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帝王切開の費用が戻ってくるって本当?高額療養費制度とは?

      2017/01/10

妊娠出産は命の誕生にまつわる一大イベントだけに、お金のことも色々気がかりです。入院費用などを含めた出産費用一つ取っても、自然分娩か帝王切開かで大きく変わります。

特に自然分娩を前提に考えていた方の中には、急に帝王切開になってよくわからないという方もいます。ここでは、帝王切開の場合に適用されることがある「高額療養費制度」について解説します。

帝王切開の出産、自然分娩とここが違う!

自然な妊娠出産は、病気ではない

妊娠期間中の、定期検診などの支払いが高いと感じたことはありませんか?これはそもそも、妊娠が病気ではないということに理由があります。

妊娠出産には健康保険が適用されない

妊娠出産は、産婦人科などの病院に通い診察を受けるものですが、熱が出たりお腹を壊したりといった病気ではないので、健康保険が適用されません。

一般的に病気の治療で病院に通ったときよりも高額に感じるのはそのためもあります。しかし妊娠出産にまつわる費用であっても、高血圧の治療や膣の感染症の治療など病気の治療であれば健康保険が適用されます。

例えば定期検診で見つかった感染症の治療に週1回通うような場合、定期検診の費用は保険適用外なので数千円支払いますが、その後の治療は数百円で済むといった具合です。

帝王切開は、医療行為である

上記で説明したように、病気の治療などを伴わない妊娠出産は保険適用外なので自然分娩は保険適用外ですが、帝王切開は医療行為であり出産費用の一部に保険が適用されます。

保険が適用される費用

以下のような費用は医療行為なので、保険が適用されます。

  • 帝王切開手術に必要な麻酔
  • 帝王切開手術
  • 帝王切開後のカテーテルなどの費用
  • 新生児の治療が必要な場合の費用

保険が適用されない費用

一方で、以下のような費用は自然分娩でもかかる費用なので保険適用外です。

  • 入院する部屋の個室代など差額ベッド代
  • 入院中の食事代
  • 治療ではない新生児の一般的なケアに関する費用

一般的に、病院に支払う出産費用は帝王切開の方が高い

以上見てきたように帝王切開は医療行為のため一部健康保険が適用されますが、帝王切開による出産の方が入院期間が数日長い病院も多く、部屋代や食事代を合算すると、帝王切開の方が出産費用は高くなる傾向にあります。

しかし出産費用に関しては申請すればもらえるお金もあります。特に帝王切開の場合「高額療養費制度」の対象となることがあるのです。詳しく見ていきましょう。

帝王切開の場合は、高額療養費の適用対象となることがある

高額療養費とは

高額療養費とは、健康保険の自己負担分のお金が、1ヶ月の負担限度額を超えた場合に支払われる制度です。

よく出産育児一時金と混同されることがありますが、出産育児一時金は、分娩の方法や赤ちゃんの状態に関わらず妊娠4ヶ月以降の出産であれば42万円が支給される制度です。出産育児一時金は、自然分娩でも帝王切開でも支払われます。

健康保険の自己負担分というところがミソで、自然分娩はそもそも健康保険の適用外のため高額療養費の対象とはなりません。高額療養費は、帝王切開だからこそ使える制度なのです。

では具体的にどれくらい戻ってくるのか、どういう手続きが必要なのか、見ていきましょう。

高額療養費制度を使うと、どれくらい戻ってくるの?

高額療養費制度を使うと、どれくらい戻ってくるのでしょうか。年齢や所得に応じて、健康保険の負担限度額が決まっています。70歳未満の場合の平均的な年収区分の場合を以下に抜粋します。

所得区分 ひと月当たりの自己負担限度額
年収約370~約770万円の方
健保:標準報酬月額28万円以上53万円未満の方
国保:年間所得210万円超600万円以下の方
 80,100円+(医療費-267,000円)×1%
~年収約370万円の方
健保:標準報酬月額28万円未満の方
国保:年間所得210万円以下の方
57,600円

出典:厚生労働省保安局「高額療養費制度を利用される皆さまへ」より抜粋

具体例で見ていきましょう。

年収600万円の場合で帝王切開に伴う保険適用となる医療費が30万円かかったとします。この30万円は、そもそも保険適用なので3割負担となり、自己負担の医療費は9万円です。

またこの場合の自己負担限度額は、80,100円+(300,000ー267,000)×1%=80,430円 です。

自己負担額から自己負担限度額を引くと、

90,000円ー80.430円=9,570円

となり、申請することで、9,570円が戻ってくるということになります。

高額療養費制度の手続きはどうやってやるの?

手続きは、加入している健康保険の窓口に行うことになります。主な2つの場合について説明します。

  1. 社会保険に加入している場合
  2. 国民健康保険に加入している場合

1.社会保険に加入している場合

お仕事をしている場合など、出産する方自身が社会保険に加入していれば、その窓口に申請しましょう。これから産休に入る方であれば、事前に帝王切開になった場合や高額療養費制度の対象になった場合の手続きについて、確認しておくとスムーズです。

配偶者など家族の社会保険に被扶養者として加入している場合は、その社会保険の窓口に申請する必要があります。

2.国民健康保険に加入している場合

お住まいの自治体の国民健康保険窓口に申請しましょう。自治体により出産育児関連の補助の内容が異なる場合もあります。
全国健康保険のホームページに制度の紹介やダウンロードできる申請書も紹介されています。

高額療養費を自分が使えるのかわからない。誰に聞いたら?

実際に自分が高額療養費の対象となるのかどうかよくわからない、ということもよくあると思います。その場合は、まず出産した産院等に問い合わせてみましょう。

「高額療養費制度が使えるかもしれないのでそのための申請用の書類が欲しい」と病院の窓口で相談すれば、多くの場合申請用の領収書を発行してくれます。それを持って上記で説明した該当の窓口に申請可能かどうかの相談をしてください。

まだある!帝王切開のお金に関する知って得すること

生命保険や医療保険に加入していたら、保険金が支給されるかも!

妊婦自身が生命保険や医療保険に加入している場合は、その内容を確認しましょう。入院保険金や手術保険が支給される保険に入っている場合は、保険金が支給されます。

入院日数がわかる書類や手術したことがわかる書類の提示を求められることもありますが、保険の申請をする旨を病院窓口で相談すれば、どれが該当する書類か説明してくれます。

保険窓口や病院窓口に遠慮せず相談しましょう。

確定申告で医療費控除が受けられる場合も!

また、一年間の医療費の総額が10万円以上であれば、確定申告することで所得控除が受けられることがあります

医療費の控除申請には領収書の添付が必要なので少々面倒な作業にはなりますが、その年の所得税だけでなく翌年の住民税額にも関わってくるので、節税を考えている方は妊婦検診時から領収書を捨てずにためておくことをお勧めします。

まとめ

帝王切開での出産は、自然分娩に比べてざっくり10万円上乗せと言われることもあり、自然分娩より高額という印象も強くあります。

しかし、退院時に病院に支払うお金は高額でも、上記のような高額療養費制度や生命保険などを利用すると、結果的に戻ってくるお金の方が多かったという声も多く聞かれます。

よくわからないから、とうやむやに済ませるのではなくぜひ利用できる制度をお得に活用しましょう!

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