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新生児の母乳育児、欲しがったらあげていいの?適切な授乳の間隔とは?

      2016/12/19

母乳育児のトレンドは、ここ数十年でも変化が大きく、親世代の常識とママ世代の常識が異なるポイントです。特に、頻繁に母乳をあげてると、「足りてないんじゃないの?」「我慢できない子になるよ」「ミルク足したら?」など、親世代をはじめとした周囲から、様々な声が飛んでくることがあります。

また、頻繁な授乳による寝不足など体への負担も大きいことから、「あれ?私のやり方間違っているのかな?」と不安になることもありますよね。ここでは改めて母乳育児を続けたいと考えているママにとっての適切な授乳間隔について調べました。

母乳もミルクも、「欲しがったらあげる」が基本

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1989年3月 WHO・ユニセフは、世界のすべての国のすべての産科施設に対して「母乳育児成功のための10か条」を守ることを呼びかけました。

その中に、赤ちゃんが欲しがるときに、欲しがるままの授乳を進めることという項目があります。

日本においても、WHOの提言を踏まえて、厚生労働省が「授乳・離乳の支援ガイド」を平成19年に策定しました。現在育児に関わる多くの出版物や各企業の商品などは、このガイドを元にしています。

授乳は、赤ちゃんが「飲みたいと要求」し、その「要求に応じて与える」という両者の関わりが促進されることによって、安定して進行していく

引用元:厚生労働省厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」より

厚生省のガイド内には以上のように明記されており、赤ちゃんが欲しかったらあげることを心がけているママも多いことでしょう。

しかし、一方で、「授乳は3時間くらい空けた方がいい」「リズムを作る必要がある」などの言葉を周囲から受けることも多く、迷いが生じてしまうこともあるようです。ではそもそも、なぜ「3時間」空けた方がいいのでしょうか。医学的な根拠はあるのでしょうか。

なぜ授乳間隔は3時間、と言われるのか

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授乳間隔の目安は3時間と言われる2つの根拠

育児書に授乳間隔は3時間が目安と書かれていたり、小児科医や保健師から3時間空けるように指導を受ける母親も多くいます。そもそも3時間という数字が出てきた根拠には、次の二つの理由があるようです。

  1. 人工ミルクの授乳は3時間間隔が目安とされている
  2. 桶谷式では、3時間以上授乳の間隔を空けないように指導されている

1. 人工ミルクの授乳間隔は3時間が目安とされている

母乳よりもミルクは消化に時間がかかるため、3時間程度空けたほうがいい、と育児書に書いてあるのを目にしたり、医師に指導を受けたりしたという母親の体験談が多く存在します。しかし、実際にミルクの消化に3時間かかることを科学的に裏づける根拠は見当たりません。

シェア上位の粉ミルク「明治ほほえみ」のWEBサイトには、ミルクを与える目安として、以下のような記載があります。

月齢 生後〜1/2ヶ月 1/2ヶ月〜1ヶ月 1ヶ月〜2ヶ月
1回あたりの調乳量(ml) 80 80〜120 120〜160
1日あたりの回数 7回 7回  6回

引用元:株式会社明治 ママと育児の応援サイト「ほほえみクラブ」より

一日24時間を7で割ると、約3.6時間ですね。しかし、ここで紹介されているのはあくまで「目安」です。赤ちゃんの体調や食欲などは個人差があります。なにがなんでも3時間空けなくてはいけないものではないのです。

2. 桶谷式では、3時間以上授乳の間隔を空けないように指導されている

桶谷式乳房管理法とは、母乳育児支援の方式の一つで、独自の乳房マッサージを特徴としています。食事管理も含め、母乳の質にこだわりがあり、よい母乳を出すためには、授乳間隔を空けすぎないことが指導されます。

夜間も含め、母乳が作られる2、3時間おきに授乳することが、母乳の質・量を維持するには重要とされ、夜間子供が寝ていてもおこして3時間空けずに授乳した方がいい、とされています。

1.の3時間程度空けると全く逆で、3時間以上空けないことが目安とされているのですが、ママにとっては「3時間」が頭に残りやすく、目安の時間として強く印象に残る要因の一つとなっています。

しかしいずれにせよ3時間はあくまで「目安」であり、守るべきルールではありません。赤ちゃんに求められたら授乳することが基本なのです。

新生児期は、間隔を気にせず頻回授乳が当たり前

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新生児期の赤ちゃんの様子

新生児期の赤ちゃんは、個人差がありますが、まだおっぱいを吸うことに慣れていません。その他にも、以下のような理由から、1時間も空かずに授乳になることも多いのです。

新生児期に頻回授乳になる理由

  • 口が小さく、おっぱいをうまく吸うことができない。
  • 一度に飲む量が少ない。
  • 母乳は消化が早く、すぐお腹がすく。
  • 昼夜の区別がついておらず、夜間もまとまって寝ない。

新生児期の母体の様子

慣れていないのは新生児期の母体も同様で、まだ母乳を作るリズムが出来ていません。すぐに自分の子供の哺乳リズムに合った母乳生産ができれば理想ですが、新生児期はお互い手探りです。

人により、母乳が出やすい体質、出にくい体質はありますが、どんな母体も、赤ちゃんに吸われることで、それに応じて母乳を作るようにできています。赤ちゃんの求めに応じて授乳することを積み重ねていくことで、お互いにとってちょうどいい量、頻度で母乳が作られていくようになります。

とはいえ、母親も赤ちゃんもうまくできないもの同士なので、トラブルが起こります。

新生児期の授乳によくあるトラブル

  1. 乳首が切れる
  2. 乳房がはる(乳腺炎につながる症状)
  3. 吐き戻す

1. 乳首が切れる

  • いつも同じ姿勢で授乳している。
  • 一度に長い時間授乳している。

上記の当てはまる場合は、乳首が切れるトラブルになるケースも多いようです。授乳の際に痛みがあるので、億劫になり、搾乳して哺乳瓶で与えた方がいいのかな、と不安になる方もいるでしょう。しかし、新生児期は今後の母乳育児のための基礎を作っている時期です。

一度の授乳時間はコントロールしづらいので、授乳姿勢を変えるなどして、乳首の負担がかかる場所がいつも同じにならないよう工夫しましょう。赤ちゃんが口に含んでも問題ない軟膏なども市販されているので、授乳の合間に薬でケアするのも有効です。

2. 乳房がはる(乳腺炎につながる症状)

  • うっかり授乳時間が空いてしまった
  • 頻繁に授乳するけれど、あまり吸われずに授乳が終わる

上記のような場合は、乳房が張った感じになり、こじれると乳腺炎につながることもあります。張った時には搾乳すると良いとよく言われますが、搾乳することでさらに母乳が生産され、さらに乳房が張る、という悪循環になることもあります。

搾乳は圧を抜く程度にとどめ、冷やすなどの対処が有効です。熱っぽくなったり乳腺炎の兆候が見えたら、母乳外来のある産院や助産院などを受診しましょう。

3. 吐き戻す

赤ちゃんは、母乳を飲んだ後盛大に吐き戻すことがあります。赤ちゃんの胃はとっくりのような形をしていて、蓋がないような状態です。吐いた後にけろっとしてすぐ飲みたがるので、不安になることもあります。

そういった場合も、赤ちゃんの求めに応じた授乳を続けることで徐々にコントロールできていくものなので、吐くからといって授乳間隔を空けようとしたりせず、基本的には欲しがったら授乳してあげてください。

ただし、以下のような場合は病気の可能性も考えられるので、受診も考えてください。

  • 吐き戻した母乳が黄色や黄緑色など、口にしたもの以外の色がついている。
  • 噴水のように盛大に吐き戻す。
  • 熱や下痢を伴っている。

母乳育児を続けるための心がけ

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母乳育児を続けるためには避けたいこと

新生児期の授乳には様々なトラブルが伴いますが、母乳育児を続けていきたいのなら、心がけてほしいことがあります。

ミルクを足さない

体重が増えないなど、医学的に足した方がいいという根拠があって指導される場合以外、ミルクは足さないでください。新生児期に授乳の間隔が頻繁になるのは、母乳不足のせいではなく、新生児期であれば当たり前の事です。

せっかく母乳を生産する準備を母体がしていても、ミルクを足してしまうと、それで満足した赤ちゃんはおっぱいを吸いません。「ミルクをあげる」→「母乳を吸わない」→「吸われないから出ない」→「ミルクをあげる」という循環になってしまい、母乳育児を断念せざるを得ない結果になることがあります。

哺乳瓶を使わない

母乳をあげる場合には、極力、おっぱいから直接飲ませてあげてください。哺乳瓶やおしゃぶりと乳首とでは、赤ちゃんが哺乳するときに必要なスキルが異なります。一般的に哺乳瓶の方が吸うのが楽なことが多く、哺乳瓶に慣れてしまうと、乳首からの哺乳ができなくなる危険性があります。可能なら、哺乳瓶の使用は避けましょう。

まとめ

適切な授乳間隔は、赤ちゃん一人一人によって異なり、それは母子の授乳の積み重ねによって自然に作られるものです。新生児期に授乳間隔を気にする必要はありません。

寝不足など、体への負担も大きい時期ですし、いつまで続くんだろうと不安になることもありますが、次第にリズムができてくれば授乳が楽しくなってきます。自信を持って、おっぱいをあげてくださいね。

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