイント

テレビは見せないほうがいいと言われても、日本の忙しいママたちにとって、テレビをまったく見せないというのは現実的ではありませんよね。

ここでは、どのように赤ちゃんがテレビと付き合っていけば良いのか分析してみます。

どのくらいなら赤ちゃんにテレビを見せてもいい?

各国の研究では2歳未満で1日1〜2時間テレビを観ている赤ちゃんの影響を指摘しています。

日本の小児科学会では、4時間以上の視聴について言語発達の遅れなどを指摘しています。

一方、アメリカのエモリー大学の研究では、15〜20分程度のテレビの視聴が赤ちゃんに影響を与えるリスクは低いとしています。

このことから、以下のポイントを目安にしましょう。

テレビを赤ちゃんに見せる時間のポイント

  • テレビをつけっぱなしにせず、見せる時間を決める。
  • 20分程度を目安とし、1時間以内を目標とする。
  • 長くても1日4時間以上は見せないようにする

テレビやスクリーンを見せるときの関わり方は?

赤ちゃんにテレビを見せることによりレスポンスがないことで受動的になる傾向や、親との関わりが減ることでの言葉の発達の遅れが指摘されています。

そのため、以下のポイントを心がけてみましょう。

赤ちゃんにテレビやスクリーンを見せるときの関わり方のポイント

  • 可能な限り親が隣で一緒に観て会話する。
  • 親が家事をしているときなど親から離れて赤ちゃんがテレビを観るときも、できるだけ音を聞いて子どもの質問や指差しに声をかける。
  • 食事中など他のことに集中させる時間はテレビをつけない。
  • テレビを見終わったら消すこと、続けて繰り返し見たりしないことを子どもに身につけさせ、自分でコントロールできないうちは親がリモコンを管理するなど制限を設ける。
  • インターネット通話でおばあちゃんと会話するなど、他人のレスポンスのあるものを見せる。

テレビの時間以外の関わり方は?

ボストン小児病院の研究では、親の学歴や収入がテレビの視聴時間よりも認知発達への影響を与えるとしています。

学歴や収入と言われるとどうしようもないと思うママもいるかもしれませんが、これはテレビを見せていてもそれ以外の時間での関わり方でテレビの影響を最小限にできるという指摘です。そのため、具体的な学歴や収入を問題としているわけではありません。

また、赤ちゃんの身体発達への影響は、テレビを見ることが体を動かす時間を奪うことによる影響であるという指摘がほとんどです。

このことから、以下のポイントを心がけてみましょう。

テレビの時間以外の関わり方

  • できるだけ多くの言い換えや具体的な説明をしながら赤ちゃんと会話する。
  • 赤ちゃんと絵本を読む時間を持つ。
  • ジェスチャーや表情の変化を豊かに交えて話す。
  • 手先や体を動かす時間を定期的にもつ。
  • 赤ちゃんが興味をもつものを探索できるスペースを作る

スマートフォンやタブレットもTVと同じ影響を与えるの?

最近はテレビよりもスマートフォンやタブレットに夢中という赤ちゃんも増えてきています。

スマートフォンやタブレットもテレビと同じような影響があるのでしょうか。

スマートフォンやタブレットを使用して育った赤ちゃんや子どもの長期的な研究はまだ多くされていないので、影響は未知であるといえます。

スマートフォンやタブレットが赤ちゃんに与える影響:身体的、精神的な発達

スマートフォンやタブレットの長時間の使用が言語の発達や睡眠に影響を与えるという指摘や、Wi-Fiなどの電波の影響が大人よりも赤ちゃんに強くでるという指摘などが散見されます。

スマートフォンやタブレットは自分でタッチして画面が変わっていくのでテレビと比べて反応があるともいえますが、タッチスクリーンの使用が赤ちゃんの欲求のコントロールに影響するという見方もあります。

参考:

babycentre 「Is screen time good or bad for babies and children?」

The Telegraph  Tablets and smartphones damage toddlers' speech development 

スマートフォンやタブレットが赤ちゃんに与える影響:IT眼症とブルーライト

日本眼科医会は、「IT眼症」というコンピューターやテレビゲームなどのIT機器に関連する症状について言及しています。

IT眼症とは、「IT機器を長時間あるいは不適切に使用することによって生じる目の病気、およびその状態が誘引となって発症する全身症状」をいいます。

引用:日本眼科医会 こどものIT眼症「IT眼症ってなに?」

子どものIT眼症として、以下の影響を上げています。

子どものIT眼症の影響

  • 画面を一生懸命みることで瞬きの回数が減り、角膜の乾燥による障害がおきる。
  • 長時間の同じ姿勢で首の緊張や眼の筋肉の緊張が生まれ、体全体が緊張することにつながる。これが更に長時間に及ぶと、自律神経の失調を引き起こすおそれがある。
  • コミュニケーション不足により子どもの精神的、知的な発達に影響を及ぼす。

スマートフォンやタブレットはテレビよりも画面が近いことによるブルーライトの影響についても気になるところです。

ブルーライトはコンピュータやスマートフォンの画面などから出る青い光のことで、以下のような指摘があります。

  • 大人よりも子どものほうが目の水晶体という部分の透過性が高く強く光の影響を受けやすい
  • 大人よりも長期にわたってブルーライトにさらされるため黄斑(おうはん)という目の網膜の中心にある重要な部分が劣化する時期が早くなる可能性がある。

カナダの眼科協会は、ブルーライトを発する機器との安全な付き合い方として以下の内容を提案しています。

ブルーライトを発するスクリーンとの安全な付き合い方

  • 眠る2〜3時間前は明るいスクリーンの使用を避ける。
  • 1日の早朝に屋外で光を浴びる。
  • スクリーンを見る時間の制限を設ける。5〜18歳の子どもは1日2時間まで、2歳〜5歳の子どもは1日1時間までとし、2歳以下は完全に避ける。

参考:Canadian Association of Optometrists「Bluer Light-Is there risk of harm?」

テレビやスクリーンの時間を減らすための工夫

テレビと赤ちゃんの発達への影響についてはまだ議論がありますが、見せないに越したことはない、と考えるママやパパは多いですよね。

日常生活でテレビを見ることが当たり前になっていてついつい赤ちゃんにも見せてしまうというご家庭では、次のポイントを考えてみましょう。

親のテレビ習慣を見直す

赤ちゃんが長時間テレビを見る習慣をつけないためには親のテレビの習慣を見直すことも大切です。

ママやパパのテレビの時間を減らす工夫

  • 朝起きたらテレビ、外から帰ってきたらテレビ、など「とりあえずテレビを付ける」という習慣がある場合は、必要な番組を書き出してみる。
  • ニュースなどの情報はラジオやインターネットから得るようにし、見たい番組は録画するなど、子どものいる時間にテレビを付ける機会を減らす。
  • 食事中にテレビを付ける習慣がある家庭では1週間に数回テレビを消す日を設けてみる。

テレビ以外に興味を持つものを赤ちゃんに提供する

テレビを見ている間は落ち着いて家事ができるという理由などから、必要に迫られて赤ちゃんにテレビを見せているご家庭もあると思います。

でも例えば火やアイロンを使っている間だけ、というようにテレビの時間を減らすことはできるかもしれません。

我が家の場合は、小さな楽器や音楽がなる絵本、カップを積み重ねるおもちゃなどを持ち運んで赤ちゃんとおしゃべりしながら家事をしています。

家のなかにいるとテレビをつけてほしいとせがむ赤ちゃんの場合は、外へ連れ出してしっかり疲れて帰ってくることを期待するのも一案です。

赤ちゃんのテレビの時間を減らす工夫

  • 外遊びや子育て支援センターなど家の外に出る時間を定期的に持つ。
  • おもちゃを持ち込んで一緒の空間で家事をする。
  • 音楽をかける。

テレビ=悪ではなく気楽に捉えることも大切

テレビがなくても一人遊びをしてくれるかどうかはお子さんの個性や成長の時期にもよるので、いろんな工夫をしてもなかなか落ち着いてくれない赤ちゃんもいますよね。

我が家にはテレビがないのですが、家事をしているときに子どもが泣いていても声をかけたりするだけで、タブレットなどの画面を見せたり家事を中断して相手をしたりはあまりしません。

でも、日によって子どもの機嫌がとても悪く、一日中かまってかまって、と大泣きになるときは気持ちが休まらずストレスに感じてしまうこともあります。

絵本も何度も読んだし、ダイナミックな遊びは疲れたし…。そんなときは動画サイトを使って子どもと一緒に気分転換をするようにしています。

また、うちの夫は時折スマートフォンやタブレットを使って子どもをあやすことがあります。

毎日長時間というわけではないし、子どもと関わろうとしてくれているのでそれはそれでいいか、と気楽に考えています。

まとめ

赤ちゃんにテレビを見せることでの精神的、身体的な影響など多く指摘されていますが、まだまだ議論が続いているテレビの問題。

2歳まで一切テレビやタブレットを見せないという生活をしている家庭は理想的ですが、それがストレスになって親子のコミュニケーションが減ってしまっては本末転倒ですよね。1日1時間までなどテレビのルールを決め、上手にテレビと付き合っていけると良いですね。

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