1歳までの赤ちゃんが微熱を出したときの過ごし方
2017/02/18
赤ちゃんと触れ合っていると「あれ?いつもより体温が高い気がする…」と思う時があります。熱を測ってみると37℃を超えてる!でも本人は機嫌よくオモチャ遊んでる…なんてこともよくある場面ですね。
こんな時の外出やお風呂、病院を受診する目安など、どうしたらいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。こちらでは、1歳までの赤ちゃんが微熱を出した時の過ごし方を解説しました。
赤ちゃんの微熱で対処に迷った時は、ぜひ参考にしてください。
このページの目次
微熱なら外出してもいい?
赤ちゃんの微熱とは
そもそも、赤ちゃんの微熱とは何℃くらいのことを指すのでしょうか?大人であれば、体温が37℃を超えると発熱したということになりますが、赤ちゃんは違います。
赤ちゃんの場合、発熱と見なされるのは37.5℃以上。体温が38℃以上になると高熱と判断されます。体温が37.5℃以上あると予防接種が受けられないのは「熱を出した」と見なされるからなんですね。
その為、体温が37.5℃以上38℃未満であれば微熱と言えると考えられています。ただし、赤ちゃんによって個人差もある為、普段から赤ちゃんの平熱を知っておくことが大切です。
毎日決まった時間に体温を測定し、赤ちゃんの平熱を認識しておきましょう。
外出するかどうかを決める2つのポイント
赤ちゃんは体温調節の機能が未熟。長めの抱っこなど、ちょっとしたことで簡単に体温が上昇します。大切なのは、その熱が赤ちゃんにとって悪いものなのかどうかを判断することです。
赤ちゃんにとって悪い熱と判断される場合は外出を控えましょう。判断の基準を以下にまとめました。
1.赤ちゃんの様子
微熱がある時は、まず赤ちゃんの様子をよく観察しましょう。生後3ヶ月以降の赤ちゃんであれば、いつも通り飲み(食べ)・遊び・眠るかどうかを確認しましょう。
赤ちゃんの体はとても正直で、大人と違ってムリをするということができません。「飲み(食べ)・遊び・眠る」どれか一つでも普段通りでない場合は、外出を控えた方が良いでしょう。
2.一日の体温の変化
生後3ヶ月未満の赤ちゃんの場合や、外出の予定が明日以降の場合は、今日1日赤ちゃんの様子を見てください。注目するところは体温の変化です。朝・昼・夕方に体温を測り、どれ位変化があるかをチェックしましょう。
1日の中で体温が一番低い時(朝)と高い時(夕方)の差が1℃以上あれば微熱を疑いますが、1℃以内で全身がよければまず病的な状態ではなさそうです。
引用元:秋山こどもクリニック「こどもの微熱」より
外出しないといけない時は
赤ちゃんが少しでも普段と違う様子であれば、外出は避けた方が良いでしょう。でも、毎日忙しく生活をしているママやパパ。どうしても外せない用事もありますよね。
そんな時は、可能であれば家族など信頼のおける人に預けられると安心です。保育園に通っている赤ちゃんは、病児保育を利用できます。事前登録が必要な為、あらかじめ下調べしておくと良いでしょう。
他にも、各地域にはファミリーサポートと呼ばれる会員制の支援のシステムがあります。こちらも事前登録が必要で登録に時間がかかるので、地域のファミリーサポートセンターに問い合わせてみましょう。
また、どうしても外出する場合は、できる限り短時間で用事を済ませるようにしましょう。赤ちゃんの体が寒すぎたり暑過ぎたりしないよう、衣服には気を付けてくださいね。
それから、人が多く集まる場所には赤ちゃんにとって危険なことが2つあります。一つは新しい病気をもらう危険、もう一つは多くの人に病気をうつす危険です。
人が多く集まるような場所へのお出かけは、控えるようにしましょう。
こんな場合は外出をやめましょう!
- 赤ちゃんが震えて寒気を感じている
- 母乳・ミルク・白湯などを飲まない
- 水分を飲まない上に離乳食を食べない
- あやしても笑わない、遊ばない
- 寝たり起きたりを繰り返して熟睡しない
微熱でもお風呂は入っちゃだめ?

画像出典元:http://www.photo-ac.com/
入浴にはメリットがあります!
赤ちゃんの体温が38℃以下で元気がある時は、お風呂にいれてあげたほうがいいこともあります。赤ちゃんは新陳代謝がとても活発なので、入浴することで肌を清潔に保つことができます。
また、体を温めることで免疫力が上がり、ウイルスの力が弱まるといった報告もあるそうです。
お風呂に入れるかどうかを見極めるポイント
熱の上がり始めは控えましょう
熱が上がり始めている時にお風呂に入れると、急な体温の上昇でけいれんを起こす可能性もあります。赤ちゃんが寒がって震えている場合は熱が上がり始めている証拠です。
他にも、微熱なのに手足が冷たい、ずっとグッタリもしくはぐずっている、ということが目安になります。そのようなときは、お風呂はやめておきましょう。
元気はありますか?
機嫌よく遊び、グッタリしていないようであれば、軽く汗を流す程度のお風呂に入れてあげましょう。一人遊びをしない月齢の赤ちゃんでも、あやして笑うかどうかが一つの目安になりますよ。
微熱の時のお風呂の入り方
- 肌寒い時期は脱衣場や浴室を暖めておく
- いつもよりぬるめのお湯につかる(湯温の目安は38~40度)
- 夏場はシャワーだけでもOK
- 長湯はしない
- お風呂から上がったらすぐにタオルで水気を拭き取り保湿する
- お風呂から上がったら、ミルク、母乳、白湯など、赤ちゃんに合った水分補給をする
病院受診する目安は?
微熱が3日以上続いている
普通の風邪なら2~3日で熱は下がりますが、3日以上微熱が続く場合は、別の病気の可能性もあります。そんな時は診療時間内で大丈夫なので、病院を受診するようにしてください。
脱水症状が出ている
大人の体の約60%は水分でできていますそれが新生児ですと体の約80%、乳児の場合は約70%が水分です。この水分が不足すると「脱水症状」と言われる危険な症状になります。
大人に関しては脱水症状がおこると「ひどくなると点滴や入院も考えられる」などと話しますが、赤ちゃんに関しては違います。体力の少ない赤ちゃんの脱水症状は、命にもダイレクトに関わってしまうので「ひどくなると命に危険がある」と言っても過言ではありません。
引用元:e-育児「水不足の危険信号!」より
その為、次の症状に当てはまるものがある場合は、診療時間外でもすぐに病院に連れて行ってください。
脱水症状の特徴
- おしっこが半日出ていない
- 泣いても涙が出ない
- 目がくぼむ
- 唇が乾燥し肌にハリがなくなる
生後3ヶ月以降の赤ちゃんはここをチェック
病院を受診する目安として、いつもお世話をしているママやパパが「いつもと違う」と感じる勘は侮れません。そんな時は「よく飲み(食べ)・よく遊び・よく眠るかどうか」をチェックして下さい。詳しく解説します。
1.飲まない・食べない
赤ちゃんが母乳やミルク、白湯などを飲まない時は、脱水症状が起こるかもしれません。離乳食を食べない時に心配しないといけないことも、栄養不足というより脱水症状です。
完全に脱水症状が出てから病院に行くのでは手遅れになることもあります。
2.遊ばない
赤ちゃんの機嫌が一日中悪く、あやしても遊ばない、もしくは笑わないという状態も危険信号です。そんな時は、だいたいグッタリしているように見えることが多いです。
赤ちゃんに遊べるほどの体力も残っていない状態だということなんです。
3.眠らない
赤ちゃんの調子が悪い時、眠ってもすぐ起きてぐずり、また眠る、というのを繰り返すことがあります実はこれも、赤ちゃんがきついと言っているサインです。
ママやパパからすると、ちょっとお世話が大変で困ってしまうかもしれません。そんな時は「眠らない=病院に行く目安」ということを思い出してください。
生後3ヶ月未満の赤ちゃんはこまめな検温を
生まれて間もない生後3ヶ月未満の赤ちゃんの発熱も気を付けなければいけません。生後3ヶ月未満の赤ちゃんが病院を受診する目安は、38℃以上の高熱を出した場合です。
この場合、深刻な病気の場合があるので診療時間外でも受診する必要があります。その為、赤ちゃんに微熱があり体が熱いのに気が付いたら、熱の上がり具合を注意して見守ってください。
だいたい1時間~数時間置きに体温を測ることをおすすめします。
休日夜間の受診相談は「小児救急医療電話相談(♯8000)」
休日夜間に病院の受診で悩んだ時は、小児救急医療電話相談を利用すると看護師や医師に相談ができます。固定電話・携帯電話のどちらでも「♯8000」をプッシュすると、各地域で指定された病院に繋がるようになっています。
自分では判断できない…と思われた場合には、手遅れになる前にぜひこちらを利用してください。
微熱が続く場合の対処法
病院にも行ったけれど微熱がなかなか下がらない時は、なるべく自宅でゆっくり過ごしましょう。また、病院を受診し薬も飲んでいるのに熱が下がらないまま3日経ってしまった、ということもあります。
その場合は、もう一度病院を受診し、赤ちゃんの状態をお医者さんに相談しましょう。
お家で過ごす時に気を付けたいこと
まず、赤ちゃんが快適に過ごせるように室温と湿度を保つようにしましょう。赤ちゃんが過ごしやすい室温は、夏場は26~28度程度、冬場は20~23度程度と言われます。
赤ちゃんが過ごしやすい湿度は40~60%前後。梅雨時であればエアコンの除湿機能をうまく使いましょう。冬の乾燥する時期は加湿器を使ったり洗濯物を室内干しにしたりするといいですね。
次に、水分補給はこまめに行いましょう。怖い脱水症状の予防になります。最後に、汗をかいていないかを定期的にチェックし、かいていれば着替えをさせてあげましょう。
汗をそのままにしていると、赤ちゃんの体は急速に冷えてしまい、症状が重くなってしまいます。
微熱+鼻水の対処法・微熱+下痢の対処法
微熱と鼻水…こんな病気の可能性も
①急性中耳炎
鼓膜よりも耳の奥にある中耳と呼ばれるが炎症を起こした状態です。生後6ヶ月未満の赤ちゃんよりも、生後6ヶ月以降の赤ちゃんの方がかかる可能性は高くなります。
急性中耳炎の見分け方
赤ちゃんの急性中耳炎は、初期に発熱するところが多いです。急性中耳炎を疑うポイントとしては、
1 なかなか熱が下がらない
2 機嫌が悪い、泣き止まない
3 耳元に耳だれが付着している。
4 しきりに耳を触る
5 粘っこい鼻水(青っぱな)が長期間出ている
などがあります。熱があるからといって必ず急性中耳炎があるわけではありませんし、急性中耳炎でも熱がない場合も少なくありません。1~5のうち一つでも当てはまるときは耳鼻科専門医にきちんと耳をみてもらいましょう。
上記にある「耳だれ」とは耳から液体が出てくることで、色が黄色っぽかったり悪臭がすることもあります。
②副鼻腔炎
鼻の奥にある副鼻腔と呼ばれる空洞に炎症が起こった状態です。別名は、蓄膿症といい、こちらも生後6ヶ月以降の赤ちゃんが発症すると言われています。
小さな子供は、自分でうまく症状を伝えられないことがあるので、親が気づいてあげることが悪化を防ぐもっとも重要な要素です。風邪が長引いていたり、粘りのある鼻水、痰などの症状があれば、早めに病院を受診しましょう。
微熱+下痢になってしまった時
以下の症状は病院へ!
- うんちの色が赤い もしくは白い
- 水のような下痢をする
- おしっこが出ておらずグッタリとしている
- おう吐があり便に血液が混ざっている
- 下痢が何日も続く
下痢の時のホームケア
水分補給は一回に大量を与えるよりも、少量をこまめに与える方が体の負担になりにくいです。母乳であれば、前の授乳から1時間しか経っていなくても赤ちゃんが欲しがるだけ与えてください。
それから、離乳食が始まっている場合、内容や硬さを一段階前に戻しましょう。また、下痢でおしりが汚れるとかぶれの原因になるので、オムツはこまめに替えてあげましょう。
下痢がひどい時は、脱水が心配なのでお風呂は入れない方がよいです。オムツかぶれの予防には、おしりを洗面器で洗う、霧吹きにぬるま湯を入れて汚れを落とすのも効果的ですよ。
まとめ
体温の調節機能が未熟な赤ちゃんは、ちょっとしたことで熱が上がってしまいます。基本的に、機嫌よく遊び、食欲があって、よく眠っていれば、深刻な病気の可能性は低いんです。
外出やお風呂は、赤ちゃんの様子をよく観察して判断してくださいね。