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出産時の輸血の適応とリスク3つ!母乳はあげても大丈夫?

   

出産は命がけで行うと言われていますが、その原因の一つとなるのが分娩時の出血です。

原因は幾つかありますが、出血量が多くなってしまいますと母子共に命の危険が迫りますので場合によっては輸血が行われます。

今回はこの輸血がどの様な時に行われるのか、またそのリスクについて等詳しく説明していきます。

出産時の輸血は誰にでも起こる!?

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出産時には様々なリスクがつきものですが、輸血もいつ誰が受けてもおかしくないのです。

出産前に何の問題もなく健康だった妊婦さんでも出産時には何が起こるか分かりません。

普通分娩で順調にお産が進んでいた妊婦さんでも緊急の帝王切開になったり、出血が大量になってしまい輸血を行う場合もあります。

では実際に出産時に輸血が必要となるケースはどの様な場合なのでしょうか。

出産時に輸血が必要となる3つのケース

出産時に輸血を必要とするケースは出血量がいくらかなのかによって決まります。

通常ですと出産時に起こる出血の量は200ml〜300ml程と言われており、500mlまでの出血量であれば問題ないと言われています。

しかしそれ以上の出血があった場合には異常出血とみなされ母体に命の危険が迫ってしまう場合がありますので、医師の判断により輸血が必要となるのです。

そしてその異常出血が起こる原因として考えられているのが以下の3つとなります。

1.弛緩出血(しかんしゅっけつ)の場合

弛緩出血とは赤ちゃんが栄養や酸素を受け取っていた胎盤が出産後に剥がれ、その部分から大量に出血が起こってしまうことです。

出産後の子宮の収縮力が弱いと血管も縮みませんので出血が止められなくなってしまいます。

弛緩出血が起こる原因は様々で赤ちゃんが巨大児の場合や多胎妊娠、長時間分娩時間(初産婦さんの場合は30時間以上、経産婦さんの場合で15時間以上)などが挙げられます

 

弛緩出血による大量出血は分娩全体の5〜10%程と言われており、誰にでも起こる可能性がある病状です。

しかし中には弛緩出血だと診断されても出血量が1000mlに達していない場合には、輸血を行わなずに止血して処置を終える場合もあります。

2.癒着胎盤(ゆちゃくたいばん)の場合

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癒着胎盤とは通常は赤ちゃんの娩出後、自然に子宮内壁から剥がれ落ち体外へと排出されるはずの胎盤が子宮内に癒着している状態の事です。

子宮の内壁にしっかりと胎盤がくっついてしまっていますので剥離が困難となり、分娩後にその一部が剥がれてしまうと大量出血が起こってしまいます。

エコーやMRI等の事前診断では確実な診断が中々難しく、産後に初めて分かったという妊婦さんも多いそうです。

胎盤が子宮口付近に形成される前置胎盤に多く見られ、出産後胎盤が中々排出されない場合には癒着胎盤と診断されます。

その確率は前置胎盤と診断された方の内0.025~0.5%程で起こっています。 

癒着胎盤を無理に引き剥がそうとすると出血量が多くなりますので、そのまま温存し後日摘出手術を行う場合もあります。

前置胎盤とは!?

通常妊娠時に胎盤が形成される場所は子宮の上の方になります。

しかし何等かの問題が起こった時にはこの胎盤が子宮口近くに形成されてしまうのです。これを前置胎盤と言います。

前置胎盤には「辺縁前置胎盤」「部分前置胎盤」「全前置胎盤」の3種類があり、胎盤が形成される場所によって名称が変わってきます

妊婦健診時のエコーで確認する事が出来、妊娠週数が進むにつれて大きくなった子宮の圧迫や収縮により胎盤が剥がれてしまう可能性がありますので注意が必要です。

参考資料:前置胎盤とは

3.羊水塞栓症(ようすいそくせんしょう)の場合

羊水塞栓症とはお母さんの血管内に羊水が入り込んで詰まってしまい、呼吸器不全や肺高血圧症を引き起こしてしまう疾患です。

羊水には赤ちゃんの体毛や髪の毛、皮膚の細胞や排泄物など様々な物が含まれており、これらが詰まりの原因となってしまうのです。

発症から1時間以内に約50%の方が死に至っており、そうならない為にも早急な対応が要求され殆ど方が輸血を行います。

帝王切開の場合に起こりやすいと言われていますが、経腟分娩の場合でも高齢出産や羊水過多症、アレルギー体質のある方が引き起こす事もある様です。

この羊水塞栓症は発症率が2万〜3万人に一人の確率で発症すると言われており、頻繁に起こるわけではありません。

しかし万が一羊水塞栓症を発症してしまった場合には死亡率が60%〜80%にもなると言われています。

輸血にも種類がある?!輸血にはどんなものがあるの?

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出血の量が多くなった場合には輸血が必要となるのですが、輸血には幾つかの種類があります。

成分輸血や全血輸血、自己輸血や同種血輸血と大きく4つに分かれます。

成分輸血や全血輸血、自己輸血や同種血輸血とは!?

1.成分輸血

血液は様々な成分によって作られていますが、輸血が必要となった時にその成分の中でも特に必要な物だけを輸血する場合成分輸血と呼びます。

血液を採血後に遠心分離機にかけ赤血球や血小板、血漿などに分けます。

患者さんの血液成分の中で最も足りていない物を選んで輸血することによって、余分な成分が体内へ入りませんので患者さんの体への負担も軽くなるのです。

最近の輸血ではこの成分輸血が殆どを占めています。

参考資料:血液製剤一覧

2.全血輸血

名前の通り採血した血液をそのまま輸血する方法です。保存液を加えておくことで採血後21日間使用できるそうです。

現在では上記の成分輸血が主流となっている為、最近では全血輸血は殆ど使われていないのが現状です。

3.自己輸血

輸血が必要となるであろう手術をする前に自分自身の血液を採血しておき、輸血が必要となった時に使用します。

自分の血液ですので感染症や副作用、また免疫反応など心配がありませんので安心して輸血ができます。

手術予定日の数日前に採血をする方法と手術が始まってから採血を開始する方法の2種類があります。

参考資料:自己輸血

4.同種血輸血

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同じ血液型である他人の血液を輸血する場合同種血輸血と呼びます。

街中で献血の車や広告を見かけたことはありませんか。

こういった献血によって採血された血液が使用されるのですが、その殆どが日本赤十字社にて保管され必要に応じて病院側へ渡るそうです。

分娩時の輸血は母乳に影響する!?産後の回復は??

自己輸血以外で輸血をするということは他人の血が体内に入るということですから、勿論リスクも幾つかあります。

母乳育児を考えている方ですと母乳への影響なども心配でしょう。

では輸血によって起こるリスクについて詳しくご紹介していきます。

輸血のリスク3つ!母乳への影響は?

1.感染症になる可能性がある

採血された血液は粘蜜に検査を受け安全だと確認された物だけを使用していますが、100%肝炎などの感染症に感染しとは言い切れないそうです。

それは血液の中に遅発性のあるウイルスが入っている可能性がごく稀にあるからです。

その為輸血後3ヶ月程経ってから感染症の疑いがないかどうかの検査を行っている病院が多いでしょう。

2.副作用が起こる可能性がある

同じ血液型の血液とはいえ、やはり他人の血液を体内に取り込みますので何らかの拒否反応が出たり副作用が起こる場合があります。

術後すぐに起こる場合から数十年後に発症する場合もあるです。

輸血の際に見られる副作用とは!?
  • 蕁麻疹(赤い小さな皮膚の盛り上がりが無数に出来、激しい痒みを伴います)
  • 発熱
  • 寒気
  • ショック状態に陥る

3.医師によっては母乳を勧めない場合がある

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上記に説明しました1番目の理由により、医師によっては産後すぐの授乳を控える様にと言われる場合があります。

その場合、感染症の疑いがないと判断できる産後3ヶ月程を目安に開始しても大丈夫だという風にアドバイスを受けるでしょう。

しかし最近の血液では感染症などの心配が殆どない事から、産後すぐに授乳を開始しても大丈夫と判断する医師も多くなっています。

ただし万が一ウイルスががいた場合を考えて念の為感染症の検査は受けた方が良いでしょう。

私も先月6月2日に出産しまして、大量出血(3000ml)して、輸血をしました。

ウイルス感染のお話しなどは聞きました。精密な検査をクリアしてきた優秀な血液ですが、念のためということで3か月後あたりに、ウイルス感染などの検査をしようとは思っています。

病院からも母乳を勧められていますし、1か月たった今もたくさん飲んでいます。もちろん母子ともに元気です。

引用元:昨日出産した者です。大量出血の為、輸血をしました。

輸血をすると産後の回復が遅れるの?!

輸血をするということは体内から大量の血が出て行ってしまいますので、もちろん母体にはかなりの負担となります。

しかし術後数時間休むことで体内の血液が循環し元の状態に戻ります。

ですので輸血をした場合でも特に安静にしなければならなかったり、回復が遅れるということはありません。

ただしあまりにも輸血の量が多く集中治療室に数日間入ってた等重篤な状態だった場合には、回復までにしばらく時間がかかるでしょう。

お義姉さんと同じく出産時に輸血しました。大学病院に緊急搬送で4日間ICUに入りました。

でも10日で退院して、特に安静にとは言われませんでしたよ。普通の産後と変わらない生活をしました。

退院時にはヘモグロビン値もかなり低めでしたが、1ヶ月検診ではだいぶ回復していましたし。

引用元:輸血後どれくらい身体は回復しましたか?

3児の母です。3人目を出産した時に、出血が酷くて、輸血しました。

輸血だけで治まらずに、子宮摘出手術も受けました。でも、一週間で退院しました。

私も実家が頼れる状況ではないので、自宅に帰り、その日から24時間赤ちゃんの世話、家族五人分の洗濯、炊事をしましたよ。

掃除は見えないことにしてしなでいると、夫が掃除機かけてくれてました。

引用元:輸血後どのくらいで身体は回復しましたか?

出産での輸血には保険がきく?

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妊娠や出産には何かと出費がつきものですが、最近では予め妊婦さんでも入れる保険に入っている方も多いでしょう。

その為万が一多額の出費がかかったとしても実費ではあまり出費がないという方もいらっしゃいます。

出産時に輸血をした場合にも別途費用かかりますが、こちらは保険の対象となるのでしょうか。

輸血自体に保険は適応されません!

帝王切開だった場合や何らかの異常が起こり手術が必要となった場合には保険が適応されます。

しかしこれは手術自体に対する保険適応であり、もし手術の時に輸血をしたとしても輸血自体には保険は適応となりません。

これは出産時だけに限らずどの様な手術を行ったとしても輸血には保険が適応されない場合が殆どだそうです。

ただし保険会社によって多少の違いがあるかと思いますので、ご自身で一度保険会社に確認してみると良いでしょう。

まとめ

出産時には想像以上に危険が伴い、中でも出血はあっという間に母子共に重篤な状態へと陥らせてしまいます。

得に大量に出血が見られる場合には輸血を行い、適切な処置を施します。

輸血には幾つか種類がありますが、自分の血液を予め採血しておく自己輸血でない場合には他人の血液が体内に入りますので、何らかのリスクはあります。

しかし現代使用されている血液は精密に検査が行われ、感染症などの心配も殆どありませんのであまり不安になる必要もないでしょう。

出産時の輸血は誰にでも起こりうる処置ですので、少し頭の片隅にでも知識を入れておくと良いですね。

 

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