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1型糖尿病になってインスリンポンプを使うってどんな感じ?

      2016/11/24

「1型糖尿病を知っていますか?」と質問すると、正確な答えが返ってくることは少ないのではないでしょうか。それは、年間10万人に1.5人~2人という発症率の低さから来るのかもしれません。

そんな病気ですから、突然病院で「1型糖尿病ですよ。インスリン治療を始めましょう」と突然言われて頭が真っ白になった人も多いと思います。

気持ちが落ち着いてから考えるのは「どんな治療法があるの?」ということではないでしょうか。ここでは、ペン型とインスリンポンプという選択肢とともに、インスリンポンプのことを話したいと思います。

インスリン治療って言われたけど、どうするの?

pomp_01「画像出典元:http://www.medtronic-dm.jp/csii/what-is-csii/」

現在、治療法として行われているのがインスリン療法です。インスリン療法は、ペン型の注射器によって行う方法と、インスリンポンプという携帯電話くらいの大きさの機器を使用する方法があります。

ペン型の注射器

ペン型注射器には、細くて短い針を取り付けて、垂直に肌に刺します。細いので他の注射針と比べると痛みは小さいかもしれませんが、痛点に当たると痛いです。

痛みは小さくても、1日に何度も打つ必要があるので、嫌だなと感じる人もいます。生活パターンや活動に応じて、インスリン製剤の種類を変えることで、血糖値をコントロールします。

持続性のインスリンは、1日に1回~2回(種類によって変わります)注射することで、基礎となる部分を、超速攻インスリンは、食事内容に応じて量を変え、食前もしくは食後に注射することで、食事による血糖値の上昇を抑えます。

インスリンポンプ

インスリンポンプは、1日に何度も注射をする必要はなく、ボタン操作でインスリンを身体に入れることができます。24時間インスリンを流し続けることにより、基礎インスリンを補いますので超速攻インスリンのみ使用します。

ですが、3日に1度程度、身体に入れたカニューレと呼ばれる細いチューブを交換しなければなりません。その交換の際は、ペン型注射の針よりも太い、金属製の針を使用します。皮下脂肪が少ないところに刺してしまった場合は、強い痛みを感じることがあります。

インスリンポンプは、パラダイムインスリンポンプ722とミニメド620Gがあります。

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パラダイムインスリンポンプ722

 

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「画像出典元:http://wwwp.medtronic.com/country/japan/hcp/public/diabetes/productinfo/」

パラダイムインスリンポンプ722とミニメド620Gの違い

  • 722は英語表記、620Gは日本語表記
  • 620Gはカラーディスプレイ
  • 722は単4電池、620Gは単3電池
《620Gの特徴》
  • より細かい量が設定できる。
  • 画面に血糖値と血糖値のグラフが表示される。
  • 血糖値の上限と下限を設定することにより、高血糖・低血糖をアラームで知らせてくれる。
  • 急激に上昇したり下降した場合は、アラームで知らせてくれる。

注射とインスリンポンプの違いは何でしょうか?

注射 ポンプ
インスリンの注入方法 ペン型の注射器 ポンプのボタン操作
インスリン製剤の種類 持続型・混合型・超速攻型を必要に応じて使用 超速攻型
穿刺方法 皮下注射 金属製の針で皮下にカニューレを留意(※1)
注射回数

1日に1回から5回(個人差あり)

3日に1回程度のカニューレ交換が必要

(※1 金属製の針を使用して、カニューレという柔らかく細いチューブを身体に刺します。金属針はすぐに抜き、チューブのみ身体に残ります。)

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「画像出典元:http://www.medtronic-dm.jp/csii/what-is-csii/」

インスリンポンプは、どんな風に使うの?

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「画像出典元:http://www.medtronic-dm.jp/csii/what-is-csii/」

2種類以上のインスリンを1日に何度も注射するペン型と違い、インスリンポンプは超速攻インスリンを24時間身体に流します。食事内容に対して追加を打つだけでなく、1日の中で血糖値の変動がある部分に関しては、その部分のみ増やすこともできます。

例えば

「私は通常1時間に0.6単位でいいんだけど、夜中の1時~3時と午前中は血糖値が上昇するんだよね。」といった場合は、その時間だけインスリンを多くする設定ができます。設定すると、基礎インスリンについては都度ボタン操作しなくても注入されます。

この基礎インスリンの設定は、

  • 仕事や学校の日
  • 休日
  • 運動する日

など、日常のパターンに合わせて設定しておくと、日によって基礎を簡単に変更して使用することができます。また、自分で機器操作ができない小さな子供が幼稚園や保育園に通うときお母さんが毎日園に行かなくても、食事やおやつ時の注入量をあらかじめ設定しておくことにより、自動的にインスリンを入れることができます。

基礎インスリンの設定例

下の表は、夜中と午前中は何故か血糖値が高くなるという人の、基礎設定例です。設定インスリン量=1時間に入る量です。また、例の中に「12:00~12:30 4単位」という設定があります。

これは、設定インスリン量=1時間に入る量というルールを利用し、お昼ごはん分をあらかじめ設定しておく場合の方法です。12:00~4単位分のお昼ご飯を食べるとわかっている場合は、表のような設定をすると、12:00~12:30 に2単位だけ入り、12:30からはまた通常の0.5の設定に戻ります。

これを利用すれば、自分で操作できない小さな子供のために、給食分を設定できます。

設定時間 設定インスリン量(1時間に入る量)
0:00~1:00 0.5
1:00~3:00 0.8
3:00~9:00 0.5
9:00~12:00 0.9
12:00~12:30 4
12:30~ 0.5

インスリンポンプの針って、どこに刺すの?

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「画像出典元:http://www.dm-net.co.jp/pumpfile/qa/090/」

カニューレを刺す場所はどこが良いのでしょうか。お尻・お腹・太もも・腰・背中など、皮下脂肪があるところであれば可能です。刺しやすく柔らかい場所を探しましょう。金属製の針を使用しますので、痛点にあたった場合、痛みを感じることがあります。

皮下脂肪が少ない場所に刺した場合でも痛いことがあります。でも、痛みの少ない場所を見つけたからと、同じ場所ばかりに付けると、しこりが出来る原因になったり、インスリンの効きが悪くなることがあります。ですので、できるだけ何カ所か順番に付けるようにしましょう。

インスリンポンプを使う場合、メリットとデメリットって?

「画像出典元:https://athome-kaigo.jp/language-disorder」

常に生活の中にあるものですから、メリットとデメリットは気になるところです。使用を医師から勧められる場合、「ここの部分の乱調を抑えるために、ポンプを使ってみませんか」などメリットを前提に話されることがあります。

もちろん、1日の中で高血糖になることが多かったり、不規則な生活の場合は有効かもしれません。但し、もちろんデメリットもありますし、使用者全員が「コントロールが良くなった!」と感じるわけはありません。しっかり理解して利用したいです。

インスリンポンプを使って感じるメリットはなに?

  • 細かい設定ができ、自分の体質や生活に合わせたコントロールができる。
  • 基礎インスリンをいつでも設定変更でき、投与量を増やしたり減らしたりできる。→急に激しい運動をすることになっても、設定変更で対応できる。
  • 注射を日に何度も打たなくて良い。
  • ちょこちょこ食べた場合、インスリンを入れることができる。
  • 人目を気にせずインスリン投与することができる。
  • インスリン量を間違えた場合、直後だと中止することができる。
  • ひどい低血糖が起きた場合は、基礎部分の注入も中止することができる。

インスリンポンプのデメリットは何?

  • 気泡が入ったり、チューブなどのトラブルで高血糖になることがあるが、高血糖の原因がわかりにくい。
  • 3日に1度の交換を忘れると、効きが悪くなり高血糖になる
  • 常に身体の側に付けておかなければならないので、邪魔と感じる
  • 医療費が高額になる。(20歳までは小児慢性特定疾患制度により医療費補助がある)
  • ポンプの故障や突然の高血糖に備えて、ペン型の注射器を持ち歩く必要がある。

ポンプトラブルがあり、インスリンがうまく入らないと、何も食べなくても高血糖になります。それを回避するために、基礎の部分を注射する人も多いようです。デメリットを少しでもカバーできれば、快適に近づくかもしれませんね。

 インスリンポンプとの生活

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「画像出典元:http://rubeusu-trend.com/3738/」

インスリンポンプをつけて生活するって、どんな感じなのでしょうか。ポンプから注射にした人の中には、「すっきりした!」という人もいるようです。そして、運動をする人にとっては邪魔と感じる人も多いようです。実際に3点例をあげて考えてみましょう。

1.お風呂やプールはどうするの?

特に学校で「プールの授業は受けられるんですか?」と聞かれることがあります。お風呂やプールに入る場合は、身体から外すことが可能です。身体に張り付いている側にふたをすることで、水が入る事にもありません。

外している間は基礎インスリンが身体に入りませんが、2時間程度でしたら大丈夫です。外す前に血糖値を測定し、状況に応じて補食または補正しましょう。行動する前に自分の体調に耳を傾けることが重要ですね。

「友達とプールに行く!」「海に行く!」と長時間外す必要がある時は、基礎インスリンを注射し、ポンプは追加インスリンを打つ場合だけ使用するという人も多くいます。上手く付き合えば何だってできるんです。

2.運動しても大丈夫?

運動は大切ですね。1型糖尿病でなくても運動は大切ですが、良いコントロールを目指すためにも必要です。運動する場合は運動量によってインスリンを減らしたり、一時的にはずしたり調整すれば大丈夫です。

プールと同じで、運動の間は外してしまうことで身体に機器をつけていることから解放されます。「今日は午後からバスケを3時間するから、はずしておこう。血糖値が100だから、おにぎり1個食べて少しだけインスリンを入れよう」というように、自分のルールさえ決めていければ、何でも楽しめます。

どんな風に減らすのか、これは「基本的には○単位」といった例はありません。何度か自分で経験し、一番良い量を決めていくべきです。一気に減らさず、少しずつ減らしながら「自分の最適」を探しましょう。

3.旅行に行くんだけど、必要なことはある?

旅行に行くときは、トラブル回避のために注射も忘れずに持参しましょう。日数に限らず、予備の備品や電池を用意していくと安心です。航空機で旅行する場合は、インスリンはもちろん、関連用品は機内持ち込み手荷物にいれましょう。

空港でセキュリティチェックを受ける場合は、インスリンポンプをはずさなくても大丈夫ですが、先に話してから受けるのもいいですね。基本的にはインスリンの持ち込みについて、厳しく確認されることはないのですが、全くないわけではありません。

空港での足止めや、旅行先での急な体調不良があった場合に備えて、主治医から指示書を書いてもらいましょう。空港や検査官によって対応が違いますので、あらかじめ旅行会社などに確認しておくと安心です。旅行を楽しむためにも、万全の準備をして出かけたいですね。

まとめ

1型糖尿病の人にとって、絶対に欠かせないのがインスリン治療です。「この方法が良い」と感じるのには個人差があります。この個人差はコントロールにつながる大切なものです。

試しにインスリンポンプを使用して、注射の時との違いを実感し、どちらを選択するか決められるといいですね。医師と患者が良いコミュニケーションを取り、より良い方法で日々を過ごして欲しいと思います。

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