一歳半の困った食事方法!しつけは必要?正しいしつけ方とは?
2017/03/07
一歳半になると自分で食事ができるようになり、フォークやスプーンを使って上手に食べている子も多いでしょう。でも、ご飯をぐちゃぐちゃしたり食器を机に叩きつけたりと、マナーに困ることもありますよね。
相手はまだ成長途の子どもなので、「ダメ」と言ってもなかなか伝わらないですよね。どうやって接してあげたらいいのか不安に思っている方もいるでしょう。
そもそも、食事のマナーについて「まだ一歳半だけどしつけって必要なのかしら?」という疑問を持っている方も多いのではないでしょうか?ここでは、一歳半の赤ちゃんの食事のしつけについてまとめます。
このページの目次
一歳半の困ったお食事方法!何でそんなことするの?
大人の世界では、食べ物をこぼさず・食器の音も立てず・きれいに食べるのが普通です。でも離乳食をやっと終えたばかりの一歳半の子どもには、まだまだ「大人の普通」は通用しませんよね。そう理解していても、ぐちゃぐちゃの食事についついため息をつきたくなります。
そもそも、何で大人がついついダメと言いたくなることを、子どもたちはしたくなってしまうのでしょうか?
一歳半という月齢はどんな時期?
1歳6カ月という月齢はあんよが上手になり行動範囲が広がったり、手先が器用になりいろいろな物を触れるようになるなど身体面でも大きな成長をとげる時期です。
行動範囲が広がれば、「あれもしたい・これもしたい」という好奇心がどんどん増えていきます。食事だけに集中できないのも、この好奇心があるからです。
また、精神面においてはママに甘えていたいという気持ちがある一方で、「こうしたい!」という自分の意思がしっかりと出てくる時期でもあります。ママにされるがままだった赤ちゃんとは違い、少しずつ自律性を身につけています。
好き・嫌いの意思表示をするようになったり、自分の使いたい道具を使ってご飯を食べるのも、この自律性が高まるからなんですね。
食事中の困ったあるある、何でそんなことするの?
食事中によく見かける子どもの困った行動と、その理由をそれぞれまとめます。どれもちゃんと理由があるんですね。
1. 遊び食べをする
「遊び食べ」とは、食べ物を手でぐちゃぐちゃにいじったり、食器から食器へと食べ物を移して混ぜたりすることです。机や床の上もひどい状態になり、ママはついついイライラしてしまいますよね。遊び食べの理由は3つあります。
- 食べ物の形・感触・硬さを自分でさわって確かめて、どんな食べ物なのか学んでいる
- テレビやおもちゃなど、他に気をとられることがある
- あまりお腹が空いていない
1のように子どもの好奇心で遊び食べをしている場合はそっと見守ることも必要ですが、2や3が原因の場合は集中して食事ができる環境が必要です。
2. 好き嫌いがひどい
うちの子は好きなものしか食べない!なんていう子も多いでしょう。でも、詳しく見てみるとこんな理由があります。
- 食べ物への警戒心が出てくるため、「食べたことのあるもの」を好む
- 味覚や舌の触覚が発達するため、食べ物の味付けや食感に好みが出てくる
- 過去に体調を崩した食品などを本能で回避する
この時期に全ての好き嫌いが決まるわけではありません。子ども自身がいろいろと新しい食べ物を試している途中なんですね。
参考資料先:日本歯科医学会「歯科医療関係者向け 子どもの食の問題に関するよくある質問と回答」より
3. 歩き食べをする
座って落ち着いて食事をすることができないのが「歩き食べ」です。歩き食べをしてしまう理由は下の2つです。
- 「好奇心が旺盛」という個人の性格
- おもちゃ・絵本・テレビなど、他に気になるものがある
「好奇心が強い」という個性があることはいいことです。もし、食事に集中できない環境があるのであれば、それらを排除してあげる必要があります。
一歳半の食事にしつけは必要?しつけの基本を知ろう!
一歳半の子どもの困ったお食事作法にも理由があることがわかりました。でも、「まだ言葉がわからないから」と、どれも全部目をつぶって子どもの好きにさせておいていいのでしょうか?
いつからしつけは必要?
しつけは漢字で「躾」とかき、身を美しく保つという意味が語源となっています。礼儀作法や社会的に守らなければいけないルールを、親から子どもへ伝えていくこと全てがしつけです。決して「これをやってはダメ!」と怒ることがしつけではなく、良いことをして褒めてあげるのもしつけの一つです。
しつけには「いつからしなければならない」「まだしてはいけない」という決まりはありません。一歳半の子でもしつけをしてもいいのです。重要なのは正しい方法で行うことです。良い方法でしつけをすることで、まだ言葉がわからない赤ちゃんにも伝わります。
まずは、しつけの基本を見ていきましょう。
正しいしつけの5カ条
子どもにとって良いしつけとは何でしょうか。いくつかポイントがあるので、これらを意識しながら取り組むといいでしょう。
1. 常に一貫性があること
昨日今日で良いこと悪いことの線引きがかわったり、パパ・ママの家族間でも意見が割れたりすると子どもは混乱してしまいます。「昨日はダメと言われたけど、今日はいい」「パパはいいと言ったけど、ママはいけないと言った」というようなことがないように、常に一貫性があることが重要です。
子どもに関わる家族全員で、その子にとっての良し悪しのルールを決めておきましょう。食事に関しては、以下のようなことをルール決めしておくといいですよ。
- 食べ残しはしていいか
- 好き嫌いはしていいか
- 何かをしながら食事をしてもいいか(テレビを見ながら~、おもちゃで遊びながら~)
- 歩き食べをしてもいいか
- 遊び食べをしてもいいか
2. 決めたルールは親も守ること
子どもにやってはいけないとルール決めしたことは、もちろん保護者側もしないことです。些細なことでも子どもは見ています。たとえば、子どもはテレビを見ながら食事をしてはいけないルールにしたけれど、仕事が終わって帰ってきたパパはテレビを見ながら食事をしている、という状況はどうでしょうか。
パパもお疲れだからテレビをゆっくり見ながら食事をしたいかもしれませんが、これを子どもが見たらどう思うでしょうか。保護者側も子ども自身も一緒になって、決めたルールは守っていきたいですね。
3. 叱るときは感情的にならないこと
ぐちゃぐちゃの食事を見るとついつい感情的になって「ダメ!」と言ってしまいますが、大げさに叱ったからといって子どもに伝わるわけではありません。大切なのは下記の3つです。
- 冷静なトーンで伝える
- 叱る場合はその理由もつけくわえる
- ジェスチャーをつける
4. 「褒める」と「叱る」を上手に使いわけること
良いことをしたらたくさん褒めてあげ、逆に悪いことをしたら叱る、というメリハリのあるしつけをしましょう。
子どもの脳は高機能です。一環した方法では慣れ(耐性)が生じて、効果がなくなってきます。叱ったら、褒める事に重点を置き、褒めすぎたら叱ることに重点を置き、その最適な比率は児それぞれ違います。
5. あきらめずに繰り返し行うこと
しつけのルールを定着させるのに大切なことは、毎日あきらめずに繰り返し行うことです。途中で「子どもがわかってくれないからいいや」と投げ出さずに、根気よく子どもに伝えてあげましょう。
正しいしつけ方とは?ケースごとに紹介
先にも書いたように一歳半ごろの子どもは、身体の発達とともに自我がめばえる時期でもあります。まずは褒めることで自信を持たせていくことが大切ですが、パパ・ママの判断で叱ったほうがいいということがあれば下記の方法でしつけをしていきましょう。
正しい基本のしつけ
子どもに対してネガティブな印象を与えない方法から試していきます。ただ感情的に「ダメだよ」というのは正しいしつけではありません。
参考資料先:生馬医院 赤ちゃんTOP 「躾」より
正しい基本のしつけ4ステップ
下記の手順で行います。
- 身振り手振りを加え、褒めながら食事を楽しむ
- 何故子どもがその行動をしているのか観察する
- やってはいけない理由をジェスチャーもふまえて伝える
- 「ごちそうさま」と言って食事を切り上げる
遊び食べ・歩き食べをする子の場合
遊び食べ・歩き食べをする子の場合を、上に書いた基本の5ステップでみていきましょう。
1. 身振り手振りを加え褒めながら食事を楽しむ
まずは、遊び食べ・歩き食べをする前にポジティブな声がけをしながら食事をすすめていきましょう。「もぐもぐ上手だね」「上手に座って食べられてえらいね」など些細なこと何でもいいです。ママに笑顔で褒めてもらえると、子どもにも「嬉しい」が伝わり食事は楽しいことなんだという意識が根付いていきます。
このときに、拍手をしてあげるなど子どもにもわかりやすいポジティブな動きを付け加えてあげると、より効果的です。
2. 何故子どもがその行動をしているのか観察する
子どもが何故その行動をとっているのか子どもをよく観察し、そのままにさせてあげたほうがいいのかどうかを見極めます。やみくもに「ダメ」というのではなく、まずはその行動をどうして行っているんだろう?と観察してみましょう。
たとえば、遊び食べをしているときに「遊んでいるけどちゃんと食べているようだ」ということがわかれば、そのまま見守ってあげます。歩き食べをする場合は、お気に入りのおもちゃが見えるところにあったのかもしれません。
3. 理由をジェスチャーなどをしながら伝える
観察をしてその行動はやめさせたほうがいいという判断になった場合は、感情を込めず冷静に「やってはいけない理由」を伝えます。言葉で伝えるとともに×マークなどのジェスチャーをつけると、より子どもに伝わりやすくなります。
たとえば、遊び食べをし続けるようなら「お腹いっぱいなんだね。でも、ご飯がかわいそうだからぐちゃぐちゃやめようね」と伝えます。歩き食べであれば「歩きながらご飯を食べると、ご飯がこぼれちゃうからやめようね」としっかりと理由を伝えてあげましょう。
4. 「もうごちそうさまだね」と食事をきりあげる
1~3を試してみて、何をどうやっても困った行動をやめない場合は「ごちそうさま」と言って、食事をさげます。食事にかける時間の目安は、一歳半の幼児さんの場合約15分です。ご飯を食べている様子がなければ、15分を目安にして食事をきりあげましょう。
好き嫌いをする子の場合
好き嫌いをする子の場合を、上に書いた基本の5ステップでみていきましょう。
1. 身振り手振りを加え褒めながら食事を楽しむ
「お野菜食べられて上手だね」「美味しいね」などの声掛けをしてあげながら、食事を楽しみます。嫌いな食べ物を食べられたときは思い切り褒めてあげましょう。また、ゲーム要素を加えながら食べさせてみてもいいです。
- 「飛行機ぶーん」と言いながらお口に食べ物をいれる
- ママも一緒にその食べ物を食べて「美味しい」と会話する
2. 何故子どもがその行動をしているのか観察する
何故、その食材を子どもが嫌うのかよく観察してみましょう。たとえば、いも類なら食感が気になったのかもしれませんし、お肉やお魚ならパサパサしていたのかもしれません。食感・かたさ・味など、観察してわかったことは次の食事に取り入れて工夫をしてあげます。
3. 理由をジェスチャーなどをしながら伝える
どうしても嫌いなものを口にいれてくれない場合は、「これを食べると元気になれるからママと一緒に食べてみない?」とジェスチャーをつけながら伝えてみます。実際にママがその食材を食べてみてもいいでしょう。
無理に嫌いな食材を食べさせても、それがかえって嫌な思い出になってしまうので無理強いはやめましょう。
4. 「もうごちそうさまだね」と食事をきりあげる
遊び食べ・歩き食べのときと同様に、最後は「ごちそうさま」と言って、食事をさげます。ご飯を食べている様子がなければ、15分を目安にして食事をきりあげましょう。
しつけの前にできる食事の工夫
ここまではしつけの方法をまとめてきましたが、お子さんにしつけをする前にこちらが工夫をすることで解決できることはないか確認してみてください。工夫をすることで子どもが上手にご飯を食べてくれたら、ママもハッピーですよね。
簡単にできそうな工夫は何?
実は、少し環境を整えてあげたり食事に簡単な工夫をすることで、これまで困っていた行動が解決することもあります。次の中から出来そうなことがあれば、さっそく取り入れましょう。
遊び食べをする子の場合
遊び食べは学習の第一歩ですが、あきらかに食べていない場合はしつけが必要です。でも、その前に集中して食事ができる環境を作ることが大切です。
- おもちゃは食事の場所から見えないところにしまう
- テレビはつけない
- 食事の前のむやみにおやつをあげない(空腹が最大のスパイス!)
好き嫌いをする子の場合
好き嫌いをするのは五感が発達している1歳半くらいの子どもにはあって当然のことです。大切なのは、無理やり嫌いなものを食べさせることではなく、好き嫌いを克服するいろいろな方法を提示してあげることではないでしょうか。
- 食べやすい大きさ・かたさに調理する
- 見た目をいろどり良く盛り付ける
- 嫌いな食材に触れさせる機会をつくる(お料理をしているところを見せたり、買い物をして食品そのものにふれさせてみる)
- 食事の前のむやみにおやつをあげない(空腹が最大のスパイス!)
歩き食べをする子の場合
歩けるようになり好奇心旺盛な時期ですから、歩き食べはよく起こることです。歩き食べの場合も、食事に集中できる環境を整えてあげましょう。
- おもちゃは食事の場所から見えないところにしまう
- 食事の前のむやみにおやつをあげない(空腹が最大のスパイス!)
- 子どもが簡単に抜け出せない椅子を選ぶ(ハイチェアやベルト付きのローチェアなど)
まとめ
一歳半でも食事のしつけは必要です。ただし、むやみに叱ることだけがしつけではありません。理由を説明しながら叱り、良い行いをしたときは思い切り褒めてあげましょう。大切なのは、正しい方法を守ってしつけをすることです。
しつけには根気がいりますが、大切なのは繰り返し伝え続けることです。一人だけで抱え込まずに、周囲の家族と協力しながら行いましょう。正しいしつけで楽しい食事がとれるとみんながハッピーですね。