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出産は年齢が上がるとリスクも上がる?高齢出産のリスクと対策

      2017/02/06

近年出産時の年齢が上がってきています。女子の社会進出、晩婚化などが主な要因です。女性が社会で活躍するのは喜ばしいことですが、その反面多くの女性たちが気になっている言葉が「高齢出産」です。しかしいくつから高齢出産と呼ばれるのでしょう?

事実、高齢出産にはリスクが伴うものですが、あまり怖がり過ぎても赤ちゃんを待ちわびる幸せな出産は出来ないものです。高齢出産とはどういうものなのか、そのリスクも踏まえて見ていきましょう。またリスクを減らすための対策はあるのでしょうか?

妊娠は女性にとってとても幸せな時間です。その時間を不安な思いで過ごすことのないように正しい知識をもって出産に臨みたいものです。

高齢出産は35歳から

高齢出産とは35歳を超えてからの出産のことをさしています。実はこの年齢設定は元々30歳だったのです。1993年に日本産科婦人科学会が現在の35歳に改正しています。理由は35歳を過ぎてからのリスクが高くなること。また晩婚化に伴うものです。

現在では35歳以上の高齢出産は決して珍しいことではなく、多くの女性が35歳過ぎに妊娠出産しています。しかし確かに年齢が上がればリスクも上がると言えます。妊娠の喜びと共に不安を抱える妊婦さんが多いのもごく自然の事なのです。

どうして35歳がボーダーライン?

なぜ35歳がボーダーラインと呼ばれるのでしょう?それはやはりリスクが上がるからにほかなりません。また妊娠の確率的にも卵子の量は35歳を境にガクンと減少してしまうのです。35歳以上は妊娠しにくく出産時のリスクも上がるという事です。

卵子の減少とは

妊娠の成立には、男子の精子と女性の卵子が受精(出会う)ことが必要です。しかし女性の卵子は一生のうちにつくられる量が決まっているので、年々減少してしまうのです。個人差はありますがその減少が著しいのが35歳のラインというわけです。

経産婦の場合は40歳以上を高齢出産といいます

出産を経験している妊婦さんの場合は、子宮や赤ちゃんの通り道である産道が柔らかく、出産にかかる時間や負担が少ないので、高齢出産と呼ばれる年齢に差があるのです。

高齢出産のリスクはどんなこと

高齢出産となると母体はもちろんのこと、胎児にもその負担がかかるので母子ともにリスクを背負う場合もあるのです。

高齢出産の4つのリスク

  1. 妊娠中のトラブルがおきやすい
  2. 染色体異常(ダウン症などの発生率が上がる)
  3. 流産しやすくなる
  4. 難産&回復も悪くなる

1.妊娠中のトラブルがおきやすい

通常の妊婦さんにも起こることですが、高齢出産の人は特に「妊娠高血圧症候群」になりやすいのです。体がむくんだりタンパク尿が出たりします。とくに高血圧が続く場合は脳出血などの脳血管障害や常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)などを起こす可能性があり危険です。

常位胎盤早期剥離になると早い時期に胎盤が子宮から剥がれおち、胎児に酸素や栄養が届かずに死亡に至ってしまいます。高齢出産の場合は20代に比べ約2倍近い確率で高血圧になるというデータがあります。

食事や体重管理など通常よりも気をつけて過ごす必要あります。さらに、ホルモンバランスが大きく変化する妊娠期では、体力の衰えによる不調(目まいやむくみ、頭痛)も多く感じることになります。

妊娠高血圧症候群とは

妊娠前には何の症状もない女性が、妊娠中期以後に高血圧や蛋白尿、そしてむくみなどを感じる症状の事です。お腹の中の血液が悪くなるので、胎児に栄養が行き届かず発育不全や低出生体重児(体重の足りない赤ちゃん)になるケースもあります。

常位胎盤早期剥離とは

通常、胎盤は赤ちゃんが生まれた後に子宮の壁から剥がれ落ちるものですが、赤ちゃんがまだお腹の中にいるときに、胎盤が子宮の壁から剥がれ落ちてしまうことです。

2.染色体異常(ダウン症などの発生率が上がる)

高齢出産ではダウン症がおきやすく、その理由は母体の卵子の老化であるという説が有力です。ダウン症の発生率を見てみると20代ではおよそ1000人中1人。35歳以上では100人に1人の割合になっています。

もちろん高齢で元気な赤ちゃんを産んでいる人はたくさんいます。必要以上に怖がる必要はありません。しかし、どうしても不安な人は「出生児診断を受ける」というのも一つの手かもしれません。産むか産まないかの選択のみならず、分娩時のトラブルの可能性などを知っておくことにもなります。

さらに高齢出産ではダウン症以外にも注意したい染色体異常があります。大脳や脊髄の奇形によるもので発症した場合は長く生きることは出来ないとされています。

出生児診断とは

出生前診断とは、生まれてくる子どもに染色体異常や先天性の病気がないかどうか、そして奇形かどうかを調べる検査の総称の事です。母親自身や夫婦の希望で詳しい検査を受けることが出来ます。

ダウン症以外の染色体異常

  • 無脳症
  • 二分脊椎症(にぶんせきついしょう)
無脳症とは

 

無脳症

無脳症は、その名が示すように脳が存在しなかったり、通常よりもかなり小さい状態で頭蓋骨も欠損している状態です。無脳症の赤ちゃんの場合、約75%は死産となります。無事産まれても1週間以上の生命維持は困難とされています。

二分脊椎症(にぶんせきついしょう)とは

二分脊椎症(にぶんせきついしょう)とは、背骨が分離し皮膚から飛び出してしまう症状です。発生部分から下の運動機能が麻痺したり内臓疾患なども引き起こします。

死亡率は少ないですが、脳を守る脳脊髄液が頭の中で過剰にたまる「水頭症」を併発する可能性が高いのです。頭痛や嘔吐を繰り返し脳手術を受けることになります。

3.流産しやすくなる

流産の確率は20代では約10%、35歳以上だと倍の20%となっています。原因は卵子の老化によって胎児が染色体異常を起こしていることです。流産を経験すると、自分の生活が悪かったのかもしれないと自分を責める妊婦さんが多いですが、母体が原因の流産はほどんどありません。

加齢によって卵子に染色体異常が現れるのは仕方のないことと言えるでしょう。高齢出産ではなると染色体異常である確率も増加するので、それに伴い流産率も高くなってしまうのです。

4.難産&回復も悪くなる

年齢が上がれば当然体力は落ちてきます。筋肉も低下しやすく難産になる可能性が高くなります。そのため帝王切開での出産になるケースも多いものです。産院の中にはトラブルを回避するため、医師が進んで帝王切開を進めている場所もあります。

また産後の体の回復、子宮が元の大きさに戻るのにかかる日数なども通常よりも長くかかります。ゆっくり体と向き合うことになるでしょう。

帝王切開とは

帝王切開は母体か胎児のどちらかに問題があり、自然分娩が難しいと判断されたときに行われます。母体の腹部と子宮を切開し胎児をとりあげるものです。また帝王切開時には感染症や血栓症などのリスクがあるのものです。さらに自然分娩よりも子宮の回復も遅くなります。

リスクに対処する方法

高齢出産のリスクを完全になくす方法は残念ながらありません。しかし少しでもリスクを減らすことは可能です。元気な赤ちゃんの顔を見るために出来ることはやっておきたいものです。

リスクを減らすためにやっておきたいこと

  1. 葉酸の摂取
  2. 体力をつけておく(骨盤底筋)
  3. 規則正しい生活

1.葉酸の摂取

高齢出産では染色体異常の確率が上がってしまいます。この対処法は葉酸を摂取することです。アメリカでは葉酸を摂取することによって、約70%もの染色体異常を減少させたという研究結果が出ています。

また日本でも、産婦人科では葉酸の摂取を推進しています。葉酸は無脳症や二分脊椎症(にぶんせきついしょう)の確率も1/10以下にするのです。

葉酸の摂取方法

女性のみならず、男性も摂取することで卵子と精子の染色体異常を食い止める効果が期待できます。葉酸は妊娠を望んだその時から摂取したいものです。食事での必要量の葉酸の摂取には大量の食事を摂る事になってしまうので、サプリメントで摂取しましょう。

厚生労働省では1日に400ug(マイクログラム)の葉酸摂取を妊婦さんに推奨しています。お腹の赤ちゃんは妊娠8週間目までに、少しづつ人の形に成長していきます。胎児のリスクを防ぐためにはなるべく早い段階からの葉酸摂取を心がけましょう。

2.体力をつけておく(骨盤底筋)

出産時には体力がものを言います。体力がないと難産になり帝王切開になるケースもあるのです。特に柔軟で強い骨盤底筋が必要になってきます。加齢とともに固くなり衰える骨盤底筋を鍛えておくことで、スムーズな分娩につながります。

「骨盤底筋」の画像検索結果

画像出元:http://dietsite.biz/kotubanteikinkitaeru-372.html

 

骨盤底筋群鍛え方
  1. 椅子に座ります
  2. クッションやブランケットを太ももに挟みます
  3. クッションやブランケットを産道に引き込むイメージで膣を締め上げます
  4. 数回呼吸をし、吐くタイミングで力を抜きます

3.基礎期正しい生活

基本的なことですが、高齢出産の場合はとくに気をつけて生活しましょう。とくにストレスは、お腹の赤ちゃんの成長に悪影響を及ぼします。母体がストレスを感じると血流が悪くなり、赤ちゃんに栄養が届きにくくなります。

そのためなかなか赤ちゃんが成長しないといったことになるのです。ストレスをためないように規則正しい生活を送りましょう。もちろん喫煙やアルコールは控えましょう。

 まとめ

年々増加している高齢出産ですが、それに伴いリスクも増加しています。しかし必要以上に怖がることはありません。葉酸をしっかり摂取し規則正しい生活を送るようにしましょう。ストレスをためないことが重要です。

高齢出産だからと言って子どもが全員染色体異常をおこすものではありません。しかしどうしても不安が払拭されない場合は夫婦で相談の上、出生児診断を受けてみるというのも一つの手ではないでしょうか?

 - 出産, 高齢出産