ベビスマonline

妊活・出産・育児子育て・生活の知恵に特化した専門知恵サイト

出産時の大量出血!弛緩出血ってなに?原因は?治療法は?

   

母子手帳の「出産の状態」というページを見てみてください。出産時の「出血量」を記録する欄があります。

出血量には、少量・中量・多量とありますが、それぞれどのくらいの出血量を指すのでしょうか。

これには明確な定義がありませんが、200ミリリットルまでの場合に「少量」、200ミリリットル~500ミリリットル程度の場合に「中量」、500ミリリットルを超える出血があると「多量」に丸がつけられます。

出血多量になってしまう原因として最も多いのが「弛緩出血」です。

弛緩出血ってなに?症状は?

赤ちゃんが生まれてから10分程度するといらなくなった胎盤がはがれます。胎盤がはがれたところからは出血が起こりますが、通常は子宮が収縮することによって出血が止まります。

しかし、この子宮収縮がうまくいかないと出血が止まりません。これを弛緩出血と言います。

妊娠後期の子宮には毎分1Lの血液が流れていると言われています。
という事は・・産後胎盤が剥がれて何もおこらないと毎分1L出血して人間の命は数分と持たない訳です。(人間の血液量は5L前後)

引用元:分娩第三期は戦場だ!①弛緩出血

平成17年度東京オペグループの調査によれば、分娩時に1リットル以上の出血があった妊婦さんは2.3%の割合で発生したそうです。

弛緩出血では、次のような症状が現れます。

弛緩出血の症状

  • 大量出血:500ミリリットル以上の出血がある人は約9%、1リットル以上の出血がある人は約2%います。
  • 吐き気・めまい、血圧低下:大量に出血するので貧血のような症状が現れます。
  • 子宮がやわらかくなるので、お腹を触るとやわらかい
  • 子宮底が上の方に上がってくる

弛緩出血の原因5つ

弛緩出血が起きる原因には、さまざまなものがあります。

1.子宮が大きくなりすぎる

双子や三つ子などの多胎妊娠、出生時4,000グラム以上の巨大児などの場合で子宮が大きくなりすぎると、子宮の筋肉が伸びすぎてしまい子宮が収縮しづらくなります。

2.陣痛促進剤の使用

出産時、なかなか陣痛が進まずに陣痛促進剤を長時間投与した場合も弛緩出血が起こりやすくなります。

長時間、薬によって人工的に子宮を収縮させ続けることで、筋肉が疲労してしまうのです。

3.分娩時間が長引く

分娩時間が長引くことを「遷延(せんえん)分娩」と言います。

「遷延分娩」とは、初産婦で30時間以上、経産婦で15時間以上かかっても生まれないことをいいます。

引用元:遷延分娩(せんえんぶんべん)

遷延分娩になってしまうとママの身体は大変疲れます。全身の筋肉が疲労しているので、子宮の筋肉の動きも悪くなります。

4.トイレを我慢する

子宮は、収縮すると骨盤の中におさまります。

しかし、尿や便を我慢していると膀胱や腸が子宮を圧迫し、子宮が骨盤内の正しい位置に戻っていくのを邪魔してしまいます。そのことでも出血が止まりにくくなります。

5.子宮の中身が排出しきれていない

膨らんだ風船がキュルキュルとしぼんでいく様子をイメージしてください。風船の中には何も入っていないのでスムーズに縮んでいきますよね。

でも、風船の中に石ころなどが入っていたらどうでしょう?元の形にはスムーズに縮みません。

子宮も同じで、赤ちゃんや胎盤などが全部排出されていればスムーズに縮みますが、子宮の中に胎盤の一部などが残っていると収縮しづらくなります。

弛緩出血の治療法は?

子宮の筋肉が収縮しないと1分間に1リットルも出血してしまう、こわい弛緩出血。対処は時間との戦いです。

弛緩出血の治療は、痛みを伴うものもあり、せっかく出産が終わってもまだまだママの苦労は続きます。

弛緩出血の治療法8つ

  1. お腹を揉む:子宮は、外から力を加えられることで収縮が促されます。
  2. お腹を冷やす:子宮を冷やすことによっても収縮が進みます。
  3. 陣痛促進剤を点滴・注射する:陣痛促進剤とは、お産を進めるために子宮を収縮させるものなので、産後に子宮を収縮させる必要がある時にも効果があります。
  4. 子宮を圧迫する:膣の中に手を入れ、お腹の中と外の両方から子宮を挟んで圧迫します。
  5. ガーゼを詰める:膣・子宮の中にガーゼを詰めて止血します。
  6. バルーンを詰める:子宮の中にバルーンを入れることによって圧迫して止血します。
  7. 血流を減らす薬を投与する:子宮に繋がる血管にカテーテルを挿入し、薬を注入します。
  8. 子宮を摘出する:1~7のどれを行っても出血が止まらず、命にかかわる状態になったときに行われます。

弛緩出血が進むとどうなるの!?

2013年に、助産院で出産した女性が出血多量で亡くなるという事故がありました。この女性の出血量は、1リットル~1.5リットルだったとのことです。

弛緩出血は、迅速な対処が何より重要です。

日本産婦人科医会の調査によれば、弛緩出血で亡くなった人の72%が、出血が始まってから6時間以内に心停止したとのことでした。

弛緩出血は予防できる?

弛緩出血のリスク要因は予めわからないものがほとんどで、予防することは難しいと言えます。

しかし、分娩時の出血を抑える方法が名古屋第一赤十字病院の研究結果として報告されています。

分娩時から分娩2時間後まで、骨盤支持ベルトを装着すると子宮の収縮が進み、出血を抑える効果が期待できるとのことです。

「トコちゃんベルトの青葉」で、分娩時に使用する骨盤支持ベルト(ゴムチューブ)と、産後に使用するベルトが販売されているので、気になる方はチェックしてはいかがでしょうか。

次回の妊娠で気を付けることってある?

弛緩出血の原因の一つとして、「巨大児」が挙げられます。

赤ちゃんの大きさをコントロールするのは難しいことですが、赤ちゃんが大きくなりすぎないように、ママは体重コントロールをしっかり行いましょう。

また、弛緩出血が心配な方は、高度な医療対応を迅速に受けることが可能な、総合病院での出産を選ぶと良いでしょう。

まとめ

弛緩出血は、昔はしばしば妊婦さんが命を落とす原因になった怖い症状ですが、現代医療では出血を止める方法が確立されているためほとんどの場合心配ありません。

出血を止める方法が確立されているとは言ったものの、それは産科医の熟練した技術によります。昔のように、家で自力で出産をしていたら亡くなってしまう人はたくさんいるわけです。

母子ともに無事に赤ちゃんと対面できることは当たり前のことではなく、本当に奇跡的なことなんですね。

 

 

 - 出産